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自由自在
じゆうじざい
 ⇒ 自由自在 ⇒ 縦横自在
作家
作品

夏目漱石

【坊っちゃん】
それも動かないで刀だけ前後とか上下とかに振るのなら、まだ 危険あぶなくもないが、三十人が一度に足踏あしぶみをして横を向く時がある。ぐるりと廻る事がある。膝を曲げる事がある。隣りのものが一秒でも早過ぎるか、おそ過ぎれば、自分の鼻は落ちるかも知れない。隣りの頭はそがれるかも知れない。抜き身の動くのは自由自在だが、その動く 範囲はんいは一尺五寸角の柱のうちにかぎられた上に、前後左右のものと同方向に同速度にひらめかなければならない。

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夏目漱石

【虞美人草】

「昼間もそんなに忙しいんですか」
「昼間って……」
「ホホホホまだ分らないんですか」と今度はまた庭まで響くほどに疳高かんだかく笑う。女は自由自在に笑う事が出来る。男は 茫然ぼうぜんとしている。

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高浜虚子

【漱石氏と私】

桂月けいげつが「猫」を評して稚気を免かれずなどと申して居る。あたかも自分の方が漱石先生より経験のある老成人のような口調を使います。アハハハハ。桂月ほど稚気のある安物をかく者は天下にないじゃありませんか。困った男だ。ある人いう、漱石は「幻影の盾」や「薤露行かいろこう」になるとよほど苦心をするそうだが「猫」は自由自在に出来るそうだ。それだから漱石は喜劇が性に合って居るのだと。詩を作る方が手紙をかくより手間のかかるのは無論じゃありませんか。虚子君はそう御思いになりませんか。「薤露行」などの一頁は「猫」の五頁位と同じ労力がかかるのは当然です。

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芥川龍之介

【報恩記】

 何、わたしの逃げみちですか? そんな事は心配に及びません。この高い天窓てんまどからでも、あの大きい暖炉だんろからでも、自由自在に出て行かれます。ついてはどうか 呉々くれぐれも、恩人「ぽうろ」の魂のために、一切他言たごんつつしんで下さい。

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直木三十五

【大衆文芸作法】

 然るに、一方、現在瀰漫びまんするところの大衆作家諸君の作品は、史上実在の人物、例えば近藤勇の名前を方便上借り来って、史実を曲げ、気儘な都合よき事件を創造し、あまつさえ勝手なる幽霊主人公を自由自在に操り来り操り去る等、歴史小説としては許されざること甚だしきものが少くないのである。もし、斯ることが許容されてよきものとするならば、極端にいえば、題材を何も時代に取る必要なく、現代小説で書いても充分こと足りるし、その方がかえって楽なわけである。要するに歴史を取扱う意味が無い訳であろう。

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太宰治

【津軽】

「ずいぶん大がかりな機械ぢやないか。よく君はひとりで操縦が出来るね。」お世辞では無かつた。N君も、私と同様、科学的知識に於いては、あまり達人ではなかつたのである。
「いや、簡単なものなんだ。このスヰツチをかうすると、」などと言ひながら、あちこちのスヰツチをひねつて、モーターをぴたりと止めて見せたり、また籾殻の吹雪を現出させて見せたり、出来上りの米を瀑布のやうにざつと落下させて見せたり自由自在にその巨大な機械をあやつつて見せるのである。

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羽仁もと子

【おさなごを発見せよ】

 この神秘ともいい得るところの、ゆるぎなき教育の立場をもつことなしに、どんな方法を講じても、それは詰め込みにばかりなってしまいます。学校教育ばかりでなく、幼児教育にもどんなに多くこの詰め込み教育が行われているでしょう。
 どうすれば子供たちが真面目まじめに育つか、その真面目な人格を基礎として、さらにそのなかに自由自在に目のきく働きのある 頭脳あたまができてゆくか、縦にも横にも強くはたらく実行力が生まれてくるか。

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長谷川時雨

【朱絃舎浜子】

雪のはだえ滴々てきてきたる水は白蓮びゃくれんの露をおびたるありさま。
艶々つやつやしたる島田髷しまだまげも少しとけかかり、自由自在に行きつもどりつして泳ぐさまは、 たつの都の乙姫おとひめが、光氏みつうじを慕って河に現じたり。

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倉田百三

【生活と一枚の宗教】

会話というものと理屈の違うところは、会話というものは自然な自由なものを含蓄したものを出すわけで、そういうものは自由自在にあっちからも、こっちからも わされる。そういう先輩が芸者、仲居に対して自由自在に話せるし、先輩同士もいろいろな話をしている。その話というものは人格主義ではどうしても割りきることができない。

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夢野久作

【街頭から見た新東京の裏面】

 同時に、地震と火事でみじめにたたき付けられた気持ちのする反動が、これに加わった。そこへ市区改正を予期した、一時に合せの気分が加わった。
 そうした気分の東京人は、与えられたバラック建築の自由自在な手軽い特徴を利用して、持っている限りの建築趣味を発揮した。有らん限りの智恵と工夫とを表現した。その結果がこの通りだとすると、日本人の思想もあらかたこんなものではあるまいかと考えられる。誠にハヤ恐れ入った光景である。
 千変万化なバラック表現の底を流るる智恵と工夫の浅墓さ、そこに流るる一種の悲哀は、直ちに日本人のアタマの悲哀を裏書するものではあるまいか。

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Last updated : 2022/11/23