「近世商賈盡狂歌合」に見る
『江戸時代の行商人と売り声』
= 石塚豊芥子 =

稲荷鮨いなりずし
近世商賈尽狂歌合・榛田稲荷代垢離願人
  • 絵にマウスを乗せると、部分的に拡大して表示されます。
 ・原文/翻刻(歴史的仮名遣い。*変体仮名は現用に置き換え)

《近世商賈盡狂歌合》


稲荷鮨



天清降地しやう〴〵
六根清浄
はらひ玉へ きよめ給へ
壱本が十六文
ヘイ〳〵〳〵
ありかたひ
半分が八文
ヘイ〳〵〳〵
ありかたひ〳〵
一ト切か四もん
サア〳〵 あがれ〳〵
うまふて 大キイ〳〵〳〵
稲なりさま〳〵〳〵
 ・読み下し(現代仮名遣い・漢字交じり・振り仮名)

《近世商賈尽狂歌合》


稲荷鮨

いなりずし


天清降 地清浄
六根清浄
祓い給え、清め給え
一本が十六文
へいへいへい
ありがたい
半分が八文
へいへいへい<
ありがたいありがたい
一切れが四文しもん
さあさあ あがれあがれ
うもうて 大きい大きい大きい
稲荷様 稲荷様 稲荷様
  • 「うまふて 大キイ」とした箇所は、「大チイ」と翻刻する資料が見られるが、「チ」と見える文字は一画目が左からの起筆となっており、「キ」と読み取るのが妥当か。「うもうて 大きい」と意味も通る。
『稲荷鮨』(石塚豊芥子・近世商賈尽狂歌合)
・原文/翻刻(歴史的仮名遣い。*変体仮名は現用に置き換え)
天清降地しやう/″\
六根清浄
はらひ玉へ きよめ給へ
壱本が十六文
ヘイ/\/\ ありかたひ
半分が八文
ヘイ/\/\ ありかたひ〳〵
一ト切か四もん
サア/\ あがれ/\
うまふて 大キイ/\
稲なりさま/\
・読み下し(現代仮名遣い・漢字交じり・振り仮名)
天清降 地清浄
六根清浄
祓い給え、清め給え
一本が十六文
へいへいへい ありがたい
半分が八文
へいへいへい ありがたいありがたい
一切れが四文しもん
さあさあ あがれあがれ
うもうて 大きい大きい大きい
稲荷様 稲荷様 稲荷様

近世商賈尽きんせいあきないづくし狂歌合きょうかあわせは、江戸時代後期の考証家、石塚豊芥子いしづかほうかいしなどによる、嘉永5年(1852年) の作品です。

商人尽し狂歌合」「仕出し商人尽し歌合」などとも呼ばれます。

 この本のタイトルは「商売」(旧字体で「商賣」)ではなく、「商賈(しょうこ)」です。商賈は商人のこと(商売の意味にも使われる)で、この本の別名の「商人尽し狂歌合」「仕出し商人尽し歌合」でも「商人」が使われています。

 画像は国立国会図書館所蔵によります。このページでは、画像を明るくするために当サイト独自の色彩補正を行っており、国立国会図書館が公開している原画とは色調が若干違います。


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Last updated : 2019/05/16