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直情径行
ちょくじょうけいこう
作家
作品

芥川龍之介

【木曾義仲論(東京府立第三中学校学友会誌)】

彼は遂に時勢の児也。欝勃たる革命的精神が、其最も高潮に達したる時代の大なる権化也。破壊的政策は彼が畢生の経綸にして、直情径行は彼が一代の性行なりき。而して同時に又彼は暴虎馮河死して悔いざるの破壊的手腕を有したりき。

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佐藤紅緑

【ああ玉杯に花うけて】

 久保井校長のつぎにきた熊田校長というのはおそろしく厳格な人であった、久保井先生は温厚で謙遜で中和の人であったが、熊田先生は 直情径行ちょくじょうけいこう火のごとき熱血と、雷霆らいていのごとき果断をもっている。もし久保井校長が春なら熊田校長は冬である、前者は春風駘蕩たいとう、後者は寒風凛烈りんれつ! どんなに寒い日でも熊田校長は外套がいとうを着ない、校長室に火鉢もおかない、かつて大吹雪おおふぶきの日、生徒はことごとくふるえていた日、校長は校庭にでて雪だるまを転がしまわった、その髪となく目となく口となく、雪だらけになったが少しもひるまなかった。

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中島敦

【光と風と夢】

ボーンマスにいた頃、夫の身体の為とはいえ、古い友達の誰彼を、頑として一切病室に入れなかったのも、彼女であった。之にはスティヴンスンの友人達も大分気を悪くした。直情径行のW・E・ヘンレイ(ガルバルジイ将軍を詩人にした様な男だ)が真先に憤慨した。何の為に、あの色の浅黒い・ はやぶさの様な眼をした亜米利加女が、でしゃばらねばならぬのか。あの女のためにスティヴンスンはすっかり変って了った、と。

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伊丹万作

【余裕のことなど】

 近ごろの世相は私に精神的呼吸困難を感じさせることが多い。しかし、日本人がもしも本来の大和心というものを正しく身につけているならば、世の中が今のようにコチコチになつてしまうはずはないのである。
 たとえば直情径行は大和心の美しい特質の一つであるが、近ごろの世の中のどこを見てもそのようなものはない。
 直情径行といえばすぐに私は宇治川の先陣あらそいでおなじみの梶原源太景季を想い出す。
「平家物語」に出てくる人間の数はおびただしいものであるが、それらの全体をつうじてこの源太ほど私の好きな人間はいない。

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宮本百合子

【デスデモーナのハンカチーフ】

 エミール・ヤニングスが映画のオセロに扮したとき、彼はそのもち味で、黒人の英雄であるオセロの直情径行の素朴な人間性とデスデモーナへの情熱の面を強調した。シェクスピアは、オセロをもうすこし複雑に生かしている。黒人英雄の官能をつき動かす濃くあつい血の力のほかに。シェクスピアのオセロの心理には、黒人という生れあわせに対するオセロの白い皮膚のひとと等しい人間的尊厳の主張や自尊心やが作用している。

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岡倉由三郎

【茶の本 はしがき】

 たやすく郷党にれられ、広く同胞に理解されるには、兄の性行に狷介味けんかいみがあまりに多かった。画一平板な習俗を懸命に追うてただすら他人の批評に気をかねる常道の人々からは、とかく嶮峻けんしゅん隘路あいろを好んでたどるものと危ぶまれ、生まれ持った直情径行の気分はまた少なからず誤解の種をまいてついには有司にさえ 疑惧ぎぐの眼を見はらしめるに至った兄は、いまさらのように天地のひろさをおもい祖国のために尽くす新しき道に想到したのであった。

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山路愛山

【透谷全集を読む】

 直情径行は今も昔も いやし難き余の病なりしかば、数ば大声を発し、論戦若し危きに及べば所謂横紙破りの我慢をも言出だしき。然れども透谷は敢て同一の調子にてそれに抵抗したることなかりき。彼れは唯ニヤリ/\と無邪気に笑ひつゝありしのみなりき。

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豊島与志雄

【牛乳と馬】

この馬は、僕がここにいる間、借りてるんです。なぜそんなことをしたか。錯覚を、あらゆる錯覚を、追っ払うためです。錯覚を追い払うばかりか、新たな勇気が出てくる。乗馬は、颯爽として、男性的で、直情径行で、ひねくれたくよくよしたものを排除する。つまり、真直に駆けぬける。これが大切です。秋子さんも馬に乗りませんか。僕が教えてあげるから。

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岡本かの子

【母子叙情】

 外交官にしては直情径行に過ぎ、議論の多い規矩男の父の春日越後は、自然上司や 儕輩さいはいたちに好かれなかった。駐在の勤務国としてはあまり国際関係に重要でない国々へばかりまわされていた。

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夢野久作

【近世快人伝】

 奈良原到翁はその極端な清廉潔白と、過激に近い直情径行が世に れられず、明治以後の現金主義な社会の生存競争場裡に忘却されて、窮死きゅうしした志士である。つまり戦国時代と同様に滅亡した英雄の歴史は悪態あしざまに書かれる。

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Last updated : 2022/11/23