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日月星辰
じつげつせいしん
作家
作品

夏目漱石

【思い出す事など】

 限りなき星霜せいそうを経てかたまりかかった地球の皮が熱を得て溶解し、なお膨脹ぼうちょうして瓦斯ガスに変形すると同時に、他の天体もまたこれに等しき革命を受けて、今日こんにちまで分離して運行した軌道と軌道の間が隙間すきまなくたされた時、今の秩序ある太陽系は日月星辰 じつげつせいしんの区別を失って、らんたる一大火雲のごとくに盤旋ばんせんするだろう。

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高浜虚子

【俳句への道】

 日月星辰 じつげつせいしんの運行、四季の変化、草木花鳥の開落往来、それらの中に人は生活しつつあるのである。人の生活がそれらによって影響せらるることはもとより当然のことである。否々、人が自分の力によって生活しつつある如く感ずるのは自然の力を無視するためである。無視するというよりも忘却しているためである。一たん気がついて自然の中に立っておる自分をかえりみれば芥子粒けしつぶの何億兆分の一よりも小にして更に小なる存在であることに気づくであろう。

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牧野信一

【フアウスト】

「恋人の悲しみは僕を悩殺するぞ。早う/\次の一組を探して彼女へ贈らねばならない。」
 メフイストは博士の騒ぎを秘かに嘲笑して「恋の亡者奴、日月星辰も吹き飛して娘の御気嫌を操らうとは恐れ入つたものだ!」と呟きながら次の誘惑にとりかゝるために出かけますが途々「実はさつきの宝物は悉く子供だましの玩具で、それと気づいた坊主の驚き顔を見てやりたいものだ!」斯んな棄科白を放ちます。悪魔は転んでもたゞでは起きぬと翼を伸して、敬虔な処女を堕落の淵へ追ひやりますが、兎角悲劇はうら/\と晴れ渡つた甘い朝の光りの中から勃発しがちなものだといふことであります。

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大杉栄

【獄中記】

「この頃読書をするのにはなはだ面白いことがある。本を読む。バクーニン、クロポトキン、ルクリュ、マラテスタ、その他どのアナーキストでも、まず巻頭には天文を述べてある。次に動植物を説いてある。そして最後に人生社会を論じている。やがて読書にあきる。顔をあげてそとを眺める。まず目にはいるものは日月星辰、雲のゆきき、桐の青葉、雀、鳶、烏、さらに下っては向うの監舎の屋根。ちょうど今読んだばかりのことをそのまま実地に復習するようなものだ。そして僕は、僕の自然に対する知識のはなはだ浅いのに、いつもいつも恥じ入る。これからは大いにこの自然を研究して見ようと思う。

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岡本かの子

【富士】

 女は、自分の前に佇った男は、身体の割に、手足が長くて、むくつけき中に逞しさを蔵している。獣のように毛深い。嫌だなと思うほど、女をとろかす分量のものをもっている。女は生れ付きの女の防禦心から眼をわきへ外らした。しかし身体だけは、ちょっと腰を前横へ押出して僅かなしなを見せた。池のほとりの桔梗きちこうの花のつぼみをまさぐる。
 しばらく虚々実々、無言にして、天体の日月星辰運行めぐる中に、新生の惑星が新しく軌道を探すと同じ叡智が二人の中に駈けめぐった。

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折口信夫

【琉球の宗教】

シヤウ王家の宗廟とも言ふべき聞得大君御殿チフイヂンオドン並びに、旧王城正殿百浦添モンダスイの祭神は、等しく御日オチダ御月オツキ御前オマヘ火鉢の御前オマヘ(由来記)であるが、女官御双紙オサウシなどによると、すぢの御前オマヘ・御火鉢の御前オマヘ・金の美御ミオすぢの御前オマヘの三体、と言ふ事になつて居る。伊波普猷氏は、すぢの御前オマヘを祖先の霊、御火鉢の御前オマヘを火の神、金の美御すぢを金属の神と説いて居られる。前二者は疑ひもないが、金の美おすぢは、日月星辰を鋳出した金物の事かと思はれる節〔荻野仲三郎氏講演から得た暗示〕がある。併し語どほりに解すると、かねは、おもろおたかべの類に、穀物の堅実を祝福する常套語で、又かねのともいふ。

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井上円了

【迷信解】

 かくのごとく論じきたりて、さらに事々物々の変々化々するありさまを見るに、人の生死、草木の栄枯はもちろん、雲の動き水の流るるまでも、みな不可思議となりて現る。もとより、これらの変化運動は物と力との関係より起こるに相違なきも、物の体も力の源もともに不可思議なれば、その変化運動も不可思議と称して差し支えない。ここにおいて、余は人の真怪の有無を問わるるに対し、日月星辰、山川草木ことごとく真怪なりといいて答えておる。かかる大怪に比すれば、狐狸、天狗、幽霊などは妖怪とするに足らぬものである。しかるに世人は、妖怪にあらざるものを指して妖怪とし、真に妖怪なるものを見て妖怪にあらずと思うは、実にその愚を笑わねばならぬ。ゆえに余は、妖怪研究の結果として、左の句をつづりて人に示しておる。

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小熊秀雄

【小熊秀雄全集-19- 美術論・画論】

 大正九年出版の画集には、この象徴風な実感にあふれたもの、百号大の『若きクリスト』『踞まれるカイン』『苦悩者』『地より出る光』其他の作が発表されてゐるが、いづれも魅惑に富むものばかりで、殊にもつとも構想の雄大なもの『若きクリスト』(銅版はその絵であるが)の彼の友詩人中西悟堂氏の説明によれば『絵の中央には鍬をもてる弊衣のキリスト、足下あしもとに獣と鳥とがゐる、鍬は地を耕すことを意味し、獣と鳥とは地上の生物を意味し、しかもこの二種の動物は人間の顔をしてゐて、殊に獣の尻尾には星の燈火が燃えてゐる、絵の下段にはアーチ型に、男性と女性とが腕を伸ばして手を握り合ひ、女性は赤児のクリストを抱き男女の下のは日月星辰冥府よみの国とがある』かういつた風に豊饒な幻影は尽きることがない、彼れは暫らく滞在して絵を描いていかうといふが、今回は主として風景小前にひたり金銭は度外視の、彼れを真実に愛してくださる人へのみの『油絵頒布画会』をやりたいと思ふ、だが彼れは絵が一枚も売れなくても、彼れの詩情は肥満して帰京するだらう、だが出来ることなら彼れの為めに私は一点でも多く絵を売つてやりたい気がする。(申込み九条十五丁目右八号僕宛)

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夢野久作

【鼻の表現】

 世界はいつになったら、これ等の呪われたる鼻の表現から救われる事が出来るでありましょうか――
 いつになったら馬鹿囃子が止む事でしょうか――
 スフィンクスはいつ迄も知らぬ顔をして、茫々たる沙漠を見つめております。
 その上には日月星辰が晴れやかにめぐりめぐっております。その下には地球が刻々に零下二百七十四度に向って ひえて行きつつあります。
 四時しじおもむろにそのまわりに移り変って行きます。風雨がこれを洗い、雷電がこれにはためきかかり、地震がこれをゆすぶりつつ、これを楽しませ、おどかし、励ましております。万有はこれに和して、ドンドン進化の道程を進めて行きます。

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Last updated : 2022/11/23