作品に出てくるものの数え方(助数詞)
 
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箱
作 家
作 品
芥川龍之介
【侏儒の言葉】
人生は一箱マッチに似ている。重大に扱うのは莫迦莫迦しい。重大に扱わなければ危険である。
芥川龍之介
【あばばばば】
「二つでも三つでもお持ちなさい。ですが代(だい)は入りません。」
其処(そこ)へ幸ひ戸口に下げた金線(きんせん)サイダアのポスタアの蔭から、小僧が一人首を出した。これは表情の朦朧(もうろう)とした、面皰(にきび)だらけの小僧である。
「檀那(だんな)、マツチは此処(ここ)にありますぜ。」
保吉は内心凱歌を挙げながら、大型のマツチ一箱買つた。代(だい)は勿論一銭である。しかし彼はこの時ほど、マツチの美しさを感じたことはない。殊に三角の波の上に帆前船(ほまへせん)を浮べた商標は額縁へ入れても好(い)い位である。彼はズボンのポケツトの底へちやんとそのマツチを落した後、得々(とくとく)とこの店を後ろにした。……
太宰治
【正義と微笑】
一月七日。土曜日。
曇。ついに一週間、無為。朝から、ひとりで蜜柑(みかん)をほとんど一箱たべた。てのひらが黄色くなったようである。
岡本かの子
【愚なる(?!)母の散文詩】
今日からお金まうけを始め度いのです。わたしの下手な詩でも買つて下さい。
わたしはお金をまうけて、恋人に香ひの好い煙草一箱買はうとするのでもありません。また、わたしのドレス一枚買はう為めでもありませんよ。
宮本百合子
【諸物転身の抄】
キャラメルが欲しいと、大きい子供まである姉さんにたのまれた妹は、これももう子持ちになっていて、キャラメル一つを、大きい注文うけた気でさがして歩いた。
と、ある店先にキャラメル一箱あった。のしいか、かみ昆布、人造バタの妙なのなどと組合わされた一円なにがしの箱の真中に、桃色ベルトのキャラメルが一箇はさまっている。それ一つ欲しいばっかりに、病人の注文であるからこそ、妹は涙をふるってまるでいらないものの入ったその箱ぐるみ一個のキャラメルを買って来た。
須川邦彦
【無人島に生きる十六人】
伝馬船には、井戸掘道具、石油の空缶五、六個、マッチ、かんづめ一箱、風がふきだしたら、帆にする帆布と、帆柱にする丸太、たきぎにする板きれを積め、用意ができたら、すぐ出発」
私の訓示とげきれいに、一同はこころよくうなずいて、出発の用意にかかった。
夢野久作
【鉄鎚(かなづち)】
それから三日目の寒い晩であったと思う。
温泉行(ゆき)以来、音も沙汰もしなかった伊奈子が、何と思ったかお化粧も何もしない平生着(ふだんぎ)のまま、上等の葉巻き一箱お土産に持って日暮れ方にヒョッコリと遣って来た。そうして近所のカフェーから、不味(まず)い紅茶だの菓子だのを取り寄せながら、私の枕元で夜遅くまで芝居や活動の話をしいしい、何の他愛もなくキャッキャと燥(はしゃ)いで帰って行ったので、私は妙に興奮してしまって夜明け近くまで睡れなかった。
 
   
 
 
 

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Last updated : 2019/05/16