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『今様職人尽百人一首いまようしょくにんづくしひゃくにんいっしゅ』に見る、『江戸時代の職業・職人』

今様職人尽百人一首いまようしょくにんづくしひゃくにんいっしゅ
 今様職人尽百人一首いまようしょくにんづくしひゃくにんいっしゅは、江戸中期の享保年間(1716年〜1735年) 刊とされ、版本の挿絵を中心に江戸で活躍した絵師、近藤清春こんどうきよはるの作並びに画です。
 小倉百人一首の作者と、その歌の語呂をあわせながら主題の職人を狂歌にもじったものです。
 画像は、昭和3年・1928年刊・国立国会図書館所蔵によります。
* 狂歌の部分をクリックすると、それぞれの詳細ページが開きます。
* 右側の画像をクリックすると、100枚の全ての画像を連続して見ることができます。
* 配列は「小倉百人一首」に準じています。
職業名 狂歌 本歌作者 画像拡大
大工 軒の板かりほぞあなのみをえらみわがでしどものせいをだしつつ 天智天皇
物書き かるすぎて能書の芸を羨むも恥をかくてふあたまかく山 持統天皇
鍛冶屋 足曳の合鎚音のちんからり長々し夜を明かす金鎚 柿本人麻呂
屋根方 屋根の裏に釘打つ音の拍子よく軒の小舞にいたはふきつつ 山部赤人
左官師 大方のすさをふみわけ土こねの小手ぬる腕の朝はつめたし 猿丸大夫
琴三味線師 かざりよく渡せる弦のおく琴はしたてて見ればよきねじみなり 中納言家持
絵師 あまたさらぬる彩色の水にかは絵の具のいろに出しつやくま 阿倍仲麻呂
鍔師 わがつばは皆人たつて所望する世にしやうあみと名をば云ふなり 喜撰法師
造花師 花の色は移しにけりな数々にわかみづうちを造りせしまに 小野小町
烏帽子屋 これやこのぬるもたたきもかざをりはしめを紫あふうちのせき 蝉丸
塗師屋 碗とはち安手間かけて塗りあげんとふさみはかけてあはぬつきもの 参議篁
縫箔屋 天つ風雲のかけ橋ぬひとめよ千鳥を裾にしばしちらさん 僧正遍昭
時計師 つく鐘の下よりおちるぜんまいの数ぞ積りて時をうつなり 陽成院
桶師 道なかでしめす桶はにたが結ひて磨きかけにし洩るなら直せ 河原左大臣
弓師 弓をため張る肱にしてひかへみな我が弓勢で的にあてつつ 光孝天皇
仕立屋 裁ち離す袖のみ幅の丈におふるまづきれとらばゆきさしてみむ 中納言行平
葛籠師 渋や引く紙張りきかす竹かは籠つや塗りなくは水はじくとは 在原業平朝臣
石切 すみのきは石に刻るなのきりすゑて庭の通ひしひとましくらん 藤原敏行朝臣
上絵張物 ひひな形かんかくあしの模様とも合はでこの儘もちひてみよとや 伊勢
足袋屋 足袋ぬへばつつまた狭し何とせう底ひろげてもあはぬとぞ思ふ 元良親王
表紙屋 上紺と染めし仕上げの並紺もあつらへの人も待ちかぬるかな 素性法師
判木屋 彫るからにあいのさらひをすきみれば無惨や欠けて直ししつらん 文屋康秀
鼓屋 打ちみれば日々にねじみぞ出でにけれ我か手調べのなるにはあらねど 大江千里
研屋 比さびはやきもとぎあへず荒砥かけあまたの砥石かけてみるみる 菅家
鬘屋 なにしいはば大坂ぶりのすみかつり人にきせてはゆふ由もがな 三条右大臣
鋳物師 風呂の釜かねの鋳物のろくろあらばいまひとひさのけづり待たなん 貞信公
蒔絵師 みがきつつ塗りて書かるるたつ田川いつかくていの蒔絵かわかん 中納言兼輔
花火師 花火とは夏ぞせはしさまさりける人皆うさをはらすと思へば 源宗于朝臣
鎗師 鎗先のきれなく見えしくされ錆あか錆ぬけぬうきものはなし 壬生忠岑
扇屋 心あてにをらばやをらむぎん要をり間に合はぬしらほねのそ 凡河内躬恒
綿帽子屋 綿帽子たなうりのかみとみるまでにうすわたやれにふくむ水ふき 坂上是則
鞠屋 あまかはに風のやれたるつくろひは直しもやらでもみいれの鞠 春道列樹
仏師 御仏の光かがやく鉑のいろとくこがたなのはかのいつらむ 紀友則
唐傘屋 はりもかもさす人にせんから傘ののりもあぶらの渋ならひくに 藤原興風
彫物大工 ほるはいさ下絵もしらず唐草の花でも彫りのようできにける 紀貫之
畳屋 まつりをばまだ床ながら踏みぬるを菰のいづこにへりはくるらむ 清原深養父
唐紙屋 からかみに風のあたりしもぢぬのはきらひきとめぬ形ぞつきげる 文屋朝康
指物屋 けづらるる手間もかまはずさす箱の釘目とおるもあしくもある哉 右近
型屋 かたしふの荻のしのぶをほりぬれど重ねてなどかしたへとをらじ 参議等
鏡立 ほりぬれどかたも出来けりべつかうのよもや不出来と人の云ふまじ 平兼盛
飾屋 さびずてふあかがね磨ききせにけりいろつけにこそ多くほりしか 壬生忠見
天蓋屋 契りきなかたみの小袖はたとなしすぐにお寺に名をとどむとは 清原元輔
箔屋 あくうちの後のしあげのかずみればうつしてひかりはくは輝く 権中納言敦忠
籠屋 編む籠のあみてしことは中々に手間かもひまもいとはざらまし 中納言朝忠
大経師 経師どもびやうぶ表具は多くともみのかけ張をならふべきかな 謙徳公
建具屋 杉の戸をはしるしきゐのみぞをつきしはめてわたすしよくの道かな 曽禰好忠
碁盤屋 木のもく目もりける筆の漆びききやすこそ見えね盤はきによる 恵慶法師
張子師 かみをいためいま上塗の絵具はき仕上げて手間をかかるものかな 源重之
瓦師 ひかきむろ瓦焼く火の夜はきえて昼はもえつつさますと思へば 大中臣能宣朝臣
具足師 かわをためおどしの糸は小桜になめしくさりのためしぬるかな 藤原義孝
絵馬師 かくとだに絵馬は神社の捧げもの諸願を結ぶ施主の思ひを 藤原実方朝臣
檜物屋 曲げぬれば綴ぢる物とはかはなれどなほいたヘぎの薄板の数 藤原道信朝臣
庭木作り なに木つぐ一重さく木の枝振りは庭のみこしの松とこそ知れ 右大将道綱母
錫師 つく金のひくすぢまではかたけれどみがきかきりのてらすすず金 儀同三司母
束巻師 束の糸は巻きて形の見ばもよくつやこそうつりて猶手ぎはよし 大納言公任
印判師 ほらざらん此木のほかの文字(もんじ)をばいであいせうに合ふ事もがな 和泉式部
御簾作り 手くりかけて御簾や編むともまかぬまに房うちかけし大うちのてん 紫式部
紙漉師 はりますぎうすの水ぎはつやきよくいで切くちをそろひ合はする 大弐三位
鏡師 ときわくて水がねとのこきせふけてかほふくまでの艶をみしかな 赤染衛門
煙管屋 大ふつのいくひのなりはほていともまたつぎ羅宇のつかのはしたち 小式部内侍
茶碗焼 古への奈良のやきちのやきだしはけふ大坂に聞えぬるかな 伊勢大輔
蝋燭師 夜をこめて鳥のうたふは聞きけれど世に大方の昼もひまなし 清少納言
合羽屋 紙はただもみてほさなんとばかりを渋ひくならでぬる油かな 左京大夫道雅
棒屋 樫棒のつげの山桐それぞれにゆがみをなほす木々のなりふり 権中納言定頼
煙草入司 うらぬひの縫はぬれうくちある物をへりにくしかたなりそよきけれ 相模
菓子司 下戸ともに甘きがまさる落雁の菓子よりほかにすく人もなし 前大僧正行尊
団扇師 春のゑのよにめづらしき判じ物かたちをまなぶ画こそをしけれ 周防内侍
衣師 衣にもたちてこのまま仕立てなばごせうかるベき菩提みちかな 三条院
鞘師 うるしひくみがきのぬかとたたきをば朱鞘の色のにしきなりけり 能因法師
揚弓師 桜木の矢をばこしらんねをまけどいつつの弓もけつかいの場所 良暹法師
糸屋 くまざればかたぢの糸はおとふさのあわぢしんくにみつ組ぞくむ 大納言経信
硯師 音に聞く高しま硯青石のはしりや墨の水をこそもて 祐子内親王家紀伊
紺屋 たん染のああくの小紋出来にけりとくさ渋さはたらずもあけなん 権中納言匡房
とうかち 光りける磨きたてにし銅壷のなをす薬罐の鋳掛けんとぞ思ふ 源俊頼朝臣
白金細工 ぢがねかけし僅かの金を鋳かけにてやすりなほして後のゆかげん 藤原基俊
針師 管の鍼とぎかけ磨き金銀のみすやさくらに外に釣鈎 法性寺入道前関白太政大臣
刷毛師 毛をはさみ板にはさまる刷毛川のぬけてもすゑにきり出さんと思ふ 崇徳院
乗物師 網代駕籠かこふござうちはるひやうの幾ゑまきゑのおきし乗物 源兼昌
綿打 綿風につるうつ弓のわきまよりくずいづるちりのめこそ悪けれ 左京大夫顕輔
皮細工 なに皮もこそげてさらす黒皮の板はりかけてもむとこそ思へ 待賢門院堀河
木挽 ほど高き曳きけるふしを見上ぐればただ鋸のはこそこぼれる 後徳大寺左大臣
毛抜師 かもにひけさでもなりよきできあひのうふげ毛抜きは名代なりけり 道因法師
珠数師 世中よふさこそかはれおかみうり山の奥にも珠数ぞするなり 皇太后宮大夫俊成
筆屋 なづけをばまたこの頃や行きらずふゆげてかさんひまぞほしさよ 藤原清輔朝臣
箒師 ゑもすげて棕梠そろふけばとけやらぬねまきてほうきましまひける 俊恵法師
付木師 なかせつつつけざやさるのまねをつく硫黄つけつつ藁たばねおく 西行法師
切付師 紫のへりもまだひぬあをりこそきりたち花のあをきらしやぬひ 寂蓮法師
人形師 なりはただつかふ身振りの顔形ち気をつくしてもよく刻むべき 皇嘉門院別当
土器師 ひきし糸土をばこねよかげんとも水つけことにまはるかはらけ 式子内親王
印伝師 たつかはなおしなばひのしいんでんの合せて縫ひし糸はきれまじ 殷富門院大輔
櫛挽 きりぎりすひくや亭主のなかせうり黄楊の三つ櫛人も買ふなん 後京極摂政前太政大臣
車師 己のなり月日のかたちまわなりの人らを知りねまはる日もなし 二条院讃岐
船大工 沖中はうき木の鉋けづりこぐあまたゆぶねのつくりかはしる 鎌倉右大臣
足駄師 日和降り止まぬ三月の長降りは降る雨さむく足駄うるなり 参議雅経
鐘木師 多くなきいらせの金にあたるとも我がこせこそはすみぞめの道 前大僧正慈円
碓目切 めをきらふあまた石をきるからに引きゆくものは茶碓なりけり 入道前太政大臣
雪駄師 買ふ人をまきをの雪駄玉子なりはくや皮緒のきりまはしかな 権中納言定家
髪結 とこぞこしあまた諸人ふうぞくのみたてて結ひし髪かたちなり 従二位家隆
立花師 花もよし草も水ぎは手際よくすななげいれの見ばよきにとは 後鳥羽院
医師 百病の重き病を直すにもなほやくしゆあるくふうなりけり 順徳院

今様職人尽百人一首 - 五十音順目次

あ・い・う・え・お
足駄師          
医師 石切 糸屋 鋳物師 印伝師 印判師
碓目切 団扇師 上絵張物      
絵師 烏帽子屋 絵馬師      
扇屋 桶師        

か・き・く・け・こ
鏡師 鏡立 籠屋 飾屋 菓子司 鍛冶屋
型屋 合羽屋 鬘屋 紙漉師 髪結 唐傘屋
唐紙屋 皮細工 土器師 瓦師    
煙管屋 切付師        
櫛挽 具足師 車師      
毛抜師          
紺屋 琴三味線師 碁盤屋 木挽 衣師  

さ・し・す・せ・そ
左官師 指物屋 鞘師      
仕立屋 珠数師 鐘木師 白金細工    
錫師 硯師        
雪駄師          

た・ち・つ・て・と
大経師 大工 畳屋 建具屋 立花師 煙草入司
足袋屋          
茶碗焼          
束巻師 造花師 付木師 鼓屋 葛籠師 鍔師
天蓋屋          
とうかち 研屋 時計師      
な・に・ぬ・ね・の
庭木作り 人形師        
縫箔屋 塗師屋        
乗物師          

は・ひ・ふ・へ・ほ
箔屋 刷毛師 花火師 張子師 針師 判木屋
檜物屋 表紙屋        
仏師 筆屋 船大工      
箒師 棒屋 彫物大工      

ま・み・む・め・も
蒔絵師 鞠屋        
御簾作り          
物書き          

や・ゆ・よ
屋根方 鎗師        
弓師          
揚弓師          

ら・り・る・れ・ろ
蝋燭師          

綿打 綿帽子屋        

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Last updated : 2020/12/06