作品に出てくるものの数え方(助数詞)
 
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粒
作 家
作 品
夢野久作
【若返り薬】
その袋の中には赤い丸薬がたった三粒ありました。空気銃に入れてみると丁度良い位の大きさです。
夢野久作
【若返り薬】
「それは坊ちゃん、大変ですよ。この丸薬一粒飲むと一年、二粒飲むと十年、三粒飲むと百年、四粒飲むと千年、五粒飲むと一万年生き延びるのです。もし今日あなたのお祖父様(じいさま)が御病気になられて、この薬を飲みたいと云われたらどうなさいます。そうしてこの薬がないためにお祖父様(じいさま)が亡くなられたらどうなさいます。
尾崎紅葉
【金色夜叉】
雀(すずめ)がを食ふのは僅(わづ)か十粒(とつぶ)二十粒だ、俵で置いてあつたつて、一度に一俵食へるものぢやない、
小熊秀雄
【小熊秀雄全集-6詩集(5)飛ぶ橇】
それとも現実からの
新しい現実のつまみ出しか。
とにかく、私は平地を歩るくやうな
安心さで、高いところの綱の上を渡る。
一粒の米をみてゐると、
こいつも味噌樽位の大きさに見える、
すばらしいぞ、
失業をしたら、一粒に、
般若心経二百六十二字を書いて
売つて暮らさうか−−。
夏目漱石
【思い出す事など】
始めは煎薬(せんやく)に似た黄黒(きぐろ)い水をしたたかに吐いた。吐いた後(あと)は多少気分が癒(なお)るので、いささかの物は咽喉(のど)を越した。しかし越した嬉(うれ)しさがまだ消えないうちに、またそのいささかの胃の滞(とどこ)うる重き苦しみに堪(た)え切れなくなって来た。そうしてまた吐いた。吐くものは大概水である。その色がだんだん変って、しまいには緑青(ろくしょう)のような美くしい液体になった。しかも一粒(いちりゅう)さえあえて胃に送り得ぬ恐怖と用心の下(もと)に、卒然として容赦なく食道を逆(さか)さまに流れ出た。
長谷川時雨
【渡りきらぬ橋】
そこで、生活は一変したが、婚家では困ったお嫁さんをもらったのだった。陽気な家のものたちは、あからさまに言った、水に油が交ったようだ、面白くない、みんながこんなに楽しく団欒して食事をするのに、この娘(こ)は先刻(さっき)から見ていると、一碗の一粒ずつ口へはこんで、考え込みながら噛んでいる−−貧乏公卿の娘でもないに、みそひともじか−−お姑さんはあられげもなく、そっと書いたものを見つけると、はばかりへ持っていって捨ててしまう。
太宰治
【お伽草紙】
「ところで、あの山は、」と云ひかけると、亀はまたあざ笑ひ、
「ところで、とは大きく出たぢやないか。ところであの山は、雪が降つてゐるのではないのです。あれは真珠の山です。」
「真珠?」と浦島は驚き、「いや、嘘だらう。たとひ真珠十万粒二十万粒積み重ねたつて、あれくらゐの高い山にはなるまい。」
十万粒二十万粒とは、ケチな勘定の仕方だ。竜宮では真珠を一粒二粒なんて、そんなこまかい算へ方はしませんよ。一山(ひとやま)、二山(ふたやま)、とやるね。一山は約三百億粒だとかいふ話だが、誰もそれをいちいち算へた事も無い。それを約百万山(やま)くらゐ積み重ねると、まづざつとあれくらゐの峰が出来る。真珠の捨場には困つてゐるんだ。もとをただせば、さかなの糞だからね。」
夢野久作
【死後の恋】
そうして私を人の居ない廏(うまや)の横に連れ込んで、今一度そこいらに人影の無いのを見澄ましてから、内ポケットに手を入れて、手紙の束かと思われる扁平(ひらべっ)たい新聞包みを引き出しますと、中から古ぼけた革のサックを取り出して、黄金色(きんいろ)の止め金をパチンと開きました。見るとその中から、大小二、三十粒の見事な宝石が、キラキラと輝やき出しているではありませんか。
私は眼が眩(くら)みそうになりました。私の家は貴族の癖として、先祖代々からの宝石好きで、私も先天的に宝石に対する趣味を持っておりましたので、すぐにもう、焼き付くような気もちになって、その宝石一粒宛(ずつ)つまみ上げて、青白い夕あかりの中に、ためつすがめつして検(あらた)めたのですが、それは磨き方こそ旧式でしたけれども、一粒残らず間違いのないダイヤ、ルビー、サファイヤ、トパーズなぞの選(よ)り抜きで、ウラル産の第二流品なぞは一粒も交っていないばかりでなく、名高い宝石蒐集家(しゅうしゅうか)の秘蔵の逸品ばかりを一粒ずつ貰い集めたかと思われるほどの素晴らしいもの揃いだったのです。こんなものが、まだうら若い一兵卒のポケットに隠れていようなぞと、誰が想像し得ましょう。
泉鏡花
【七宝の柱】
階(きざはし)を下りざまに、見返ると、外囲(そとがこい)の天井裏に蜘蛛(くも)の巣がかかって、風に軽く吹かれながら、きらきらと輝くのを、不思議なる塵(ちり)よ、と見れば、一粒(いちりゅう)金粉の落ちて輝くのであった。
泉鏡花
【星あかり】
これは、一秒(べう)に(すな)一粒(りふ)、幾億萬年(いくおくまんねん)の後(のち)には、此(こ)の大陸(たいりく)を浸(ひた)し盡(つく)さうとする處(ところ)の水(みづ)で、いまも、瞬間(しゆんかん)の後(のち)も、咄嗟(とつさ)のさきも、正(まさ)に然(しか)なすべく働(はたら)いて居(ゐ)るのであるが、自分(じぶん)は餘(あま)り大陸(たいりく)の一端(いつたん)が浪(なみ)のために喰缺(くひか)かれることの疾(はや)いのを、心細(こゝろぼそ)く感(かん)ずるばかりであつた。
上村松園
【砂書きの老人】
花を描いても天狗を描いても富士山を描いても馬や犬を描いても、それに使われる色とりどりの一粒も他の色砂と交ることもなく整然と彼の老爺の右の手からこぼれるのである。あたかもすでに形あるものの上をなぞらえるがごとく、極めて淡々と無造作に描きわけてゆく。
夢野久作
【鉄鎚(かなづち)】
しかしそうした彼女の驚異的な表情をなおも冷やかに、批評的な態度で見上げながら、足の先の処にゴボゴボと流れ込んで来る温泉の音を聞いていると、そのうちに彼女の唇が次第次第に弛(ゆる)みかけて、生え際の一粒一粒に消え失せ初めた……と思うと、やがて剃刀(かみそり)のようにヒイヤリとした薄笑いが片頬に浮き上って来たのであった。
夢野久作
【爆弾太平記】
ところが爆漁(ドン)と来ると正反対だ。あっちでもズドン、こっちでもビシンと爆発して、生き残った魚群の神経に猛烈な印象をタタキ込むばかりでない。そこいらの水とおんなじ位に微弱なプランクトン一粒一粒を、そのショックの伝わる限りステキに遠い処までも一ペンに死滅させて行くんだからタマラない。
 
   
 
 
 

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Last updated : 2019/05/16