枕草子(まくらのそうし)』の『変体仮名・くずし字』を読み解く
第一段(序段・初段)【四の三】

  • ここでは、寛永年間(1624年 - 1645年)書写版の、変体仮名・くずし字で書かれた『枕草子』を読み解く作業をします。寛永の書写版の文字を読むもので、枕草子の解説ではありません。
  • 第一段(序段・初段)の部分について、「原画・変体仮名・原文平仮名・現代仮名遣い」を掲載しました。
  • 原文には句読点はありませんので、ここでも表記していません。二行目の「変体仮名」の部分では、現代の平仮名に見える部分も、母字となっている漢字を表記しました。
  • 画像の中の現代仮名遣いでの表記の配置は、原文の配置に合わせたもので、読み方の区切りではありません。また、適宜、漢字交じりとしました。
  • 教科書の表現と違うというご指摘について 
枕草子(まくらのそうし)』第一段(序段・初段)





読み解く作業に使った『枕草子(まくらのそうし)』第一段(序段・初段)の全文。
寛永年間(1624年 - 1645年)の書写版 


はるはあけほのやうやうしろくなりゆくやまきはすこしあかりてむらさきたちたる雲のほそくたなひきたるなつはよる月のころはさらなりやみもなをほたるとひちかひたるあめなとのふるさへおかしあきはゆふくれ夕日はなやかにさして山きはいとちかくなりたるにからすのねところへゆくとてみつよつふたつなと飛行さへあわれなりまして雁なとのつらねたるかいとちいさくみゆるいとおかし日入はててかせのおとむしのねなとふゆはゆきのふりたるはいふへきにもあらすしもなとのいとしろく又さらてもいとさむき火なといそきおこしてすみもてわたるもいとつきつきしひるになりてぬるくゆるひもてゆけはすひつひおけのひもしろきはひかちになりぬるはわろし
春はあけぼの ようよう白くなりゆく山際 少し明りて 紫だちたる雲のほそくたなびきたる 夏は夜 月のころはさらなり 闇もなお蛍飛びちがいたる 雨などの降るさえおかし 秋は夕暮れ 夕日華やかに射して 山際いと近くなりたるに 烏の寝所へ行くとて 三つ四つ二つなど 飛び行くさえあわれなり まして雁などの連ねたるが いと小さく見ゆる いとおかし 日入り果てて 風の音 虫の音など 冬は雪の降りたるは 言うべきにもあらず 霜などのいと白く 又さらでもいと寒き 火など急ぎ起こして 炭持て渡るもいとつきづきし 昼になりて ぬるくゆるび持て行けば  炭櫃(すびつ) 火桶(ひおけ)の火も 白き灰がちになりぬるは悪ろし

*このページでは、変体仮名やくずし字を読み解くことを目的として、寛永年間(1624年 - 1645年)の書写版を使用しています。そのため、教科書などに多く採用されている文章と表現の違う部分があります。

《この版での例》
『夏は夜 月のころはさらなり 闇もなほ 螢飛びちがひたる 雨などの降るさへおかし』
『日入り果てて 風の音 虫の音など 冬は雪の降りたるは 言うべきにもあらず』
《教科書などに多く見られる例》
『夏は夜。月のころはさらなり、闇もなほ、蛍の多く飛びちがひたる。また、ただ一つ二つなど、ほのかにうち光て行くもをかし。雨など降るもをかし』
『日入り果てて、風の音、虫の音など、はた言うべきにあらず。 冬はつとめて。雪の降りたるは言うべきにもあらず』

*画像は、国立国会図書館所蔵〔寛永年間(1624年 - 1645年)書写版〕 


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Last updated : 2024/06/28