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獅子奮迅
ししふんじん
作家
作品

太宰治

【走れメロス】

今はメロスも覚悟した。泳ぎ切るより他に無い。ああ、神々も照覧あれ! 濁流にも負けぬ愛と誠の偉大な力を、いまこそ発揮して見せる。メロスは、ざんぶと流れに飛び込み、百匹の大蛇のようにのた打ち荒れ狂う浪を相手に、必死の闘争を開始した。満身の力を腕にこめて、押し寄せ渦巻き引きずる流れを、なんのこれしきときわけ掻きわけ、めくらめっぽう獅子奮迅の人の子の姿には、神も哀れと思ったか、ついに 憐愍れんびん を垂れてくれた。押し流されつつも、見事、対岸の樹木の幹に、すがりつく事が出来たのである。ありがたい。

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河上肇

【貧乏物語】

 彼はまたこれがために、今やドイツ人の暴虐を懲罰せんがため、獅子奮迅 ししふんじんの勢いをもって軍国の大事に当たりつつある。開戦後まもなく軍需大臣となり、次いで陸軍大臣に転じ、ついに今は総理大臣の椅子いす を占め、隠然として連合諸国の総大将たるの観がある。しかも余をもってこれを見れば、彼は依然として、今より約十五年前、英国バーミンガム市においてその同胞のためにほとんど一命を奪われんとせし当年の militant peacemaker(戦闘的平和主張者)たるロイド・ジョージそのままの人である。

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海野十三

【ネオン横丁殺人事件】

 その時薄暗い土間の隅から思いがけない声がした。
「芝居もどきで気がさしますが、その人間というのは、僕なんです」
「おお、あんたは、誰です」と一平は目をみはった。
「羽織をかえして下さい。あれは私のだから」
「羽織は返しますよ、ほら。だが、その襟に縫いこんであった、この契約書は、僕に貸して下さい。僕は素人探偵の帆村荘六というものです」
「ウヌ!」獅子奮迅 ししふんじんにとびついてくると一平を軽く左に外すと、再び一平が立ち直ってくるその頤のあたりを、ウーンと下から突きあげたアッパー・カット美事にきまって、哀れ一平は帆村の足許に長々と横に伸びた。

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宮本百合子

【獄中への手紙 一九四〇年(昭和十五年)】

 四月三十日  第二十九信
 ふっと灯のない部屋に入って来て、ガラス越しによその家からの明りが木の葉のかげをうつしながら、おぼろ気に部屋にさしこんでいるくらがり、大変に面白い気持です。暫くそのままにいます。このなかで書けるといいのに。こんな部屋の暗さ明るさのかげの交った光景は、夏の暗い部屋を思いおこさせます。その暗い涼しい夜の部屋へどこからともなくさしこんで来ていた光りを思いおこさせます。足さぐりに来て、ぶつかる体をそこに感じるようなそんな心持を思いおこさせます、静かな明暗のうちにある深い快い眠りを思いおこします。これからの夜には、こんな明るさ暗さがこの二階の部屋にも訪れます、何と面白いでしょう。何と様々の情景をふくむ明暗でしょう。
 きょうは、朝からあの刻限まで獅子奮迅の勢で古典研究の歴史文学について二十九枚かき終り(半分はきのう)深い興味と感想をもってかき終り、そーらすんだと下りて速達にして、御飯たべてそこへ『都』のひとの来たのを、御飯たべたべ喋って(仕事のうち合わせ)出かけました。

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吉川英治

【三国志 臣道の巻】

「顔良の勇は用うべしですが、顔良の思慮は任ずべきでありません、それに先陣の大将を二人へ任じられるのもいかんと思いますが」と、袁紹に注意した。
 袁紹は、耳をかさない。
「こんな鮮やかに勝っている戦争をなんで変更せよというのか。あのとおり 獅子奮迅ししふんじんのすがたを見せている勇将へ、退けなどといったら、全軍の戦意も萎えてしまう。そちは口を閉じて見物しておれ」

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Last updated : 2022/11/23