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単純明快
たんじゅんめいかい
作家
作品

坂口安吾

【街はふるさと】

「それほどの覚悟なら、こッちで何もすることはなかろう。当人が幸福なら、それに越したことはないさ。ただ、エンゼル家からお払い箱というときに、行き場に窮するということがなく、こッちへ戻ってくる才覚をつけておいたら、よろしかろう。北川君がその才覚をつけてやるのだね」
 長平はこう簡単に結論したが、単純明快に合理的でありすぎて、肉親的な感情が、どこにもなかった。
 せつ子は反対した。

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永井荷風

【江戸芸術論】

この理論にてらして彼ら印象派の画家は北斎の山水板画を以てその最も成功せる例証となしたり。富士三十六景中快晴の富士と電光の富士とがその一は藍色らんしょくの光線に染められ、その一は全く異りたる赤色となれるが如き、彼らはこれを以ておよそ物の陰影は黒く暗く見ゆるものにあらずかへつててらされし物体と同様の色彩のやや柔げられたるものならざるべからずとなしたるその新理論に適合するものとなしたり。これと共に北斎板画の単純明快なる色調は専ら根本的なる太陽の七色にのみ重きを置かんとする彼らの主張と全く一致するものとなしたり。

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斎藤茂吉

【万葉秀歌】

旅人が家に帰って来て、妻のいない家を寂しみ、太宰府で亡くした妻を悲しむ歌で、このほかに、「人もなきむなしき家は草枕旅にまさりて苦しかりけり」(巻三・四五一)、「吾妹子わぎもこがうゑし梅の木見る毎に心むせつつなみだし流る」(同・四五三)の二首を作っているが、共にあわれ深い。
 此一首の意は、亡くなった妻と一しょになって、二人で作った庭は、こんなにも木が大きくなり、繁茂するようになったというので、単純明快のうちに尽きぬ感慨がこもっている。結句の、「なりにけるかも」というのは、「秋萩の枝もとををに露霜おき寒くも時はなりにけるかも」(巻十・二一七〇)

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片岡義男

【道順は彼女に訊く】

後藤美代子は、少なくとも複雑怪奇な存在ではない。むしろその逆に、単純明快なのだろう。しかしその単純明快さは、彼女なりのものであり、それはどのようなものかと言うなら、けっして一筋縄ではいかない種類のものだ。そしてその意味で、彼女は充分に手ごわい。手ごわさという糸口がやっとひとつ、手に入ったと言っていい、と日比谷はひとりで思った。

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Last updated : 2022/11/23