『近世流行商人狂哥絵図』に見る
「江戸時代の行商人と売り声」
= 曲亭馬琴 =

曲突心太売りきょくづきところてんうり
近世流行商人狂哥絵図・曲突心太賣/曲突心太売り
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 ・原文/翻刻(歴史的仮名遣い。*変体仮名は現用に置き換え)

《近世流行商人狂哥絵図》


曲突心太賣



さあつきますぞ〳〵
音羽の滝のいとさくら
ちらちらおちるは星くだり
それ天上まてつきあげて
やんわりうけもち
すべるはしりもち
しだれ柳にしだれ梅
さきもそろうてきれぬを
しようくわん
あいあい 只今
あげます〳〵

なるほどかんしん
よく手に入たものだのう

気のせいか外のより
うまいじやないか
もういつはい〳〵
 ・読み下し(現代仮名遣い・漢字交じり・振り仮名)

《近世流行商人狂哥絵図》


曲突心太売り

きょくづきところてんうり


さあ 突きますぞ
突きますぞ
音羽おとわの滝の糸桜いとざくら
ちらちら落ちるは星くだ
それ天上まで突き上げて
やんわり受け持ち
すべるは尻餅
しだれ柳にしだれ梅
咲きも揃うて 切れぬを 賞玩しょうがん
あいあい 只今
あげます あげます

なるほど感心
よく手にったものだのう

気のせいかほかのより
うまいじやないか
もう 一杯
もう 一杯
『曲突心太賣/曲突心太売り』(曲亭馬琴・近世流行商人狂哥絵図)
・原文/翻刻(歴史的仮名遣い。*変体仮名は現用に置き換え)
さあつきますぞ/\
音羽の滝のいとさくら
ちらちらおちるは星くだり
それ天上まてつきあげて
やんわりうけもち
すべるはしりもち
しだれ柳にしだれ梅
さきもそろうてきれぬをしようくわん
あいあい 只今 あげます/\

なるほどかんしんよく手に入たものだのう

気のせいか外のよりうまいじやないか
もういつはい/\
・読み下し(現代仮名遣い・漢字交じり・振り仮名)
さあ 突きますぞ 突きますぞ
音羽おとわの滝の糸桜いとざくら
ちらちら落ちるは星くだ
それ天上まで突き上げて
やんわり受け持ち
すべるは尻餅
しだれ柳にしだれ梅
咲きも揃うて 切れぬを 賞玩しょうがん
あいあい 只今 あげます あげます

なるほど感心 よく手にったものだのう

気のせいかほかのより うまいじやないか
もう 一杯
もう 一杯

近世流行商人 きんせいりゅうこうあきんど 狂哥絵図 きょうかえず は、曲亭馬琴きょくていばきん (明和4年6月9日(1767年7月4日) - 嘉永元年11月6日(1848年12月1日)/江戸時代後期の読本作者。代表作は『椿説弓張月』『南総里見八犬伝』)の作品です。天保6年・1835年 に刊行されたもので、江戸時代の行商人の姿と売り声を記しています。

 「二十三番狂歌合」「流行商人絵詞二十三番狂歌合」「近世商人狂歌合」などとも呼ばれます。

 画像は国立国会図書館所蔵によります。このページでは、画像を明るくするために当サイト独自の色彩補正を行っており、国立国会図書館が公開している原画とは色調が若干違います。

《参考》
  • 江戸年中風俗之絵えどねんじゅうふうぞくのえ 』より(国立国会図書館蔵)
  • 橋本養邦はしもとおさくに (?~1847年・ 弘化4年)の作品。
  • 制作年は不明であるが、絵師の橋本養邦の没年が1847年・ 弘化4年とされるため、幕末に近い江戸後期の作品と思われる(1840年・天保11年頃の作と仮定すると )。

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Last updated : 2019/05/16