ものの数え方一覧 | 助数詞一覧【ま行 - も】【みんなの知識ちょっと便利帳】

もの		数え方
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も	藻	一本、一筋（すじ）、一株、一房、一群（むら・ぐん）、一叢（むら・そう）、一簇（むら・そう）
も	作品を見る【参考】水野仙子「夜の浪」：藻の一房のたゞよいも、杭一本の漂着も、【参考】ハンス・クリスチアン・アンデルセン　森鷗外訳「即興詩人」：舷に倚りて水を望めば、一塊の石、一叢の藻、歴々として数うべく、晴れたる日の空気といえども、恐らくはこの玲瓏（れいろう）透徹なからんとぞおもわるゝ。
もあいぞう	モアイ像	一体、一基
もうさいけっかん	毛細血管 [→ 血管]	一本
もうしいで	申し出で・申出	一件、一つ
もうしいれ	申し入れ・申入れ	一件、一つ
もうしおくり	申し送り・申送	一件、一つ
もうしこみ	申し込み・申込み	一件、一回、一口（くち）
もうしこみしょ	申込み書・申込書	一通、一枚、一葉（よう）
もうしたて	申し立て・申立て	一件、一つ
もうじゃ	亡者 [→ 餓鬼]	一人（り／たり・にん）
もうじゃ	作品を見る【参考】中里介山「大菩薩峠　慢心和尚の巻」：寝込んでしまってはいけないのです。実は迷い出した五人の亡者が戻るまで眠らないでいて、戻った合図を聞いた時には、また踏台として出て行かねばならぬ義務があるのであります。【参考】泉鏡花「南地心中」：取巻きの芸妓（げいしゃ）たち、三人五人の手前もある。やけに土砂を振掛けても、突張（つッぱり）返った洋服の亡者一個（ひとり）、掌（てのひら）に引丸（ひんまろ）げて、捌（さばき）を附けなけりゃ立ちますまい。
もうじゅう	猛獣	一匹・一疋、一頭
もうじゅう	作品を見る【参考】三上於菟吉「雪之丞変化」：二頭の猛獣が、四ツに組んでお互のからだに牙を突き入れたときこそ、雪之丞が、今度こそ秘めた破邪（はじゃ）の剣を下すべきときなのだ。
もうせん	毛氈	一枚、一陳（のべ・ちん）、一床
	※ 文化財では一床という表現が見られる。
	作品を見る【参考】中里介山「大菩薩峠間の山の巻」：色のさめた毛氈を一枚、申しわけのように載せて、
もうどう	艨艟 [→ 軍艦、→ 船]	一隻（せき）、一艘（そう）
	【知識】『艨艟』とは、『狭くして長く、敵艦を衝突するに用いる船』と「大字典（大正6年・1917年）編纂：上田萬年　他」に見られる。
	作品を見る【参考】徳冨蘆花「小説　不如帰」：松島を旗艦として千代田（ちよだ）、厳島（いつくしま）、橋立（はしだて）、比叡（ひえい）、扶桑（ふそう）の本隊これに続（つ）ぎ、砲艦赤城（あかぎ）及び軍（いくさ）見物と称する軍令部長を載せし西京丸（さいきょうまる）またその後ろにしたがいつ。十二隻の艨艟（もうどう）一縦列をなして、午後五時大同江口を離れ、伸びつ縮みつ竜のごとく黄海の潮（うしお）を巻いて進みぬ。【参考】森鷗外「伊沢蘭軒」：神功皇后の三韓を征する時艨艟四十八艘を一木にて造れり。因て船木と名（なづ）く。其枝の延し所を涼木（すゞき）といい（船木より四里）木末（こずえ）の倒し所を木の末という。
もうどうけん	盲動犬 [→ 犬、→ 動物]	一頭、一匹・一疋
もうどうけん	※ 匹、頭は大きさなどで使い分けられることがある。匹は主に小型のもの、頭は主に大型のもので。介助犬・救助犬・警察犬などは「頭」と数えることが多い。
もうひつ	毛筆 [→ 筆]	一本、一管、一茎（けい）、一穂（すい）、一枝（し）、一対 [二本]
もうひつ	作品を見る【参考】内村鑑三「楽しき生涯」：一函の書に千古の智恵あり以て英雄と共に語るを得べし一茎の筆に奇異の力あり以て志を千載に述るを得べし
もうふ	毛布	一枚、一掛（かけ）
もうふ	作品を見る【参考】正岡子規「明治卅三年十月十五日記事」：今日は暖かなるままに足の上に白毛布一枚を掩ひて着蒲団を用ゐざりしほどに足冷えたれば湯婆を呼びしなり。【参考】正岡子規「病」：殊に既往一ヶ月余り、地べたの上へ黍稈（むぎわら）を敷いて寐たり、石の上、板の上へ毛布一枚で寐たりという境涯であった者が、俄（にわか）に、蒲団や藁蒲団の二、三枚も重ねた寐台の上に寐た時は、まるで極楽へ来たような心持で、これなら死んでも善いと思うた。【参考】岡本綺堂「麻畑の一夜」：夜がふけると冷えるでしょうから、毛布が一枚あれば結構です。【参考】太宰治「親友交歓」：そのたった一枚の毛布は、女房が宝物のように大事にしているものなのだ。【参考】峠三吉「原爆詩集」：そのうえに軍用毛布を一枚敷いて、逃げて来た者たちが向きむきに横たわっている。
もーたー	モーター	一台、一基、一個 [小さいもの]
もーたーばいく	モーターバイク	一台、一輛・一両
もーたーぼーと	モーターボート [→ 船]	一艘（そう）、一隻（せき）、一艇（てい）
もーにんぐ	モーニング	一着
もーにんぐ	作品を見る【参考】泉鏡花「薄紅梅」：狭い土地の環境では、山口ほどの男でもモーニング一着でも身につければ、青年学校の主事とか何とか相当の口の利き得るのは実際なのである。【参考】池谷信三郎「橋」：しばらく考えていた店員は、何か気がついたらしく、そうそう、と昔なら膝を打って、一着のモーニングをとりだしてきた。じつはこれはこの間やりました世界風俗展で、巴里（パリ）の人形が着ていたのですが、と言った。
もくいん	木印 [→ 印]	一顆（か）
もくぎょ	木魚	一個、一台、一枚、一具（ぐ）、一口（こう・く・くち）、一式
もくぎょ	※ 文化財では一口（く）という表現が見られる。
もくぞう	木像	一体、一軀・一躯（く）
もくぞう	※ 文化財では一体、一軀という表現が見られる。
もくたん	木炭 [→ 炭]	一本、一欠（かけ）、一片（かけ）、一俵、一籠、一袋（ふくろ・たい）、一叺（かます）、一駄（だ）
	【知識】叺（かます）は、むしろを二つに折って袋にしたもの。紙製の袋が作られるようになってからはあまり使われなくなった。
	作品を見る【参考】種田山頭火「其中日記（一）」：農学校の給仕君が、樹明君からの贈物だといって、木炭一俵を持参している、かたじけなく頂戴、
もくねじ	木ネジ・木ねじ	一本［木ネジ］
もくば	木馬	一台、一基
もくはい	木牌 [→ 位牌]	一柱（はしら）、一体、一本、一基
もくはい	※ 文化財では一基という表現が見られる。
もくはんが	木版画	⇒ 版画
もぐら	モグラ・土竜・土龍	一匹・一疋
もぐら	作品を見る【参考】アントン・チェーホフ　神西清訳「決闘」：面白いのは二匹のモグラが地の下で出喰わした時だ。二匹ともまるで言い合わしたように土を掘り拡げはじめる。
もくろく	目録	一通、一枚、一冊、一紙
	※ 文化財では一紙という表現が見られる。
	作品を見る【参考】宮本百合子「獄中への手紙一九四四年(昭和十九年)」：写したものはこの表が全部ではなく宮本文書目録そのほか一通二通のもの、とりのけとしてあります。【参考】永井荷風「来訪者」：白井は蟲干の手つだひをしながら、初め鉛筆で蔵書の名を手帳に記入して持帰つた後、一ヶ月ばかりして半紙に毛筆で清書した目録一冊を見せてくれた。
もけいひこうき	模型飛行機 [→ 飛行機]	一機、一台、一組・一式 [組み立て前の部品で]
もけいひこうき	作品を見る【参考】海野十三「大空魔艦」：丁坊は、たくさんの模型飛行機をもっている。みんなで五六十台もあろうか。これはみな丁坊が自分でつくったのだ。

もざいく	モザイク	一面 [壁などに貼られて]、一片・一枚 [モザイクタイルやモザイクガラスなどの材料で]
	【知識】建築資材としては、「一才」という単位がある。
	作品を見る【参考】寺田寅彦「空想日録」：果てもない氷海を張りつめた流氷のモザイクの一片に乗っかって親子連れの白熊が不思議そうにこっちをながめている。
もじ	文字	一字、一文字、一つ、一個、一行、一流（ながれ）、一号・一級・一ポイント [大きさで]
もしょう	喪章	一枚、一本
もすく	モスク [→ 堂]	一堂、一軒、一棟（むね・とう）、一宇（う）
もち	餅 [→ 臼、→ 鏡餅]	一個、一枚 [のし餅]、一切（きれ）、一片、一重（かさね）、一団（だん）[丸めたもの]、一臼（うす）、一据（すえ）・一据わり [重ね餅]
	《付録》
	作品を見る【参考】織田作之助「神経」：ズルチンつこてまんねン。五円で砂糖つこたら引き合えまへん。こんなちっちゃな餅でも一個八十銭つきまっさかいな。小豆も百二十円になりました【参考】泉鏡太郎「春着」：燒芋（やきいも）が一錢（いっせん）で大（だい）六切（むきれ）、大福餅（だいふくもち）は一枚（いちまい）五厘（ごりん）であった。【参考】岡本綺堂「中国怪奇小説集　白猿伝・其他」：趙は自分の用意して来た焼餅一枚を取り出して、皿にある焼餅一枚と掏（す）り換えて置いた。そうして、三娘子を油断させるために、自分の焼餅を食って見せたのである。【参考】村井弦斎「食道楽春の巻」：僕なんぞは国へ帰るとまだ少食の組だよ、僕ら位の年の者は雑煮餅の三十枚位平気だからね。外の家へ御馳走のお客にでも往ってみ給え、お強鉢（しいばち）といって倒れるまで食べなければ承知しないから【参考】村井弦斎「食道楽春の巻」：しかし持ったが病（やまい）でまだ大食は廃（や）められません。悪いと知りつつどうしても自ら制する事が出来ません。今朝なんぞは雑煮餅の大きいのを十八片（きれ）食べました【参考】夏目漱石「吾輩は猫である」：餅の切れは小さいが、何でも六切（むきれ）か七切（ななきれ）食って、最後の一切れを椀の中へ残して、もうよそうと箸（はし）を置いた。【参考】金子ふみ子「父」：叔母は買物の風呂敷包みを解いた。なんでも、切餅が二、三十切れと、魚の切身が七、八つ、【参考】三遊亭圓朝鈴木行三校訂「粟田口霑笛竹（澤紫ゆかりの咲分）」：お前さんは酒を三杯飲んだろうが、私は待ってる間にお餅（かちん）を二タ切焼いて呉れたぎりだから腹が空（へ）って仕様がない、【参考】寺田寅彦「新年雑俎」：土佐の貧乏士族としての我家に伝わって来た雑煮の処方は、椀の底に芋一、二片と青菜一（ひ）とつまみを入れた上に切餅一、二片を載せて鰹節（かつおぶし）のだし汁をかけ、そうして餅の上に花松魚（はながつお）を添えたものである。【参考】堺利彦「私の父」：私としては、餅の一片（きれ）なり、飯の一塊まりなり食わせてやりたい。【参考】島崎藤村「夜明け前第一部下」：大野屋の娘に付き添いの男が祝いの供え餅（もち）一重（ひとかさ）ねをお粂や宗太への土産にくれた。【参考】楠山正雄「物のいわれ」：つきかけの餅（もち）が一臼（ひとうす）そっくり、臼（うす）のままなくなっていました。【参考】正木不如丘「釣十二ヶ月」：名取のリユック・サックには、炭二貫目、石油缶を二つぎりにした火鉢二ツ、それに餅一臼は入って居るだろう。
もちあみ	餅網 [→ 網]	一枚
もちざお	もち竿・黐竿	一本、一竿
もちやきあみ	餅焼き網・餅焼網 [→ 網]	一枚
もちつきき	餅つき機・餅搗き機・餅搗機 [→ 臼]	一台
もっかん	木簡 [→ 竹簡]	一枚、一片、一連、一点 [出土品で]
もっかん	※ 文化財では一枚という表現が見られる。
もっかんがっき	木管楽器 [→ 楽器]	一管、一本、一挺［一丁］、一茎（けい）、一枝（し）など
	※ クラリネット、横笛、尺八など。詳しくは各楽器の項をご覧ください。
	作品を見る【参考】泉鏡花「薄紅梅」：この人が、塩瀬の服紗（ふくさ）に包んだ一管の横笛を袴腰に帯びていた。【参考】橘外男「棚田裁判長の怪死」：思い余ってある時、この坊さんは、秘蔵の一管の尺八を携えて、家老の屋敷へ忍び入って来たことがありました。【参考】島崎藤村「朝飯」：僕が今、君に尺八を買うだけの金を上げるから粗末な竹でも何でもいい、一本手に入れて、それを吹いて、それから旅をする、ということにしたまえ【参考】宮本百合子「獄中への手紙一九四〇年(昭和十五年)」：覚えていらっしゃるかしら、若草に顔を近く、一茎の葦笛をふくうたです。【参考】幸田露伴「雪たたき」：巧みに一枝（いっし）の笛を取返すことの必要を此家の主人に会得させ、
もっかんぼ	木棺墓	一基
もっかんぼ	※ 文化財では一基という表現が見られる。
もっきん	木琴 [→ 楽器]	一台、一面
もっこ	畚	一枚、一簣（き）
もっこふんどし・もっこうふんどし	畚褌 [→ 褌]	一枚
もっぷ	モップ	一本
もでむ	モデム [→ ルーター]	一台、一枚、一個
もでるがん	モデルガン [→ トイガン、→ 銃]	一挺［一丁］（ちょう）
もとちょう	元帳 [→ 大福帳]	一冊
もとゆい	元結	一本、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）
もなか	最中 [→ 菓子]	一つ、一個
もなか	作品を見る【参考】宮沢賢治「ツェねずみ」：ちりとりはある日、ツェねずみに半分になった最中（もなか）を一つやりました。するとちょうどその次の日、ツェねずみはおなかが痛くなりました。【参考】織田作之助「婚期はずれ」：友恵堂の最中が十個もはいっていた。それが五百袋も配られたので、葬礼の道供養にしては近ごろよくも張り込んだものだと、随分近所の評判になった。
もにたりんぐぽすと	モニタリングポスト	一基、一台
もにたー	モニター [→ ディスプレイ]	一台、一基 [据え付けた大型のもので]、一インチ・型［ディスプレイ画面の大きさで］、一人［依頼されて、ある事、物などを試し、評価したりする人］
もにゅめんと	モニュメント [→ 記念碑]	一基
ものおき	物置	一棟（むね・とう）、一台、一本、一基
ものおき	作品を見る【参考】佐藤垢石「岩魚」：石坂家の邸は、間口十二間、奥行八間半の総三階、土蔵三棟、物置二棟、大きな長屋門に厚い築塀をめぐらし、この地方ではまれに見る豪壮な構えである。
ものおきごや	物置小屋	一軒、一棟（むね・とう）
ものおきごや	作品を見る【参考】林不忘「丹下左膳　日光の巻」：銀のうろこを浮かべたような、さむざむしい三方子川（さんぼうしがわ）をすこし上流にさかのぼったところ、小高い丘のかげに、一軒の物置小屋がある。【参考】伊藤野枝「転機」：木立の中の屋敷はかなりな広さをもっている。一段高くなった隅に住居らしい一棟と、物置小屋らしい一棟とがそれより一段低く並んでいる。
ものがたり	物語 [→ 小説、→ 童話、→ 伝説、→ 神話、→ 怪談]	一話、一つ、一編、一篇、一巻、一章、一文、一作、一作品、一本、一齣（くさり・せき・く）、一闋（くさり）、一条（じょう・くだり）
	【知識】「巻」は、全集物などで使われ、古代の書物が巻物（巻子本）であったことの名残。
	作品を見る【参考】永井荷風「矢はずぐさ」：そもそも小説家のおのれが身の上にかかはる事どもそのままに書綴（かきつづ）りて一篇の物語となすこと西洋にては十九世紀の始（はじめ）つ方（かた）より漸（ようや）く世に行われ、【参考】宮本百合子「獄中への手紙一九四〇年(昭和十五年)」：好ちゃんの愛読書である「谷間のかげ」から、段々熱中してしまって、上下二巻の創作物語になってしまいました。【参考】中里介山「大菩薩峠山科の巻」：堂守の尼さんが、次のような一条の物語を語って聞かせてくれました
ものさし	物差し・物指し [→ 定規・定木、→ スケール]	一本、一枚
ものほしざお	物干し竿	一本、一竿
ものほしだい	物干し台	一台、一基
ものれーる	モノレール [の車体]	一輛・一両、一台
	モノレール [の運行便数]	一本、一便、一編成
	モノレール [一本の車両数]	五輛編成など
	モノレール [の路線]	一本、一路線、一系統
	モノレール [の線路]	一本、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）
もふく	喪服	一着、一揃（そろい）
もみ	籾	一粒、一袋（たい・ふくろ）、一俵
もみ	作品を見る【参考】高神覚昇「般若心経講義」：たとえばここに「一粒の籾（もみ）」があるといたします。この場合、籾はすなわち因です。この籾をば、机の上においただけでは、いつまでたっても、一粒の籾でしかありません。【参考】久生十蘭「藤九郎の島」：日和（ひより）を見さだめて、俵の切りほどきにかかったが、そのうちに芽をふいている籾が一俵あった。
もみじ	紅葉 [→ 楓、→ 木]	一本（ほん・もと）、一株（かぶ・しゅ）、一樹（じゅ）、一木（ぼく）、一枚（まい・ひら）・一葉（よう・は）・一片（ひら・へん） [葉で]
	《付録》
	作品を見る【参考】夏目漱石「こころ」：私は箱根（はこね）から貰った絵端書（えはがき）をまだ持っている。日光（にっこう）へ行った時は紅葉（もみじ）の葉を一枚封じ込めた郵便も貰った。【参考】原民喜「誕生日」：「ほんとに、きょうはいい、お天気だなあ」と、先生も感心したように空を見上げて云（い）いました。雄二たちは小川のほとりで弁当を食べました。雄二が腰を下（おろ）した切株（きりかぶ）の側（そば）に、ふと一枚の紅葉（もみじ）の葉が空から舞って降りてきました。雄二はそれを拾（ひろ）いとると、ポケットに収めておきました。【参考】泉鏡花「ピストルの使い方 ――（前題――楊弓）」：天狗が一二枚もみじの葉を取ったって、すぐ山巡吏（やままわり）の監督が出て来るんじゃアありませんか。【参考】泉鏡花「ピストルの使い方 ――（前題――楊弓）」：玉子形（なり）の色の白い……このもの語（がたり）の土地では鶴子饅頭（つるのこまんじゅう）と云うそうである、ほっとり、くるりと、そのやや細い方を頭（かしら）に、緋（ひ）のもみじを一葉（ひとは）挿して、それが紅い鳥冠（とさか）と見えるであろうか？【参考】泉鏡花「ピストルの使い方 ――（前題――楊弓）」： ……お月様の森の、もみじですもの、色は照りますわ。――余り綺麗だから、一葉（ひとは）二葉（ふたは）、枝のを取って来たのを――天狗がですよ。白い饅頭にさして、その紅（あか）い鳥冠（とさか）にしたんだって言ったんですがね。
もも	モモ・桃 [→ 果物、→ 果実]	一個、一玉、一顆（か）、一果（か）、一菓（か）、一粒、一切（きれ）、一片、一袋、一パック、一籠（かご）、一盛（もり）、一皿、一山、一箱
	《付録》
	作品を見る【参考】森鷗外「伊沢蘭軒」：宮城野より明神嶽へ上り、最上寺（さいじやうじ）に参詣。上路屈曲、深谷危径、一人も逢ふ人なし。途中桃を里に運ぶ老人に逢ふ。数顆を買ひ、水漿（すゐしやう）に代て渇を医す。山上に小田原在の民馬を牽来り草を苅る。【参考】木内高音「水菓子屋の要吉」：要吉は、ある年（とし）、近所（きんじょ）へ避暑（ひしょ）にきていた大学生たちが、自分の家のえんがわへ腰をかけて、一粒（つぶ）よりの水蜜桃をむしゃむしゃと、まるで馬が道ばたの草をでもたべるようにたべちらすのを見た時の、うらやましい驚（おどろ）きをいつまでも忘（わす）れることができませんでした。【参考】種田山頭火「其中日記（六）」： △ゆすら桃、通りかゝつた垣根から二粒三粒つまんでたべて、遠い少年の夢を味つた。夾竹桃がもう咲いてゐる、南国の夏の色と姿だ。
ももひき	股引 [→ ぱっち]	一枚、一本、一足
ももんが	モモンガ [→ 動物]	一匹・一疋、一頭

もや	靄	一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）、一流（ながれ）、一刷毛（はけ）、一群（むら・ぐん）、一叢（むら・そう）、一簇（むら・そう）、一塊（かたまり・かい）、一団、一抹（まつ）、一面、一幅
	作品を見る【参考】泉鏡花「星女郎」：ちょうど広場とその頂との境に、一条（ひとすじ）濃い靄（もや）が懸（かか）った、靄の下に、九十九谷（つくもだに）に介（はさ）まった里と、村と、神通（じんつう）、射水（いみず）の二大川（だいせん）と、富山の市（まち）が包まるる。【参考】泉鏡花「草迷宮」：低く裏山の根にかかった、一刷（ひとはけ）灰色の靄（もや）の間も通る。【参考】芥川龍之介「邪宗門」：僧都（そうず）の頭（かしら）の真上に、宝蓋（ほうがい）をかざしたような一団の靄（もや）がたなびきました。【参考】徳田秋声「あらくれ」：水藻（みずも）のような蒼（あお）い濛靄（もや）が、一面に地上から這（はい）のぼっていた。【参考】泉鏡花「春昼」：舞台の左右、山の腹へ斜めにかかった、一幅（ひとはば）の白い靄（もや）が同じく幕でございました。
もやいづな	舫綱 [→ 纜、→ 綱]	一本、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）
	【知識】船舶救命設備規則「第十四条・救命艇の艤装品」などの条項に、「一筋、二筋」という表現が見られる。
もやし	モヤシ [→ 野菜]	一本、一袋
もり	森	一つ、一群・一叢（むら・そう）・一簇（むら・そう）
	作品を見る【参考】泉鏡花「神鑿」：横（よこ）へ切（き）れて田畝道（たんぼみち）を、向（むこ）うへ、一方（いっぽう）が山（やま）の裙（すそ）、片傍（かたわら）を一叢（ひとむら）の森（もり）で仕切（しき）った真中（まんなか）が、茫（ぼう）と展（ひら）けて、草（くさ）の生（はえ）が朧月（おぼろづき）に、雲（くも）の簇（むら）がるような奥（おく）に、祠（ほこら）の狐格子（きつねごうし）を洩（も）れる灯（ひ）が、細雨（こさめ）に浸（にじ）んだのを見（み）ると――猶予（ためら）わず其方（そちら）へ向（む）いて、一度（いちど）斜（はす）に成（な）って折曲（おれまが）って列（つらな）り行（ゆ）く。【参考】中里介山「大菩薩峠お銀様の巻」：気がついて立ったところのすぐ眼の前に、こんもりと一叢（ひとむら）の森があることを知りました。
もり	銛	一本、一発 [捕鯨砲などで]
	作品を見る【参考】大阪圭吉「動かぬ鯨群」：一発銛（もり）を撃ち込む度に、余分な賞与にありついていた。
もりかご	盛り籠・盛籠 [→ 籠盛]	一基、一台、一対 [祭壇の左右に供えて]、一籠、一盛（もり） [一籠、一盛は、バスケット状などの小形のもので]
もりそば	盛りそば・盛り蕎麦・盛蕎麦 [→ そば]	一枚、一丁、一人前、一啜（すす）り [食べる様]
もりばな	盛り花・盛花	一台、一基、一対 [祭壇の左右に供えて]
もるもっと	モルモット	一匹・一疋、一頭 [主に学術上などで]
もん	門	一棟、一基、一本、一対、一構（かまえ）、一宇、一門
	【知識】「→ 楼門（ろうもん）」は、「一門」という数え方もされる。 ※ 文化財では一基、一棟という表現が見られる。
	作品を見る【参考】泉鏡花「草迷宮」：靄が余所（よそ）よりも判然（はっきり）と濃くかかったせいで、鶴谷が別宅のその黒門の一構（ひとかまえ）。【参考】泉鏡花「凱旋祭」：ひとり、唯、単に、一宇（いちう）の門のみ、生首に灯（ひとも）さで、淋（さび）しく暗かりしを、怪しという者候いしが、さる人は皆人の心も、ことのようをも知らざるにて候。
もんきー	モンキー [→ 猿、→ 動物]	一匹・一疋、一頭、一群（むれ）
もんきーれんち・もんきれんち	モンキーレンチ・モンキレンチ	一挺［一丁］（ちょう）、一本
もんさつ	門札	一枚
	※ 「門札（かどふだ・もんふだ）」「表札・標札」「門標・門表」などとも。
もんしろちょう	モンシロチョウ・紋白蝶 [→ 蝶、→ 昆虫]	一匹・一疋、一羽、一頭（とう） [『頭』については「蝶」の項目参照 ⇒]
	※ 蝶や希少な昆虫を「一頭」と数えることがあるが、新聞や放送などでは「匹」を使うとされる。
もんすたー	モンスター [→ 怪物]	一匹・一疋、一人（り／たり・にん） [人の状態で]
もんじょ	文書 [→ ぶんしょ]	一通、一枚、一葉（よう）、一点、一片、一冊、一部、一束
	※ 文化財では一通、一冊という表現が見られる。
もんだい	問題 [→ 質問、→ 問い、→ 設問]	一問、一題、一点 [採点して]
もんちゅう	門柱	一本、一基
	※ 文化財では一基という表現が見られる。
	作品を見る【参考】寺田寅彦「静岡地震被害見学記」：県庁の入口に立っている煉瓦と石を積んだ門柱四本のうち中央の二本の頭が折れて落ち砕けている。落ちている破片の量から見ると、どうもこの二本は両脇の二本よりだいぶ高かったらしい。【参考】豊島与志雄「牛乳と馬」：横手へ回ってゆくと、野薔薇のからみついた門柱が二本立っていて、奥まで見通しで、別棟の平家があった。
もんつき	紋付・紋付き [紋服]	一枚、一着、一揃（そろい）、一重（かさね）、一襲（かさね・しゅう）、一領
	※ 文化財では一領という表現が見られる。
	作品を見る【参考】夏目漱石「虞美人草」：「どうか、なすったの」と藤尾が聞いた。小野さんは心配の上に被（き）せる従容（しょうよう）の紋付を、まだ誂（あつら）えていない。二十世紀の人は皆この紋付（もんつき）を二三着ずつ用意すべしと先の哲学者が述べた事がある。【参考】坂口安吾「明治開化　安吾捕物その十五　赤罠」：もっともオトムライに着るための紋附は一そろいフロシキに包んで持っておいででしたね。だから、その晩は本宅か市川へお泊りの予定でさアね【参考】菊池貴一郎（四代目歌川広重）「絵本江戸風俗往来」：黒木綿の紋付は色の変わりし身の上に、重なる不幸に一重を着し、胸高く締めたる帯も山は綻（ほころ）びて芯（しん）の出るを恥じ、
もんつきはかま	紋付袴	一揃（そろい）、一着、一重（かさね）、一襲（かさね・しゅう）、一領
	作品を見る【参考】宮本百合子「花のたより」：これはありつけるぞととりいそぎ紋付袴を一着に及んだ人相よからぬ職業的一団のあったことも時節柄明らかである。
もんとう	門灯・門燈	一灯
もんどう	問答 [→ 質問、→ 答え]	一双（そう）
	※ 問いと答えの、二つで一組として成り立つところから。
もんぴ	門扉 [→ 扉]	一枚、一本、一基、一面
もんぴょう	門標・門表	一枚
	※ 「門札（かどふだ・もんさつ・もんふだ）」「表札・標札」などとも。
もんぷく	紋服 [紋付]	一枚、一着、一揃（そろい）、一重（かさね）、一襲（かさね・しゅう）、一領
	※ 文化財では一領という表現が見られる。
	作品を見る【参考】国枝史郎「首頂戴」：いろいろ話して聞かせた上、紋服を一襲（かさね）くれたのだからな
もんふだ	門札	一枚
	※ 「門札（かどふだ・もんさつ）」「表札・標札」「門標・門表」などとも。
	作品を見る【参考】泉鏡花「春昼」：彫金（ほりきん）というのがある、魚政（うおまさ）というのがある、屋根安（やねやす）、大工鉄（だいてつ）、左官金（さかんきん）。東京の浅草（あさくさ）に、深川（ふかがわ）に。周防国（すおうのくに）、美濃（みの）、近江（おうみ）、加賀（かが）、能登（のと）、越前（えちぜん）、肥後（ひご）の熊本、阿波（あわ）の徳島。津々浦々（つつうらうら）の渡鳥（わたりどり）、稲負（いなおお）せ鳥（どり）、閑古鳥（かんこどり）。姿は知らず名を留（と）めた、一切の善男子（ぜんなんし）善女人（ぜんにょにん）。木賃（きちん）の夜寒（よさむ）の枕にも、雨の夜の苫船（とまぶね）からも、夢はこの処（ところ）に宿るであろう。巡礼たちが霊魂（たましい）は時々此処（ここ）に来て遊（あす）ぼう。……おかし、一軒一枚の門札（もんふだ）めくよ。
もんぺ	もんぺ	一枚

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