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大願成就
たいがんじょうじゅ
作家
作品

正岡子規

【犬】

その地蔵様に向いて、未来は必ず人間界に行かれるよう六道の辻へ目じるしの札を立てて下さいませ、この願いが叶いましたら、人間になって後、きっと赤い 唐縮緬とうちりめん涎掛よだれかけを上げます、というお願をかけた、すると地蔵様が、汝の願い聞き届ける、大願成就、とおっしゃった、大願成就と聞いて、犬は嬉しくてたまらんので、三度うなってくるくるとまわって死んでしもうた、

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菊池寛

【恩讐の彼方に】

「御武家様も、おきき及びでもござろうが、この刳貫は了海様、一生の大誓願にて、二十年に近き御辛苦に身心を砕かれたのじゃ。いかに、御自身の悪業とはいえ、大願成就を目前に置きながら、お果てなさるること、いかばかり無念であろう。我らのこぞってのお願いは、長くとは申さぬ、この刳貫の通じ申す間、了海様のお命を、我らに預けては下さらぬか。刳貫さえ通じた節は、即座に了海様を存分になさりませ」と、彼は誠を表して哀願した。群衆は口々に、
「ことわりじゃ、ことわりじゃ」と、賛成した。

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薄田泣菫

【茶話 大正五(一九一六)年】

香取秀真かとりほつま氏が法隆寺の峰の薬師で取調べたところにると、お薬師様に奉納物ほうなふものの鏡には、随分すぐれた価値ねうちのものもすくなくなかつたが、同じ献上物けんじやうものの刀剣はみんななまくらで鏡と比べたらてんで談話はなしにもならなかつたさうだ。峰の薬師は祈願を籠めると、霊験れいげんのあらたかなので聞えた仏様で、大願成就の暁には、その祈願者の身につけた物のうちで、一番 大切だいじな物を奉納しなければならぬと言伝へになつてゐる。

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泉鏡花

【婦系図】

 礼之進はまた額に手を当て、
「いや、何とも。わたくし 大願成就仕りましたような心持で。おかげを持ちまして、痘痕あばたが栄えるでごわりまする。は、はは、」

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内田魯庵

【犬物語】

ひそかに自分の己惚了簡で学問好きの嬢様は華尾のやうな俗吏がお気に召す筈が無いとめてゐた処へ華尾が博士論文の催促で責められると聞いたから、先生大恐悦で大願成就した気になつて、或る日嬢様に向つて私も愈/\ 来春らいはる は博士論文を呈出しますと仕たり顔に云ふと、

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種田山頭火

【行乞記 (一)】
見ると五厘銅貨である、多分お婆さん、その銅貨をどこかで拾ひでもしてその抽出しに入れておいたのだらう、そして私が立つたので、それを思ひだして喜捨して下さつたのだらう、空気の報謝――これも一揷話――よりも罪はないが、少々慾張りすぎてゐますね、お婆さんは多分五厘で極楽へゆくつもりだらう、慾張り爺さんが一銭で大願成就を神様に押しつけるやうにさ!

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海野十三

【くろがね天狗】

「思い知ったか、権四郎!」
 と軒端の半之丞は、遠くから呪いの言葉を吐いた。虎松はこの場の不可解な情景に立ちすくんだまま。
大願成就だ。――ここらで引揚げよう」
 と云った半之丞が、何気なく背後をふりかえって、そこで虎松とバッタリ顔を合わせて、ギョッとした。

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中里介山

【大菩薩峠 恐山の巻】

織田信長公の天下が太閤秀吉様になり、それから 権現様ごんげんさまの御政治になって、天下がはじめて泰平になりました。それをはじめて知って、角行様は大願成就とお喜びになりました。それが御縁で角行様は、この富士のお山こそ御国のしるし、御国はまた万国のしるし、取りも直さず富士のお山は、 天御中主神あめのみなかぬしのかみ高産霊神たかみむすびのかみ神産霊神かみむすびのかみの御三体の神様の分魂わけみたま のみましどころであるということを、御霊感によって確然とお悟りになり、

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国枝史郎

【天主閣の音】

「お半の方様ありがたいことで」
 こう香具師は嬉しそうに云ったが、腹の中では不思議であった。
「ははあ余っぽど眠剤が、気に入ったものと思われる。成程なあ、あの老人流石に可い事を教えてくれた。こう覿てき面にあの薬が、利目があろうとは思わなかった。兎まれ天主閣へ上れるなら、こんな有難え事はねえ。いよいよ大願成就かな」

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吉川英治

【随筆 宮本武蔵】

 武蔵は切々たる少年の孝情に感じて、こころよく二刀の剣法を授け、
「明日試合にのぞまば、床几しょうぎに腰をおろす前に、必ず足下の地面を見よ。もしありいおるならば、汝必勝のきざしである。かつわしは汝がために、摩利支天まりしてんに必勝の祈願を修法しているほどに心措きなく怨敵に立ち向え」
 と励ました。
 当日に至って、少年が足下を見ると、おびただしい蟻である。少年は、
「これぞ 大願成就だいがんじょうじゅ吉兆きっちょう――」
 と勇み立ち、武蔵に授けられた秘策をもって、見事大敵を突き殺した。

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Last updated : 2022/11/23