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談論風発
だんろんふうはつ
作家
作品

芥川龍之介

【秋】

話は食後の果物を荒した後も尽きなかつた。微酔を帯びた俊吉は、夜長の電燈の下にあぐらをかいて、盛に彼一流の詭弁きべんを弄した。その談論風発が、もう一度信子を若返らせた。彼女は熱のある眼つきをして、「私も小説を書き出さうかしら。」と云つた。

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織田作之助

【螢】

しぜん奉行所ぶぎょうしょの宿調べもきびしくなる。小心な伊助は気味わるく、もう浄瑠璃どころではなかったが、おまけにその客たちは部屋や道具をよごすことを何とも思っていず、談論風発すると畳の眼をむしりとる癖の者もいた。煙草盆はひっくりかえす、茶碗が ころがる、銚子は割れる、興奮のあまり刀を振りまわすこともあり、伊助の神経にはえられぬことばかしであった。

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小山内薫

【芝、麻布】

しまいには、後輩組の武林までが酔っぱらって、
「やい、小山内、貴様は藤村の前へ出ると、頭が上らないじゃないか。弱虫め。」などと罵倒するようになった。
 談論風発 だんろんふうはつでは、何といっても国木田独歩が第一だった。文字通りに口角泡を飛ばして、当時の旧文芸を罵倒した。あの刺すような皮肉は、今もなお耳底に残っている。

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岸田國士

【田口竹男君のこと】

ところが、この春、文学座について私は大阪へ行つたのだが、その機会に、京都で、「劇作」関係者の集りがあり、その席で久しぶりに彼に会つた。重患のあとと聞いてゐたのに、案外に元気な様子をしてゐたので安心したばかりでなく、その話し方も別人のやうに活溌で、翌日であつたか、内輪の者で座談会をやつた時など、ほとんど談論風発といふ概があり、希望と自信に燃えながら、新しい仕事に立向はうとしてゐるらしかつた。

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岡本かの子

【鶴は病みき】

某日。――今日、麻川氏は終日しいの間の小亭で書いて居る様子だった。私達も一寸ちょっと海岸へ行って帰って来ると主人は昼寝、従妹いとこは縫物私は読書ばかりして暮らした。夕方、先日海岸で紹介されたT氏の弟が私の部屋へ遊びに来た。プロレタリア文学雑誌「種く人」の同人で二十五歳、病弱な為めW大学中途退学の青年だが病身で小柄でも声が妙にかん高で元気に話す男だ。ほとんどわめく様にマルクスだとかレーニンだとか談論風発を続け、はては刻下の文壇をプチブル的、半死蛇等と ののしり立てる。十時近い頃青年は病的なりに生々した顔付きで兄の家へ帰って行った。

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宮本百合子

【道標】

「わたしたち、寝坊してしまって……」
「いや、いいんです。私どもだって、さっき起きたばっかりなんですから……しかしソヴェトの人たちには、とてもかないませんね、実に精力的ですからね。夜あけ頃まで談論風発で、笑ったり踊ったりしているかと思うと、きちんと九時に出勤しているんだから……」

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坂口安吾

【青春論】

何事も勝負に生き、勝負に徹するということは辛いものだ。僕は時々日本棋院の大手合を見物するが、手合が終ると、必ず今の盤面を並べ直して、この時にこう、あの時にはあの方がというような感想を述べて研究し合うものである。ところが、勝った方は談論風発、感想を述べては石を並べその楽しそうな有様お話にならないのに、負けた方ときたら石のように沈んでしまって、まさに永遠の恨みを結ぶかの如く、釈然としないこと甚だしい。

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甲賀三郎

【血液型殺人事件】

全く、両博士のように、故郷を同くし、中学から大学まで同じ級で、同じ道を進み、卒業後も肩を並べて、同じ学校の教授の席を占めているという事も珍らしいが、その性格が全く正反対なのも珍らしいと思う。
 毛沼博士は表面豪放で磊落で、酒も呑めば、独身の関係もあるが、カフェ歩きやダンスホール通いもするし、談論風発で非常に社交的である。だから、誰でも直ぐ 眩惑げんわくされて、敬愛するようになるが、よく観察すると、内面的には小心で、中々意地の悪い所があり、且つ狡猾ずるい所がある。

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国枝史郎

【小酒井不木氏スケッチ】

氏の創作を読んでいると、早く文章に綴らなかったら、材料が何処かへ逃げて行きそうだと、心配して書いているような、性急の所が窺われると、或る軽快なD・S作家が、曾て本誌で指摘したが、会話の中にも夫れが見られるが、是は欠点では無い。氏が早口になるや否や、田園の長者も博士も消えて、俄然大学の書生さんが、書斎一杯に拡がるのである。何んと愉快なことでは無いか。だが談論風発を、もし誰かが予想して、氏の書斎を訪問したら、例外無しに裏切られるだろう。一つは体を いたわられるため、一つは粘液質の鈍感者流が自分の云っていることが自分に解らず、そのめ人にも解るまいと、そこで眼を怒らせ声を大にし、丁寧に疾呼反覆するあの悲しむ可き喜劇なるものを、踏襲する必要が無いためとで、いつも氏は低声で物を云われる。私の趣味など何うでもいいが、併し御免をこうむって、私の趣味で云わせて戴けるなら、基督キリストのような人格者であろうと、カントのような智者であろうと、談論風発したが最後、私は躊躇無く無視して了う。そうして私は云うつもりである。

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中里介山

【大菩薩峠 弁信の巻】

松島の月も心にかかり候へども、この辺まで来ては白河の関、安達ヶ原、しの文字摺もじずりの古音捨て難く候ことと、同行の奇士の談論風発、傾聴するに足るべきものいと多きものから、横行逆行して、つひに今夜白河城下に参り、都をば霞と共に出でしかど、秋風ぞ吹くといふ古関のあとに、 徘徊はいかい去るに忍びざるものを見出し申候。

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吉川英治

【新書太閤記 第二分冊】

「お覚悟あるなら、腰すえて飲もう」
 多くは飲まないが、話が尽きないのである。犬千代は談論風発であったから、藤吉郎のほうがどうしても聞き手になった。藤吉郎はまた誰とはなす時でも、聞き上手であった。

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Last updated : 2022/11/23