ご利用について
参考書
四字熟語  を     表示  件
このサイトに登録されている四字熟語を検索します。平仮名での検索や一文字からの検索、絞り込み検索などもできます。
桑田碧海
そうでんへきかい
作家
作品

森鴎外

【 伊沢蘭軒 】

「廿三日卯時発す。二里今市駅。呼坂よびざかを経るに人家街衢をなす。撫院河内屋藤右衛門といふものの家に小休す。薬舗なり。蔵書数千巻を曝す。主人他に行故をもつてけみすることを不許ゆるさず。呼坂はけだし昔にいふところの海老坂なり。松山峠を経二里久保田駅(一名久保市)なり。二十八町花岡駅。山崎屋和兵衛の家に休す。主人手みづから比目魚ひもくぎよを裁切して蓼葉酢りくえふさくに浸し食せしむ。あじはひ最妙なり。山路を経るに田畝望尽のぞみつきて海漸くあらはる。廿五町久米駅。廿四町遠石とほいし駅なり。右の岡上八幡の祠あり。又市中影向石えいかういしといふものあり。大石なり。上に馬蹄痕あり。土人の説に古昔宇佐八幡の神飛びきたつて此石上にとゞまるなりといへり。貞世紀行には此石海中にある文見ゆ。桑田碧海の歎おもふべし。人家の所尽て松原なり。青田瀰望また列松数千株めぐれり。松外は大海雲晴遠島飛帆その間に隠見す。半里野上駅。すなはち徳山城下なり。鶴屋新四郎の家に小休す。城此をはなるゝこと十町 きよなり。浅井金蔵谷祐八(金蔵あざなは子文祐八字子哲徳山の臣なり)のことを物色するに、みな安寧なりといへり。海面に佐島大山島を望。一里十二町富田駅にいたる。駅は山の半腹なり。山東南に面して海中に出るがごとし。海面は遠山延繚して中断し水天一色なり。海にひたる坂をめぐりくだるとき、已夕陽紅を遠波にしきたり。やち川を渡り十九町福川駅。米屋七五郎の家に宿す。此駅より海面に島々見ゆる中に、せん島黒髪山島尤大なり。此日暑甚しけれども風あり。此日立秋なり。行程八里廿四町許。」

青空文庫で読む

濱田耕作

【 温泉雜記 】

併し此のテルモピレーが温泉の湧出地であることは、往々にして注意せられないかも知れない。「テルモ」は「熱い」と言ふ義であり、「ピレー」は門の意であれば、テルモピレーは即ち熱門とも譯す可きで、オエタの山がマリオコス灣に逼つて、ロクリスからテスサリヤに入る道が丁度此のテルモピレーの險阻を過ぎるのである。レオニダスの時より二千五百年の星霜を經て、桑田碧海の變と言ふ程では無いが、地形の變化は此のテルモピレーも埋められ、嶮崖は海岸線から稍々遠く距つて、緩傾斜になつて仕舞つた。

青空文庫で読む

 
  • それぞれの四字熟語の詳しい意味などは、辞典や専門書でお確かめください。
  • このサイトの制作時点では、三省堂の『新明解 四字熟語辞典』が、前版の5,600語を凌ぐ6,500語を収録し、出版社によれば『類書中最大。よく使われる四字熟語は区別して掲示。簡潔な「意味」、詳しい「補説」「故事」で、意味と用法を明解に解説。豊富に収録した著名作家の「用例」で、生きた使い方を体感。「類義語」「対義語」を多数掲示して、広がりと奥行きを実感』などとしています。

おすすめサイト・関連サイト…

Last updated : 2023/10/26