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絵本江戸土産(えほんえどみやげ)・くずし字を読む
= 谷中 切通 =

《谷中 切通》
《翻刻》
谷中 切通  此所思ふに 恐らくは 古へ上野の山つづきにて岳なりけんを 何時の世にか谷中への便路とて切ひらきたる物なるへし さる故に 左右は高く往来の路は凹なり 因て松柏杉檜 弥が上に繁茂して日光を覆い月を障ふ 故に盛夏も暑を覚えす 所々にささやかなる茶店を出して茶を鬻ぎ 団子等を售る

《現代表記》
谷中(やなか) 切通(きりどおし)   此所(ここ)思(おも)うに、恐(おそ)らくは、古(いにしえ)上野(うえの)の山つづきにて岳(おか)なりけんを、何時(いつ)の世にか谷中への便路(べんろ)とて切(きり)ひらきたる物(もの)なるべし。さる故(ゆえ)に、左右は高く往来(ゆきき)の路(みち)は凹(なかくぼ)なり。因(よっ)て松柏杉檜(しょうはくすぎひのき)、弥(いや)が上に繁茂(はんも)して日光(にっこう)を覆(おお)い月を障(ささ)う。故(ゆえ)に盛夏(せいか)も暑(しょ)を覚(おぼ)えず。所々(しょしょ)にささやかなる茶店(さてん)を出して茶(ちゃ)を鬻(ひさ)ぎ、団子(だんご)等(とう)を售(う)る。

*鬻(ひさ) ぐは、売る、商いをするなどの意。
*説明は、などの意。
*万治は、1658年から1661年。
漢字(かな)

Last updated : 2025/12/26