作品に出てくるものの数え方(助数詞)
 
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品
作 家
作 品
夏目漱石
【思い出す事など】
縁側(えんがわ)を絶えず通る湯治客に、吾姿を見せるのが苦(く)になって、蒸(む)し暑い時ですら障子(しょうじ)は常に閉(た)て切っていた。三度三度献立(こんだて)を持って誂(あつらえ)を聞きにくる婆さんに、二品(ふたしな)三品(みしな)口に合いそうなものを注文はしても、膳(ぜん)の上に揃(そろ)った皿を眺めると共に、どこからともなく反感が起って、箸(はし)を執(と)る気にはまるでなれなかった。
枯野抄
【芥川龍之介】
一椀の水と一本の羽根楊子とは、既にこの老僕が、用意して置いた所である。彼は二品をおづおづ主人の枕元へ押し並べると、思ひ出したやうに又、口を早めて、専念に称名(しようみやう)を唱へ始めた。
太宰治
【佐渡】
これでよいのかも知れぬ。私は、とうとう佐渡を見てしまったのだ。私は翌朝、五時に起きて電燈の下で朝めしを食べた。六時のバスに乗らなければならぬ。お膳(ぜん)には、料理四、五品も附いていた。私は味噌汁と、おしんこだけで、ごはんを食べた。他の料理には、一さい箸をつけなかった。
太宰治
【女生徒】
いけない、いけない。お客様へ、早く夕食差し上げなければ。さっきの大きいお魚は、どうするのだろう。とにかく三枚におろして、お味噌につけて置くことにしよう。そうして食べると、きっとおいしい。料理は、すべて、勘で行かなければいけない。キウリが少し残っているから、あれでもって、三杯酢。それから、私の自慢の卵焼き。それから、もう一品。あ、そうだ。ロココ料理にしよう。これは、私の考案したものでございまして。
上司小剣
【鱧(はも)の皮】
通し物の順番を追はずに、板前を急がせた水の上からの註文は直ぐ出来て、別に添へた一品料理と香の物、茶瓶なぞとともに、こんな時の用意に備へてある長い綱の付いた平たい籠に入れて、源太郎の手で水の上へ手繰(たぐ)り下された。
長谷川時雨
【お墓のすげかえ】
奥の壁の隅に島田髷が小さく後向きに寐ている。にぶい燈火にも根に結んだ銀丈長(ぎんたけなが)が光っていた。壁にはいろいろなものがさげてあったが、芸妓の住居らしい華(はな)やかなものは一品(ひとしな)もなかった。
佐々木味津三
【右門捕物帖 達磨(だるま)を好く遊女】
身をよじって泣き入っているうちに、ふと男の懐中からはみ出して、はしなくも今いった右門のその鋭い明知の鏡に、ちらりと映った一品がありました。それも尋常一様の品物ではなく、一見して女の持ち物であったことを物語るなまめかしい紙入れでしたから、なんじょう右門のきわめつきの鋭知がさえないでいられましょう。
林芙美子
【朝夕】
嘉吉も、これはひどい女を背負ひこんでしまつたものだと考へる時もあつたが、奇妙に、台所仕事が手綺麗で、何でもないやうな容子をしてゐて、案外膳の上には嘉吉の好きなお菜一二品並び、商売のあつたやうな日なぞは、猫板の上に銚子が乗つてゐることもあつた。
 
   
 
 
 

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Last updated : 2019/05/16