作品に出てくるものの数え方(助数詞)
 
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条
作 家
作 品
泉鏡花
【高野聖】
はここで二条(ふたすじ)になって、一条(いちじょう)はこれからすぐに坂になって上(のぼ)りも急なり、草も両方から生茂(おいしげ)ったのが、路傍(みちばた)のその角(かど)の処にある、それこそ四抱(よかかえ)、そうさな、五抱(いつかかえ)もあろうという一本の檜(ひのき)の、
泉鏡花
【七宝の柱】
はじめ、薬師堂に詣でて、それから宝物庫(ほうもつぐら)を一巡すると、ここの番人のお小僧が鍵を手にして、一条(ひとすじ)を隔てた丘の上に導く。
泉鏡花
【竜潭譚(りゆうたんだん)】
うつらうつら舁(か)きあげられて高き石壇をのぼり、大(おおい)なる門を入りて、赤土(あかつち)の色きれいに掃(は)きたる一条(ひとすじ)長き、右左、石燈籠(いしどうろう)と石榴(ざくろ)の樹の小さきと、おなじほどの距離にかはるがはる続きたるを行(ゆ)きて、
泉鏡花
【栃の実】
茶店の縁(えん)に腰を掛けて、渋茶を飲みながら評議をした。……春日野の新(しんみち)一条(ひとすじ)、勿論(もちろん)不可(いけな)い。
泉鏡花
【婦系図】
地(つち)の濡れた、軒に艶(つや)ある、その横町の中程へ行くと、一条(ひとすじ)朧(おぼろ)な露路がある。
泉鏡花
【伯爵の釵】
明眸(めいぼう)の左右に樹立(こだち)が分れて、一条(ひとすじ)大道、炎天の下(もと)に展(ひら)けつつ、日盛(ひざかり)の町の大路が望まれて、煉瓦造(れんがづくり)の避雷針、古い白壁(しらかべ)、寺の塔など睫(まつげ)を擽(こそぐ)る中に、行交う人は点々と蝙蝠(こうもり)のごとく、電車は光りながら山椒魚(さんしょううお)の這(は)うのに似ている。
泉鏡花
【絵本の春】
もとの邸町(やしきまち)の、荒果てた土塀が今もそのままになっている。……雪が消えて、まだ間もない、乾いたばかりの−−山国で−−石のごつごつした狭い小路が、霞みながら一条(ひとすじ)のように、ぼっと黄昏(たそが)れて行(ゆ)く。
泉鏡花
【半島一奇抄】
沖からこの辺の浦を一目に眺めますと、弁天島に尾を曳(ひ)いて、二里三里に余る大竜一条(ひとすじ)、白浪の鱗(うろこ)、青い巌(いわ)の膚(はだ)を横(よこた)えたように見える、鷲頭山を冠(かむり)にして、多比の、就中(なかんずく)入窪(いりくぼ)んだあたりは、腕を張って竜が、爪に珠を掴(つか)んだ形だと言います。まったく見えますのでな。
泉鏡花
【凱旋祭】
雲はいよいよ重く、夜はますます闇(くら)くなり候まま、炬(きょ)の如き一双(いっそう)の眼、暗夜に水銀の光を放ちて、この北の方(かた)三十間、小川の流(ながれ)一たび灌(そそ)ぎて、池となり候池のなかばに、五条噴水、青竜の口よりほとばしり、なかぞらのやみをこぼれて篠(しの)つくばかり降りかかる吹上げの水を照し、
泉鏡花
【薬草取】
それでなくって、無理に先へ参りますと、終局(しまい)には一条くさひとすじ)も生えません焼山(やけやま)になって、餓死(うえじに)をするそうでございます。
 糸のような一条ひとすじみち)、背後(うしろ)へ声を運ぶのに、力を要した所為(せい)もあり、薬王品(やくおうほん)を胸に抱(いだ)き、杖を持った手に帽(ぼう)を脱ぐと、清き額(ひたい)を拭(ぬぐ)うのであった。
 御存じの烈しい流(ながれ)で、棹(さお)の立つ瀬はないですから、二条(ふたすじ)、染物(そめもの)をしんし張(ばり)にしたように隙間(すきま)なく手懸(てがかり)が出来ている。
 手に一条(ひとすじ)大身(おおみ)の槍(やり)を提(ひっさ)げて、背負(しょ)った女房が死骸でなくば、死人の山を築(きず)くはず、無理に手活(ていけ)の花にした、
泉鏡花
【夜叉ヶ池】
貴客(あなた)には限りませず、薬売の衆、行者(ぎょうじゃ)、巡礼、この村里の人たちにも、お間に合うものがござんして、そのお代をと云う方には、誰方(どなた)にも、お談話一条(ひとつ)ずつ伺います。沢山(たんと)お聞かせ下さいますと、お泊め申しもするのでござんす。
魯迅
井上紅梅 訳
【薬】
老栓は倅(せがれ)が落著いて睡(ねむ)っているものと察し、ようやく安心して門口(かどぐち)を出た。
街なかは黒く沈まり返って何一つない。ただ一条の灰白(はいじろ)の(みち)がぼんやりと見えて、提灯の光は彼の二つの脚をてらし、左右の膝が前になり後(あと)になりして行く。
田中貢太郎
【八人みさきの話】
次郎兵衛の家は蓮池城の東南の麓にあった。家の前には一条が通じていた。その路をやって来た五人の姿は、もう次郎兵衛の眼に注(つ)いた。
宮沢賢治
【銀河鉄道の夜】
まったくその中に、白くあらわされた天の川の左の岸に沿って一条鉄道線路が、南へ南へとたどって行くのでした。
芥川龍之介
【寒さ】
血はまだ一条線路の上に二三分前(まえ)の悲劇を語っていた。
芥川龍之介
【素戔嗚尊】
午(ひる)もやや過ぎた頃、彼はとうとう一すじ谷川に、がむしゃらな進路を遮られた。谷川の水のたぎる向うは、削(けず)ったような絶壁であった。
芥川龍之介
【十本の針】
(求めずとも与えられる当然の悲しみや苦しみのほかにも)そこにそれらの人々を他の人々から截(き)り離す一すじ(みぞ)は掘られている。
芥川龍之介
【お時儀】
ただ保吉の覚えているのは、いつか彼を襲(おそ)い出した、薄明るい憂鬱(ゆううつ)ばかりである。彼はパイプから立ち昇る一すじを見守ったまま、しばらくはこの憂鬱の中にお嬢さんのことばかり考えつづけた。汽車は勿論そう云う間(あいだ)も半面に朝日の光りを浴びた山々の峡(かい)を走っている。
織田作之助
【猿飛佐助】
そう言ったかと思うと、はや佐助の五体はぱっと消え失せて、一条が立ちのぼった、
夢野久作
【縊死体】
どこかの公園のベンチである。
眼の前には一条噴水が、夕暮の青空高く高くあがっては落ち、あがっては落ちしている。
村山槐多
【殺人行者】
自分はその男が痛く酔つて居るのを見た。そして追ひ付いて抜け過ぎる瞬間、その男の横顔を覗き見た自分は思はず一条の奔ばしる様な戦慄を禁じ得なかつた。
中島敦
【悟浄出世】
寒蝉敗柳(かんせんはいりゅう)に鳴き大火西に向かいて流るる秋のはじめになりければ心細くも三蔵(さんぞう)は二人の弟子にいざなわれ嶮難(けんなん)を凌(しの)ぎ道を急ぎたもうに、たちまち前面に一条大河あり。
横光利一
【微笑】
一面に詰った黒い活字の中から、青い焔(ほのお)の光線一条ぶつと噴きあがり、ばらばらッと砕け散って無くなるのを見るような迅さで、梶の感情も華ひらいたかと思うと間もなく静かになっていった。みな零になったと梶は思った。
太宰治
【トカトントン】
なおも行進を見ているうちに、自分の行くべき一条光りがいよいよ間違い無しに触知せられたような大歓喜の気分になり、涙が気持よく頬を流れて、
横光利一
【頭ならびに腹】
彼の腹は巨万の富と一世の自信とを抱蔵してゐるかのごとく素晴らしく大きく前に突き出てゐて、一条の金のが腹の下から祭壇の幢幡のやうに光つてゐた。
黒島伝治
【武装せる市街】
着のみ着のまゝの彼等の服装は、もう着破って、バンド一条さえ残っていなかった。が、彼等は、金がなくても、どこからか、十年前の趣味に合致した服や外套を手に入れてきた。
石川啄木
【石川啄木詩集】
その頭低(た)るる度毎(たびごと)、
彼が日は短くなりつ、
年こそは重みゆきけれ。
かくて、見よ、一条(ひとすぢ)
落ちつ、また、二条三条
いつとなく抜けたり、遂(つひ)に
面白し、禿げたる頭。
その頭、禿げゆくままに、
白壁の土蔵(どざう)の二階、
黄金の宝の山は
(目もはゆし、暗(やみ)の中にも。)
積まれたり、いと堆(うづた)かく。
幸田露伴
【雁坂越】
そこで互(たがい)に親み合ってはいても互に意(こころ)の方向(むき)の異(ちが)っている二人の間に、たちまち一条問答が始まった。
村山槐多
【悪魔の舌】
俺は大分醒めた酔心地にぶらぶらと墓地をたどつた。突然片足がどすんと地へ落ち込んだ。驚いてマツチをすつて見ると此処は共同墓地で未だ新らしい土まんぢゆうに足を突つ込んだのであつた。その時一条の恐ろしい考へがさつと俺の意識を確にした。俺は無意識にすぐ棒切を以つて其土まんぢゆうを掘り出した。
 
   
 
 
 

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Last updated : 2019/05/16