『近世流行商人狂哥絵図』に見る
「江戸時代の行商人と売り声」
= 曲亭馬琴 =

榛田稲荷代垢離願人はんだいなりだいごりがんにん
近世流行商人狂哥絵図・榛田稲荷代垢離願人
  • 絵にマウスを乗せると、部分的に拡大して表示されます。
 ・原文/翻刻(歴史的仮名遣い。*変体仮名は現用に置き換え)

《近世流行商人狂哥絵図》


榛田稲荷代垢離願人



かさいかなまち
はんだのいなり
ほうそもかるい
はしかもかるい
大きな御りしよ
すてきな御りしよ
家内あんぜん
そくさいえんめい
 ・読み下し(現代仮名遣い・漢字交じり・振り仮名)

《近世流行商人狂哥絵図》


榛田稲荷代垢離願人

はんだいなりだいごりがんにん


葛西かさい金町かなまち
半田はんだ稲荷いなり
疱瘡ほうそうも軽い
麻疹はしかも軽い
大きな御利生ごりしょう
素敵な御利生ごりしょう
家内安全
息災延命
『榛田稲荷代垢離願人』(曲亭馬琴・近世流行商人狂哥絵図)
・原文/翻刻(歴史的仮名遣い。*変体仮名は現用に置き換え)
かさいかなまち
はんだのいなり
ほうそもかるい
はしかもかるい
大きな御りしよ
すてきな御りしよ
家内あんぜん
そくさいえんめい
・読み下し(現代仮名遣い・漢字交じり・振り仮名)
葛西かさい金町かなまち
半田はんだ稲荷いなり
疱瘡ほうそうも軽い
麻疹はしかも軽い
大きな御利生ごりしょう
素敵な御利生ごりしょう
家内安全
息災延命

近世流行商人 きんせいりゅうこうあきんど 狂哥絵図 きょうかえず は、曲亭馬琴きょくていばきん (明和4年6月9日(1767年7月4日) - 嘉永元年11月6日(1848年12月1日)/江戸時代後期の読本作者。代表作は『椿説弓張月』『南総里見八犬伝』)の作品です。天保6年・1835年 に刊行されたもので、江戸時代の行商人の姿と売り声を記しています。

 「二十三番狂歌合」「流行商人絵詞二十三番狂歌合」「近世商人狂歌合」などとも呼ばれます。

 画像は国立国会図書館所蔵によります。このページでは、画像を明るくするために当サイト独自の色彩補正を行っており、国立国会図書館が公開している原画とは色調が若干違います。

《参考》
  • 歌川国貞による、「十二月之内 坂東三津五郎所作事」三代目坂東三津五郎の半田稲荷。
  • 文化10年〈1813年〉。ボストン美術館蔵。
  • 詞には「初午や梅に威をます大鳥の 山東京伝」と見られる。
《参考》
  • 野村文紹による「世の中のくさぐさ記」(明治26年・1893年版)に描かれた『半田稲荷』
  • 全身赤ずくめで、半田稲荷大明神の幟と鈴を持つ姿が描かれている。
  • 詞には「〽︎かさいかな町はんだのいなり ほうそもかるい はしかもかるい」と見られる。
《参考》
  • 岡本昆石 (経朝) 編「古今百風吾妻余波(ここんひゃくふう あづまなごり)」(明治18年・1885年版)に描かれた『半田稲荷』『願人坊主』

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Last updated : 2022/11/23