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悠悠閑閑/悠々閑々
ゆうゆうかんかん
 ⇒ 悠悠閑閑/悠々閑々 ⇒ 優優閑閑/優々閑々
作家
作品

夏目漱石

【吾輩は猫である】

 天水桶はこのくらいにして、白い湯の方を見るとこれはまた非常な大入おおいりで、湯の中に人が這入はいってると云わんより人の中に湯が這入ってると云う方が適当である。しかも彼等はすこぶる悠々閑々 ゆうゆうかんかんたる物で、先刻さっきから這入るものはあるが出る物は一人もない。こう這入った上に、一週間もとめておいたら湯もよごれるはずだと感心してなおよくおけの中を見渡すと、左の隅にしつけられて苦沙弥先生が真赤まっかになってすくんでいる。

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坂口安吾

【総理大臣が貰った手紙の話】

 貴殿のような高位顕官ともなればはしたない町人共のような惨めな慌て方はしないであろうが、さりとて貴殿の心境が借金取の来襲にビクともしないからと言って、貴殿が総理大臣を拝命したのは帝国の安泰を保証するためであり、借金取にビクともしない為ではなかった。借金取の来襲にも悠々閑々たる心境など、ちっとも取柄はないのである。

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菊池寛

【川中島合戦】

 その責任上、永禄三年兵を関東平野に進め、関東の諸大名を威服し、永禄四年に北条氏康うじやすを小田原城に囲んで、その城濠蓮池はすいけのほとりで、馬から降り、城兵が鉄砲でねらい打つにも拘らず、悠々閑々として 牀几しょうぎに腰かけ、お茶を三杯まで飲んだ。

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横光利一

【日輪】

猪のあぶら松脂まつやにとを煮溜めた薬煉くすね弓弦ゆづるを強めるために新らしく武器庫ぶきぐらの前で製せられた。兵士つわものたちは、この常とは変って悠々閑々 ゆうゆうかんかんとした戦いの準備を心竊こころひそかわらっていた。しかし、彼らの一人として、娘をおも兵部ひょうぶ宿禰すくねの計画を洞察し得た者は、誰もなかった。

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福沢諭吉

【新女大学】

世間の婦人或は此道理を知らず、多くの子を持ちながら其着物のほころびを縫うは面倒なり、其食事の世話は煩わしとて之を下女の手に託し、自分は友達の附合、物見遊山などにふけりて、悠々閑々たる者あるこそ気の毒なれ。元来を言えば婦人の遊楽決して咎む可らず。

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小熊秀雄

【小熊秀雄全集-5 詩集(4 )小熊秀雄詩集2】

いまや私は決闘の時間だ、
私に悠々閑々たる
たたかいの時間を与えよ、
いまや私は食事の時間だ、
舞台の上のレストランだ、
ビールはほんものだし、
ブクブク泡の立った奴だ、
私はこいつをグイとひっかけて
幾分酔う、
滑稽なコロッケに
憂鬱なソースをかけて喰う
私の演技の
こまかいところを買ってくれよ。

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内田魯庵

【灰燼十万巻 (丸善炎上の記)】

白い髯で通る社長老人は眼鏡越しに眼をパチ/\して、『わしとこへは店から火事だと電話が掛った。処が中途でプツリと切れたので、直ぐ二十八番を呼出そうとすると、丸善は今焼けてるという交換局の返事だから、そりゃ大変というので……』と、恰も一里も先きに火事があったように悠々閑々と咄していた。

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岸田國士

【歳月】

紳二  あらゆる女の如く、と云いたいが、うちの奴は例外だ。
計一  泰然自若か。
紳二  悠々閑々だ。(投げ棄ててある名刺を拾い)そんなことはどうでもいいが、問題は、この男の用向きさ。まさか、おやじの霊前で頭を剃ろうというわけじゃあるまい。
計一  その後の消息を聞いてるのかい?

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牧逸馬

【戦雲を駆る女怪】

マタ・アリはドイツのスパイなどとは夢にもおぼえがないと無罪を主張し続けたが、まもなく、一九一六年七月二十五日、射殺の判決がくだる。各方面からの命いは猛烈をきわめたもので、本人はすっかりその効果を信じているから、サンラザアルの刑務所で悠々閑々 ゆうゆうかんかん、あの嘘八百の告白体自伝はここで書いたのだ。

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中里介山

【大菩薩峠 椰子林の巻】

 かくて、この三位一体は、山科から醍醐だいごへの道を、小春日をいっぱいに浴びて、 悠々閑々ゆうゆうかんかんと下るのであります。道は勾配こうばいになっているわけではないが、さながら満帆の春風を負うて、長江に柔艫じゅうろをやるような気分の下に、醍醐へ下るのであります。

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Last updated : 2022/11/23