亀山のお化・かめやまのおばけ

「近世商賈盡狂歌合」に見る
『江戸時代の行商人と売り声』
= 石塚豊芥子 =

お釜おこし
お釜おこし
  • 絵にマウスを乗せると、部分的に拡大して表示されます。
 ・原文/翻刻(歴史的仮名遣い。*変体仮名は現用に置き換え)

《近世商賈盡狂歌合》


お釜おこし



コリヤ〳〵〳〵
来たわいな〳〵
二十四孝の
おかまおこしがきたわいナ
お釜おこしがきたわいな
〳〵〳〵
 ・読み下し(現代仮名遣い・漢字交じり・振り仮名)

《近世商賈尽狂歌合》


お釜おこし

おかまおこし


こりゃこりゃこりゃ
来たわいな 来たわいな
二十四孝にじゅうしこう
お釜おこしが来たわいな
お釜おこしが来たわいな
来たわいな 来たわいな
  • 二十四孝にじゅうしこう」は、中国において後世の範として、孝行が特に優れた人物24人を取り上げた書物。
  • その中の一人、 郭巨かくきょの逸話を引いたもの。
  • 貧しかった郭巨が、生活を守るために三歳になった我が子を埋めてしまおうと地面を少し掘ると、黄金の釜が出て、その釜に文字が書いてあった。「孝行な郭巨に天からこれを与える。他人は盗ってはいけない」と。郭巨と妻は黄金の釜を頂き喜び、子供と一緒に家に帰って、さらに母に孝行を尽くしたという。
『亀山のお化』(石塚豊芥子・近世商賈尽狂歌合)
・原文/翻刻(歴史的仮名遣い。*変体仮名は現用に置き換え)
コリヤ/\/\
来たわいな/\
二十四孝の
おかまおこしがきたわいナ
お釜おこしがきたわいな
/\/\
・読み下し(現代仮名遣い・漢字交じり・振り仮名)
こりゃこりゃこりゃ
来たわいな 来たわいな
二十四孝にじゅうしこう
お釜おこしが来たわいな
お釜おこしが来たわいな
来たわいな 来たわいな

近世商賈尽きんせいあきないづくし狂歌合きょうかあわせは、江戸時代後期の考証家、石塚豊芥子いしづかほうかいしなどによる、嘉永5年(1852年) の作品です。

商人尽し狂歌合」「仕出し商人尽し歌合」などとも呼ばれます。

 この本のタイトルは「商売」(旧字体で「商賣」)ではなく、「商賈(しょうこ)」です。商賈は商人のこと(商売の意味にも使われる)で、この本の別名の「商人尽し狂歌合」「仕出し商人尽し歌合」でも「商人」が使われています。

 画像は国立国会図書館所蔵によります。このページでは、画像を明るくするために当サイト独自の色彩補正を行っており、国立国会図書館が公開している原画とは色調が若干違います。


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Last updated : 2022/11/23