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月岡芳年
猫鼠合戦ねこねずみかっせん
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  • 幕末から明治前期にかけて活動した浮世絵師、月岡芳年つきおかよしとし (1839年・天保10年 - 1892年・明治25年)の「猫鼠合戦ねこねずみかっせん」。
  • 芳年の「猫鼠合戦」は、同名の昔ばなしを題材にしたと思われる中判2丁掛け、計6図の錦絵。
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 月岡芳年「猫鼠合戦」[ボストン美術館蔵]
〔其の一〕
 猫に紙袋をかぶせて攻め立てる鼠たち。
 一匹は猫を指差して笑い、一匹は大きなハリセンのようなものを構えて、「バシッとやっちまいましょうか」と、今にも猫の頭を引っぱたきそうな様子。
安政6年(1859) [ボストン美術館蔵]
〔其の二〕
 反撃に出る猫の軍団。
 猫軍団が掲げる幟には「いわみぎんざん」(石見銀山)の文字が染め抜かれ、「鼠よけの薬」を持ってきたぞと誇示する。
 石見銀山の銀の副産物として採れた「 砒石ひせき」が、殺鼠剤さっそざいの原料として用いられ、それを知っている鼠たちは一目散に逃げ出す。
安政6年(1859) [ボストン美術館蔵]
〔其の三〕
 今度は鼠の反撃。猫に 木天蓼またたびを嗅がせる作戦に出た。
 仕掛けられた木天蓼の匂いにつられた猫たちが、よだれをたらして腰砕けに。
 遠巻きに見る鼠たちは又しても勝ち誇った様子。「大将、作戦大成功ですね」
安政6年(1859) [ボストン美術館蔵]
〔其の四〕
 猫が人事不省じんじふせい に陥っている隙に、鼠が餌を盗み食い。
 左端の鼠は、「これはうまい。おかわり。もう一杯」
(餌が入っているのはアワビの貝殻で、当時、猫の餌入れとしてよく使われたという)
安政6年(1859) [ボストン美術館蔵]
〔其の五〕
 腹ごしらえをした鼠たちは、勢いを得てさらに猫を攻め立てる。
 犬の張り子に乗った鼠の大将が、軍勢を引き連れやって来た。「進めー」
 多勢に無勢。分の悪い猫たちは、すってんころりんの退散劇。
安政6年(1859) [ボストン美術館蔵]
〔其の六〕
 合戦の最中、「捕まえたぞ」としたり顔の猫。
「何にも入ってないわい」と指差しながら笑う鼠。
 さて、物語の結末は……
安政6年(1859) [ボストン美術館蔵]
 《物語の結末》
 猫の大将は「者共恐れるな、犬張り子だ、討ってかかれ」と下知する。
 多くの猫が取って返し散々に戦うが、危うい所へ大黒天が現れ、めでたく和睦。
 大黒天は「家内安全」を守らせ給う。
 めでたし、めでたし。
《参考》
 「猫鼠合戦」(歌川芳虎ヵ)」
  江戸後期(国立国会図書館蔵)
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Last updated : 2022/11/23