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生生世世/生々世々
しょうじょうせぜ
しょうじょうせせ
しょうじょうよよ
作家
作品

芥川龍之介

【案頭の書】

『いやいやさやうの者にあらず。我は今西村いまにしむら兵右衛門へいゑもんに奉公致すものなるが、しかじかのことにてむなしく成る。あまりになさけなきしかたゆへ、うらみをなさんと一念此身をはなれず今宵こよひかの家にゆかんと思へどあるじつねづね観音を信じ、門戸もんこ二月堂にぐわつだう牛王ごわうを押し置きけるゆゑ、死霊しりやうの近づくことかなはず(中略)牛王をとりのけたまはらば、生々世々 しやうじやうせぜ御恩ごおん』と、世にくるしげにたのみける。

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菊池寛

【忠直卿行状記】

「忠直卿当国津守つのかみに移らせ給うて後は、いささかの荒々しきお振舞もなく安けく暮され申候。兼々かねがね仰せられ候には、六十七万石の家国を失いつる折は、悪夢より覚めたらんが如く、ただすがすがしゅうこそ思い候え。生々世々、国主大名などに再びとは生れまじきぞ、多勢の中に交じりながら、孤独地獄にも陥ちたらんが如く 苦艱くげんを受くること屡々しばしば なりなど仰せられ、御改易のことについては、些の御後悔だに見えさせられず候。

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夢野久作

【名娼満月】

 ……これまでの方々かたがた様の御心づくし、何と御礼を申上げましょうやら。つたないこの身に余り過ぎました栄耀栄華えいようえいが。空恐ろしゅうて行く先が思い遣られまするばかりで御座います。ただ、おゆるし下されませ。金丸様と、御楼主様の御恩のほどは生々世々 しょうじょうせぜ犬畜生、虫ケラに生れ代りましょうとも決して忘れは致しますまい。
 ……わたくし幼少おさない時より両親ふたおやに死に別れまして、親身しんみの親孝行も致しようのない身の上とて、この上はただ御楼主様ごないしょさまの御養育の御恩を、一心にお返しするよりほかに道はないと、そればかりを楽しみに思い詰めて成長おおきくなりましたところへ、肉親の親から譲られましたこの重病。

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中里介山

【法然行伝】

又、或時は書物を持って来られてこれは何という言葉じゃと云われるから、これはこうと返答をすれば騒ぎだろうと思って、さあどういう意味でございましょうかと申すと、また腹立ちで、『お前の様な人間を置くのはこう云うことの相談にしたいからだ』と云われるような訳で、いつも争論にはなったけれども、最後には覚悟房という僧にわが名の二字を書かせて、却って弟子になって寺のお経や譲り文をも、もとは譲り渡しと書かれたのを取り返して進上と書き直して法然に贈って生々世々 しょうしょうせせ互に師弟となる印であると申された。真言の師範であった相模阿闍梨重宴も最後には受戒の弟子となった、丹後の迎摂房こうしょうぼうも却って弟子となって浄土の往生をとげた。

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佐々木味津三

【右門捕物帖 京人形大尽】

「気に入った、大いに気に入った、そういう聞いてもうれしい話で、このおれの力が借りたいというなら、むっつり右門の名にかけて、きっと望みをかなえさせてやらあ。じゃ、もうこの丁子油の髪の毛も用がねえ品だから、ついでにねこへも供養させてやるぜ。ほら、黒とかいったな、おまえにこいつあいただかしてやるから、生々世々 しょうじょうよよまでおまえの命があるかぎり、お嬢さんだと思って守っていなよ」

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国枝史郎

【血曼陀羅紙帳武士】

 典膳は、崖の上を振り仰いだ。
 生々なまなまと白く、肥えて円い、女の腕が、長く延びて差し出されてい、指が、何かを求めるように、閉じたり開いたりしていた。
「あ」
 と、典膳は、思わず声を上げた。意外だったからである。しかし、次の瞬間には、誰か、女が、この身を助けよう、引き上げようとして、手を差し出してくれたのだと思った。
「お助けくださいまするか、かたじけのうござる。生々世々 しょうじょうよよ、ご恩に着まするぞ」
 と、典膳は、咽喉のどこびりついて容易に出ない声を絞って云い、一気に勇気を出し、川から岩の上へ這い上がった。

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林不忘

【魔像 新版大岡政談】

園絵という妻があってみれば、恩人とは言え、その恋を受けるわけにはいかないのである。これは飛んだことになってしまった。一難去ってまた一難――喬之助は、そんな気がした。
「まことにかたじけのうござる。御恩は生々世々 しょうしょうよよ忘れ申さぬ」
 こう固っ苦しい礼を、気が抜けたようになって台所の板の間にすわっているお妙に述べたのち、喬之助は、手早く衣服のみだれを直して、壁辰につづいて茶の間へ帰った。

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吉川英治

【私本太平記 黒白帖】

「異国の帝王には、この世の宝玉や愛妃あいひへの執念しゅうねん墳墓ふんぼにまでしたがえていったような人もあるが、じぶんは今、臨命にさいして、妻子への未練も、王位や珍宝にたいする妄念も、何ら持ってはいない。……ただ生々世々しょうじょうよよ、心のこりなのは、ついに朝敵を亡ぼし終らず、四海の泰平を、この目で見なかったことである」

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Last updated : 2022/11/23