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江戸の火消ひけし・江戸のまとい

神明相撲闘争之図しんめいすもうとうそうのず
(め組の喧嘩)
月岡芳年つきおかよしとし
  • 神明相撲闘争之図しんめいすもうとうそうのず
  • 月岡芳年つきおかよしとし (1839年〈天保10年〉- 1892年〈明治25年〉)。幕末から明治前期にかけて活動した浮世絵師。
  • 明治19年〈1886年〉『新撰東錦絵』の一枚。
  • 国立国会図書館蔵。
  • 文化2年2月〈1805年3月〉、江戸芝神明社境内で行われた勧進相撲の際、鳶人足の入場を巡って力士と町火消「め組」の火消人足との乱闘事件が発生、このことは世間の話題になり、「め組の喧嘩」として後に講談や芝居の題材にもなった。
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新撰東錦絵/神明相撲闘争之図しんめいすもうとうそうのず
月岡芳年つきおかよしとし

 この「め組」の火消と力士の喧嘩は、文化文政年間(1804年 - 1830年)の事件や街の噂を拾い集めた「 街談文々集要がいだんぶんぶんしゅうよう 」(石塚豊芥子編)に『侠者争角觝』として載っている。

「街談文々集要」 (国立国会図書館蔵「珍書刊行会叢書 第2冊」) 


『街談文々集要』二巻

文化二乙丑

第三 侠者争角觝

一 文化二乙丑二月上旬より、芝神明社地において勧進大相撲興行あり、追々日数取上げ十六日には八日目と相成り、十日の内一番の見物事にて早朝よりの群集、桟敷も追込も、押合へし合、人の波打大入なり。

 然る所水引という角力と鳶の者と口論を相初め、双方立合争うことゆえ、見物の人々大騒ぎに相成りしが、鳶の者は其場を立去り仲間の者一統呼集め、火事場仕度に身拵えして鳶口、梯子、得もの/\携えて、エイ/\声して角力場へ押来り、先ず木戸を打こわし、此物音に見物の人々さわぎ立、右往左往に散乱す。

 鳶の者大勢込入、乱妨しけるを四ツ車大八と云力士、桟敷に掛け有りし三間梯子をおっとり、りゅう/\と振廻し大勢いの中へ打て入、力にまかせて打倒す。

 水引も自分より起りし喧嘩由え、四ツ車に怪我させじと命かぎりにはたらきて、鳶の者を門より外へ追出し、又々門前にて闘争に及し所、鳶の者の内大勢商家の屋根に上り、瓦をめくり雨のふる如く打付し。其瓦四ツ車の眉間に当たり、血流るるもいとわず大勢を打ちらしける、殊に角力うちにても大兵にして色白美男なりし。此疵癒えても面部耳其跡は残れり。【其後文化四卯とし牛込神楽坂牡丹やしき稽古角力の節、予叔父の方へ度々来りし】(略)

 *適宜、現代仮名遣いにし、句読点を入れたりしています。

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Last updated : 2021/06/26