作品に出てくるものの数え方(助数詞)
 
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碗
作 家
作 品
芥川龍之介
【首が落ちた話】
日清(にっしん)両国の間の和が媾(こう)ぜられてから、一年ばかりたった、ある早春の午前である。北京(ペキン)にある日本公使館内の一室では、公使館附武官の木村陸軍少佐と、折から官命で内地から視察に来た農商務省技師の山川理学士とが、一つテエブルを囲みながら、一碗珈琲(コオヒイ)と一本の葉巻とに忙しさを忘れて、のどかな雑談に耽(ふけ)っていた。
芥川龍之介

【秋山図】
「秋山図の話はこれだけです」
王石谷(おうせきこく)は語り終ると、おもむろに一碗を啜(すす)った。
「なるほど、不思議な話です」

長谷川時雨
【渡りきらぬ橋】
そこで、生活は一変したが、婚家では困ったお嫁さんをもらったのだった。陽気な家のものたちは、あからさまに言った、水に油が交ったようだ、面白くない、みんながこんなに楽しく団欒して食事をするのに、この娘(こ)は先刻(さっき)から見ていると、一碗を一粒ずつ口へはこんで、考え込みながら噛んでいる−−貧乏公卿の娘でもないに、みそひともじか−−お姑さんはあられげもなく、そっと書いたものを見つけると、はばかりへ持っていって捨ててしまう。
徳冨蘆花

【不如帰(ほととぎす)小説】
ある年の秋の事とか、中将微服して山里に猟(か)り暮らし、姥(ばば)ひとり住む山小屋に渋茶一碗(わん)所望しけるに、姥(ばば)つくづくと中将の様子を見て、
「でけえ体格(からだ)だのう。兎(うさぎ)のひとつもとれたんべいか?」
中将莞爾(かんじ)として「ちっともとれない」

幸田露伴
【花のいろ/\】
桃は書を読みたることも無く、歌をつくるすべも知らぬ田舎の人の、年老いて世の慾も失せたるが、村一碗二碗に酔ひて罪も無く何事をか語り出でつ高笑ひなせるが如し。野気は多けれど塵気は少し。なまじ取り繕ひたるところ無く、よしばみて見えざるところ、却つて嬉し。
岡本綺堂
【中国怪奇小説集 酉陽雑爼(唐)】
さらに杜(と)という相当の料理屋へ連れ込んだが、二人のすがたは他人に見えず、和子が独りで何か話しているので、気でも違ったのではないかと怪しまれた。彼は九碗を注文して、自分が三碗を飲み、余の六碗を西の座に据えて、なんとか助けてもらう方便はあるまいかと頼んだ。
魯迅
井上紅梅 訳
【薬】
夜が明けるとまもなく華大媽は右側の新しい墓の前へ来て、四つの皿盛と一碗を並べ、しばらくそこに泣いていたが、やがて銀紙を焚いてしまうと地べたに坐り込み、何か待つような様子で、待つと言っても自分が説明が出来ないのでぼんやりしていると、そよ風が彼女の遅れ毛を吹き散らし、去年にまさる多くの白髪(しらが)を見せた。
 
   
 
 
 

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Last updated : 2019/05/16