閉月羞花
へいげつしゅうか |
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作家
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作品
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【鑑定】
本文に謂つて曰く、蓬髮歴齒睇鼻深目、お互に熟字でだけお知己の、沈魚落雁閉月羞花の裏を行つて、これぢや縮毛の亂杭齒、鼻ひしやげの、どんぐり目で、面疱が一面、いや、其の色の黒い事、ばかりで無い。
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【松の操美人の生埋 侠骨今に馨く賊胆猶お腥し】
馬「先生何うです彼の娘は見事じゃアありませんか」
周「はゝア成る/\いやこれは美人、こりゃア恐入った代物だ、もし彼の床几に腰を掛けてる客ね、茶は呑みたく無いが、あの娘を見たい計りで腰を掛けて居ますわ、実に古今無類の嬋妍窈窕たる物、正に是れ沈魚落雁閉月羞花の粧いだ」
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【東西ほくろ考】
正整静淑が美人の容貌の様式なのである。だから嬌艶も、婀娜も、又は内部の熱情も、心の内に静かに籠めてゐて、是を外部に現はさない所謂喜怒哀楽を色に現はさないのである。随つて自から表情のない顔面なのである。まんざらないでは無いにしても、どうも表情が薄いのである。
然るに西洋では、是に反して、表情を主とし、表情が欠けてゐては美人でないとしてあるのである。だから西洋の美人の形容詞には、東西共通の、沈魚落雁、閉月羞花とか、花顔柳腰明眸皓歯とかといふ美人に共通の資格の外に、「動」といふものが美人の美人たる資格の内に含まれてゐるのである。此処が大いに東洋とは異なる点である。
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【釘抜藤吉捕物覚書 槍祭夏の夜話】
「姐御ってのが食わせ物さね。しかし親分、いい女だったってますぜ。」と見て来たように、「お前さんの前だが、
沈魚落雁閉月羞花、へっへ、卍って野郎も考えて見りゃあ悪党冥利の果報者――ほい、えらく油あ売りやした。」
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Last updated : 2025/09/19