ものの数え方一覧 | 助数詞一覧【ま行 - み】【みんなの知識ちょっと便利帳】

= ま行 - み =

もの		数え方
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み	実	一個、一玉、一顆（か）、一果（か）、一菓（か）、一本 [細長いもの]、一房、一粒、一切（きれ）、一片、一袋、一パック、一籠（かご）、一盛（もり）、一皿、一枚、一山、一箱、一列
	※ 形や盛り方などで様々です。
	作品を見る【参考】牧野富太郎「植物記」：梅の実は花一輪に一顆を結ぶのがその常態であるが、偶には一花中に数子房があって花後に数子を生ずるのがある。
み	箕	一枚
みーてぃんぐ	ミーティング	一回、一度、一席
みいら	ミイラ・木乃伊	一体
みいら	作品を見る【参考】神西清「わが心の女」：それがあの博物館にあった赤膚媛、牙氏月姫という二体のミイラに他ならぬことを認めた。
みお	澪・水脈・水尾	一本、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）
みお	作品を見る【参考】国枝史郎「沙漠の古都」：見渡せばなるほど西南一帯一面に焔の海である。しかし焔の海の中にあたかも一筋の水脈（みお）のように暗黒の筋が引かれてある。どうやら一筋の谿らしい。【参考】国枝史郎「神州纐纈城」：見る見るうちに姿小さく、水脈（みお）を一筋残したまま、船も人も朦気の中へ、朦朧として消え込んだ。
みかいけつじけん	未解決事件 [→ 事件]	一件、一つ
みかきにしん・みがきにしん	身欠きニシン・身欠き鰊	一枚、一本
みかくにんひこうぶったい	未確認飛行物体 [→ UFO]	一機、一台、一基 [母船のような形状の物で]
みかた	見方	一つ
みかた	作品を見る【参考】高神覚昇「般若心経講義」：物と心とを一つのものに対する、二つの見方として、眺（なが）めてゆこうという、つまり、全体的立場、もちつもたれつという因縁の立場、縁起の意味においてこの二つのものを、一つのものの内容として見てゆこうというのです。【参考】野口雨情「札幌時代の石川啄木」：今二三十年も生存していたら、良い作品も沢山残しただろうと、斯うした見方も一つの見方かも知れないが、私はそうとは考えていない、【参考】倉田百三「愛の問題（夫婦愛）　――生命の法に随う――」：生命の法則についての英知があって、かつ現代の新生活の現実と機微とを知っている男女はこの二つの見方を一つの生活に融かして、夫婦道というものを考えばならぬ。
みかん	ミカン・蜜柑 [→ 橘、→ 果物]	一個、一つ、一顆（か）、一果（か）、一菓（か）、一房、一粒、一袋、一山、一箱、一本・一株 [木で]
みかん	作品を見る【参考】岡本綺堂「半七捕物帳半鐘の怪」：きょうは蜜柑まきで、お前は蜜柑を貰ったか」「十個（とお）ばかり貰った」と、【参考】夏目漱石「草枕」：何でも寒い師走（しわす）の頃であった。その時蜜柑山に蜜柑がべた生（な）りに生る景色を始めて見た。蜜柑取りに一枝売ってくれと云ったら、幾顆（いくつ）でも上げますよ、持っていらっしゃいと答えて、樹（き）の上で妙な節（ふし）の唄（うた）をうたい出した。【参考】芥川龍之介「蜜柑」：小娘は、恐らくはこれから奉公先へ赴（おもむ）こうとしている小娘は、その懐（ふところ）に蔵していた幾顆（いくか）の蜜柑を窓から投げて、わざわざ踏切りまで見送りに来た弟たちの労に報いたのである。【参考】夏目漱石「京に着ける夕」：その時子規はどこからか夏蜜柑（なつみかん）を買うて来て、これを一つ食えと云って余に渡した。余は夏蜜柑（なつみかん）の皮を剥（む）いて、一房（ひとふさ）ごとに裂いては噛（か）み、裂いては噛んで、あてどもなくさまようていると、いつの間（ま）にやら幅一間ぐらいの小路（しょうじ）に出た。【参考】寺田寅彦「相撲」：みかんをむいて一袋ずつ口へ運び器用に袋の背筋をかみ破ってはきれいに汁を吸うて【参考】海野十三「海野十三敗戦日記」：十円で一山のみかん（小さいのが二十個位）、一本五十銭のイモ飴、一皿二円から十円のおでんなどがみられた。【参考】木内高音「水菓子屋の要吉」：一山いくらのお皿（さら）の上には、まっ黒（くろ）くなったバナナだの、青かびのはえかけたみかんだの、黒あざのできたりんごだのがのっていました。【参考】太宰治「正義と微笑」：朝から、ひとりで蜜柑（みかん）をほとんど一箱たべた。
みき	神酒・御酒	一献、一本、一缶（もたい）
みき	【知識】「缶」は、『延喜式（えんぎしき）（延長5年〈927年〉［］成立）』に「神酒（みわ）廿缶。【缶別（ごと）三斗。当国十五缶。伊賀国二缶。尾張。参河。遠江等国各一缶。並以二神税一醸造】」などとあり、一缶に三斗入っていたことが分かる。
みきさー	ミキサー [→ ハンドミキサー、→ ブレンダー、→ フードプロセッサー]	一台、一基 [大型のもの]
みきさー	ミキサー [音声の調整用の設備]	一台、一式
みきさー	【知識】ラジオ・テレビ業界では、音声の調整を担当する技術者をミキサーもしくはミクサーと呼ぶ。
みきさーしゃ	ミキサー車	一台、一輛・一両
みくだりはん	三行半 [→ 離縁状]	一通、一本、一封、一枚、一札（さつ）
みくだりはん	作品を見る【参考】三遊亭圓朝　鈴木行三校訂「粟田口霑笛竹（澤紫ゆかりの咲分）」：母親は伊之助の枕元へ参りまして段々説得致しますと、伊之助は去状で此の苦痛が免（のが）れるなら、百本でも書きたいくらいでございますゆえ、そんならばと云うので三行半（みくだりはん）ゆえ訳は有りませんから、サラ／＼と書いて安兵衞の手に渡すを受取り、政七の居る座敷へ出てまいりました。【参考】三遊亭圓朝　鈴木行三校訂「鹽原多助一代記」：夫婦は三世という縁合のものですから少しの悋気ぐらいで私ア出て往（ゆ）くから一本お書きなんて、全体女が男に一本かけなんと云うのは可笑しいわけでございます。其の時御亭主が癇癪が起って居りますと、直（す）ぐに三行半（みくだりはん）を渡して出されますと、合せものは離れもので、再び帰ることは出来ないから、嫉妬（やきもち）の起った時は、嫉妬腹（やきもちばら）を立ってはいけません、悋気は疑り、疑りは悋気の玉子です。【参考】中里介山「大菩薩峠　甲源一刀流の巻」：「今日の門出（かどで）に、これをそなたに遣（つか）わします」机の上なるまだ墨の香の新しい一封の書状、お浜は不審顔（ふしんがお）に手に取って見ますと、意外にもこれは離縁状、俗にいう三行半（みくだりはん）でありましたから、「これは私に下さる離縁状、どうしてまあ」
みこし	御輿・神輿／神輿（しんよ）	一基、一台、一挺［一丁］（ちょう）、一座（ざ）、一体、一社
	【知識】担ぐ輿や駕籠を数える「一挺」が使われることも。また、神体を数える「座」や「体」、神社を数える「社」が使われることもある。 ※ 文化財では一基という表現が見られる。
	作品を見る【参考】江見水蔭「怪異暗闇祭」：燈火（ともしび）を打消し、八基の神輿は粛々として練り出されるのであった。【参考】芥川龍之介「夢」：そこにはいづれも田舎じみた男女が大勢佇んでをり、その中を小さいお神輿（みこし）が一台ワツシヨワツシヨとかつがれて行つた。僕はかう云ふ景色を見ながら、一生懸命に発句を作り、大いに得意になつたりした。しかし後に思ひ出して見ると、それは無残にもこんなものだつた。――「お神輿の渡るを見るや爪立ちて。」【参考】加能作次郎「恭三の父」：若い人足共の喧嘩の事、人出の多かった事、二十台あまりの神輿が並んだ時の立派さ、【参考】中川喜雲「案内者（寛文2年・1622年）」：九月十五日　粟田口祭（あわたくちまつり）　粟田の関白おはせし所なれば粟田口といふ、神事は御こし三社、鉾五本をまつる。【参考】中川喜雲「案内者（寛文2年・1622年）」：九月廿日　下京半女祭（しもぎょうはんじょまつり）　神輿（しんよ）一社、さいのほこあり、ただその町内をまつる。

みさいる	ミサイル [地上、艦上などで]	一基、一本
	ミサイル [弾頭・発射後]	一発、一機
	【知識】多くは誘導装置によって飛行するため、航空機のように「機」が使われることもある。
みさいるはっしゃき	ミサイル発射機	一基、一輛・一両 [移動発射機で]
みさいるはっしゃとう	ミサイル発射筒	一基、一門
みさき	岬	一つ、一箇所（一か所・一カ所）、一岬（こう）
みさんが	ミサンガ	一本
みしょうたい・みしょうだい	御正体 [→ 鏡像]	一面、一具（ぐ）、一口（く）
	作品を見る【参考】木暮理太郎「二、三の山名について」：社は現に猪苗代町の北方に立派に保存され、宝物の鏡の銘に奉懸岩椅大明神　　　　本地御正体一面右志趣者為心中祈願成就円満乃至法界平等利益所奉□□如件永仁三年閏二月十八日　　　　　　　　　藤原氏女　敬白と記されている。
みしん	ミシン	一台
	作品を見る【参考】坂口安吾「出家物語」：ミシンが一台ありゃ、誰にでも、出来らあね。お前みたいな野郎でも庖丁がありゃ料理屋ができるじゃないか。【参考】徳田秋声「あらくれ」：飯をすますと直ぐ、お島が通りの方にあるミシンの会社で一台註文して来た機械が、明朝（あした）届いたとき、二人は漸（やっ）と仕事に就くことができた。
みじんこ	ミジンコ・微塵子・水蚤	一匹・一疋、一頭 [一頭は学術論文などに見られる]
	作品を見る【参考】宮沢賢治「ペンネンネンネンネン・ネネムの伝記」：この世界が、はじめ一疋（ぴき）のみじんこから、だんだん枝（えだ）がついたり、足が出来たりして発達しはじめて以来、
みしんばり	ミシン針 [→ 針]	一本
みす	御簾 [→ ぎょれん、→ 簾[す]]	一枚、一張（はり・ちょう）、一帳（ちょう）、一垂（たれ）、一対、一連
	※ 文化財では一張という表現が見られる。《付録》『御簾』の家紋
	作品を見る【参考】吉川英治「私本太平記　あしかが帖」：　――その中橋ノ廊を、二人の影が越えてゆくとき、ちょうど、暗い暁天のどこかを、時鳥が啼いてすぎた。けれど二人の耳には怖（おそ）らくよそであったろう。……そしてすぐ、二人が聞いたのは、燭光まだ夜半のまま照り映えている八連の御簾の内から、とつぜん、きゃッきゃッ……と洩れてきた高時の笑い声だったことは、確かである。
みず	水	一杯、一口、一滴（てき・しずく）、一雫（しずく）、一掬（すくい・きく）、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）、一本、一パック、一椀・一碗（わん）、一桶、一啜（すす）り [飲む様]
	作品を見る【参考】中島敦「盈虚」：差出された水を一杯飲み終った時、到頭来たな！という太い声がした。【参考】芥川龍之介「素戔嗚尊」：彼は娘と入れ違いに噴井（ふきい）の側へ歩み寄って、大きな掌（たなごころ）へ掬（すく）った水に、二口三口喉（のど）を沾（うるお）した。【参考】泉鏡花「草迷宮」：水を一口、と云う舌も硬（こわ）ばり、唇は土気色。【参考】中里介山「大菩薩峠弁信の巻」：この水一滴あれば、人一人の命が助かるのだ【参考】泉鏡花「婦系図」：如露の水を一雫、一滴で可（よ）うございます、私（わたくし）の方へお配分（すそわけ）なすってくださるわけには参りませんか。【参考】薄田泣菫「独楽園」：氷の削屑（けずりくず）のような小魚は、ひやりと肌にねばり着き、そのまま水の一雫に溶けてしまいそうな滑らかさ。【参考】寺田寅彦「柿の種」：時として私の心に張りつめた堅い厚い氷の上に、一掬（きく）の温湯（ゆ）を注ぐような効果があるように思われる。【参考】ロマン・ローラン豊島与志雄訳「ジャン・クリストフ」：一筋の細い水の流れが人造岩の洞穴（ほらあな）から流れ出していた。【参考】ビクトル・ユーゴー豊島与志雄訳「レ・ミゼラブル」：アーチの下を、一条の水が流れていた。【参考】芥川龍之介「枯野抄」：一椀の水と一本の羽根楊子とは、既にこの老僕が、用意して置いた所である。【参考】岡本綺堂「綺堂むかし語り」：沙河（しゃか）会戦中には、農家へはいって一椀の水を貰（もら）ったきりで、朝から晩まで飲まず食わずの日もありました。【参考】南方熊楠「十二支考田原藤太竜宮入りの話」：大洋を囲んで無数の軍兵に、毎人一桶ずつ毎日その水を汲（く）ませ、以て大海を乾（ほ）し涸（か）らそうと懸った、
みずあめ	水飴	一壺、一瓶、一缶、一曲（まげ）、一匙、一掬（すくい・きく）
みずいれ	水入	一個、一合
みずうみ	湖 [→ 池]	一湖、一つ、一泓（おう）
	【知識】「泓（おう）」は、「水の深いさま」「ふち」「水だまり」などを表し、湖や池の数え方としても使われる。漢文の例としては、「一泓碧湖、十里峡谷、百丈飛瀑（一泓の碧い湖、十里の幽谷，百丈の飛瀑）」「一泓湖水映高楼（一泓の湖水、高楼を映す）」「一泓碧池、波光潋滟（一泓の碧い池、光を受けきらきら波打つ）」などと使われる。
	作品を見る【参考】木暮理太郎「古図の信じ得可き程度」：『正保図』の如く官命に依って選ばれたる地図に之を略する筈なければ、この場合ツフラノ沼はたとえ漠然と一湖を描けるのみなりとも、之を以て三湖を代表せるものと見て差支なしというを得んか。或は又同じ理由よりして反対に、官選の地図に一湖を描けるのみなるは、偶以（たまたまもっ）て菅沼の未だ発見されざりしことを証するものなりとも言い得可し。【参考】木暮理太郎「春の大方山」：北に向って本栖湖畔に下りた。路は湖の南岸に通じている。数百羽の小鴨が木の葉のように水面に浮んでいたのは珍らしかった。水は清く色は深碧で、富士北麓の五湖の中では最も幽邃である。しかし日光の湯の湖には及ばない。【参考】牧野信一「湖の夢」：友人である医学士のＦ君が、オースチンを購入したので、案内車を先に立てながら富士の五湖をまわって来ようと、或る晩わたしの部屋を訪れた。【参考】高祖保「独楽」：諏訪湖の宿――まえが、詩人田中冬二さんの栖居。うしろが、一泓（おう）の湖。秋の雨が、まえうしろとなく、ふりしぶく。秋かぜのつのりて吾亦紅（われもこう）の雨【参考】木暮理太郎「白馬岳」：白馬岳の北方、山稜の二岐している所から、東に尾根を伝いて二千七百六十九米の小蓮華山を踰（こ）え二千六百二十米の大日岳を東に下り始めると、眼下に一泓（いちおう）の明鏡が見える、名は大池。
みずがめ	水瓶・水甕	一口（こう・く・くち）、一個、一本、一壺（こ・つぼ）、一瓶（へい）
	※ 文化財では一口（く）という表現が見られる。
みずぎ	水着 [→ 海水着]	一枚、一着、一つ [着た様]
	作品を見る【参考】片岡義男「東京青年」：「人が水に入るということが、そもそも奇妙なんだ。水には裸で入ればいいのに、水着という専用の服を作って身につける。しかし、水に入るための専用の服である水着を身につけた美しい女性が日常の場にいると、一枚の水着がすべてのものを奇妙な世界にしてしまう。美しい顔立ちと姿態の女性だと、その奇妙さには強調の縁取りが加わる」【参考】片岡義男「東京青年」：二階の寝室へも、彼はいってみた。ベッドの上にはブランケットやシーツ、そして枕などがあり、クロゼットのなかには水着が一着、針金のハンガーに掛かっていた。【参考】永井荷風「夏の町」：朝早く自分たちは蘆のかげなる稽古場に衣服を脱ぎ捨て肌襦袢（はだじゅばん）のような短い水着一枚になって大川筋をば汐の流に任（まか）し【参考】牧野信一「女優」：二階の窓から縄梯子をぶらさげて、水着ひとつになった百合子が、真下の僕の窓先とすれ／＼に降りて来るのだ。
みずぐすり	水薬 [→ 薬]	一本、一瓶、一滴、一杯、一匙
	作品を見る【参考】尾崎紅葉「金色夜叉」：宮は貫一に勧められて行きて医の診察を受けしに、胃病なりとて一瓶（いちびん）の水薬（すいやく）を与えられぬ。【参考】芥川龍之介「河童」：チヤツクは僕を小綺麗なベツドの上へ寝かせました。それから何か透明な水薬を一杯飲ませました。【参考】ハンス・クリスチアン・アンデルセン　森鷗外訳「即興詩人」：ロオザの我に一匙の薬水を薦（すゝ）めつゝ熱は去れりと云う時、蹲れる人は徐（しず）かに起ちて室を出でんとす。
みずぐるま	水車	⇒ 水車［すいしゃ］、⇒ 筒車［とうしゃ］
みずさし	水差・水指	一個、一口（こう・く・くち）、一合
	※ 文化財では一口（く）、一合という表現が見られる。
みずしずく	水滴	⇒ 水滴
みずつぎ	水注 [→ 水注（すいちゅう）、→ 水滴]	一個、一口（こう・く・くち）
	※ 文化財では一口という表現が見られる。
みずでっぽう	水鉄砲 [→ 水弾]	一挺［一丁］（ちょう）、一本
	・参考 [水鉄砲・水弾]　　【参考】喜田川守貞「守貞謾稿巻之六（生業下）」：水弾売り　水弾、俗に水鉄砲と云う。平日も稀に売り巡るといえども、特に烈風の日、あるいは火災後等いよいよ売り巡る。《中略》この器は中民以上を専らとす。小戸はこれをも用うこと稀故なり。【編集注】「守貞謾稿（もりさだまんこう）」は、天保8年（1837）から慶応3年（1867）まで、30年間にわたって書かれた江戸時代後期の風俗史。 []
みずどけい	水時計	⇒ 漏刻・漏剋（ろうこく）
みずのみば	水飲み場	一基 [公園などで]
みずはじき	水弾き・水弾 [→ 竜吐水、→ 飛水銃、→ 水鉄砲]	一挺［一丁］（ちょう）、一柄、一本
	【知識】水弾は「生竜水」とも。・参考 [水鉄砲・水弾]　【参考】喜田川守貞「守貞謾稿巻之六（生業下）」：：水弾売り　水弾、俗に水鉄砲と云う。平日も稀に売り巡るといえども、特に烈風の日、あるいは火災後等いよいよ売り巡る。《中略》この器は中民以上を専らとす。小戸はこれをも用うこと稀故なり。【編集注】「守貞謾稿（もりさだまんこう）」は、天保8年（1837）から慶応3年（1867）まで、30年間にわたって書かれた江戸時代後期の風俗史。 []
みずひき	水引	一本 [結ぶ場合]、一枚・一張（はり）[張り渡す場合]、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）
みずまくら	水枕 [→ 氷枕、→ 氷嚢・氷のう]	一枚、一個、一つ
みせ	店・見世 [→ 売店]	一軒、一店、一店舗、一棟（むね・とう）、一構（かまえ）
	作品を見る【参考】高村光雲「幕末維新懐古談その頃の床屋と湯屋のはなし」：源空寺門前という一町内には、床屋が一軒、湯屋（ゆや）が一軒、そば屋が一軒というようにチャンと数が制限され、その町内の人がそのお華客（とくい）で、何もかも一町内で事が運んだようなものであります。【参考】永井荷風「銀座」：上野の音楽学校に開かれる演奏会の切符を売る西洋の楽器店は、二軒とも人の知っている通り銀座通りにある。【参考】種田山頭火「其中日記（八）」：アイスキヤンデー流行には驚嘆する、通行人の立ち寄り易いやうな場所には二軒も三軒も並んで店を張つて競争してゐる、駄菓子屋、氷屋は大恐慌だ、いや彼等はアイスキヤンデー売りに転業しつゝある、先日、私もすゝめられて食べてみたが、流行するだけの値打ちはあると思つた、何しろ安いから、そして割合にうまいから、取扱が簡単だから、等、々、々。【参考】国木田独歩「置土産」：軍夫（ぐんぷ）となりてかの地に渡り一かせぎ大きくもうけて帰り、同じ油を売るならば資本（もとで）をおろして一構えの店を出したき心願、少し偏屈な男ゆえかかる場合に相談相手とするほどの友だちもなく、
みせもの	見世物	一芸
みせものごや	見世物小屋	一軒、一棟
	作品を見る【参考】夢野久作「豚吉とヒョロ子」：夫婦はビックリして立止まって見ておりましたが、そのうちに向うの方に獣（けもの）の絵看板を沢山に並べた一軒の見世物小舎が見つかりました。豚吉とヒョロ子夫婦はその動物の見世物小屋の方へ行きますと、夫婦の珍らしい姿を見に集まったものがあとから黒山のようについて来ます。【参考】楠山正雄「文福茶がま」：まず町（まち）の盛（さか）り場（ば）に一軒（けん）見世物小屋（みせものごや）をこしらえて、文福（ぶんぶく）茶（ちゃ）がまの綱渡（つなわた）りと浮（う）かれ踊（おど）りの絵（え）をかいた大看板（おおかんばん）を上（あ）げ、太夫元（たゆうもと）と木戸番（きどばん）と口上（こうじょう）言（い）いを自分（じぶん）一人（ひとり）で兼（か）ねました。
みそ	味噌	一樽（たる）、一本、一袋、一匙、一掬（すくい・きく）
	作品を見る【参考】喜田川守貞「守貞謾稿　巻之五（生業下）」：京坂は、毎冬毎戸、味噌と香々は自家にこれを制す。香々、江戸に云うたくわんなり。江戸は各居塁地なき故にか、自家にこれを製すこと稀なり。専ら味噌、巨戸は一、二樽を買い、中以下は百文二百文と大小戸ともに毎時これを買う。【編集注】「守貞謾稿（もりさだまんこう）」は、天保8年（1837）から慶応3年（1867）まで、30年間にわたって書かれた江戸時代後期の風俗史。 [] 【参考】島崎藤村「夜明け前第一部下」：白米三俵、味噌（みそ）二樽（たる）、漬（つ）け物一樽、それに酒二樽を贈った。
みぞ	溝 [→ 溝渠、→ 側溝、→ 堀割、→ 地割れ]	一本、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）
	※ 文化財では一条という表現が見られる。
	作品を見る【参考】佐藤垢石「酒徒漂泊」：路傍の赤土の面を掘った細い糸ほどの溝の跡が二本。一本は利根川を指し、一本は信濃川を慕い、思い思いの方を向いて互いに運命の坂を下っている。【参考】芥川龍之介「十本の針」：（求めずとも与えられる当然の悲しみや苦しみのほかにも）そこにそれらの人々を他の人々から截（き）り離す一すじの溝（みぞ）は掘られている。【参考】中里介山「大菩薩峠不破の関の巻」：それと例の小溝一筋を隔てた一方の、美濃路に属する方の家へは、【参考】石川啄木「葬列」：柵と桜樹の間には一条の浅い溝があって、掬（むす）ばば凝（こ）って掌上（てのひら）に晶（たま）ともなるべき程澄みに澄んだ秋の水が、
みそしる	味噌汁 [→ 御付]	一杯、一椀・一碗（わん）、一口、一啜（すす）り [飲む様]
	作品を見る【参考】小林多喜二「独房」：円るい型にハメ込んだ番号の打ってある飯をワッパに、味噌汁を二杯に限って茶碗に、それから土瓶にお湯を貰う。【参考】種田山頭火「四国遍路日記」：（夕食）　　　　　（朝食）焼魚　　　　　　　味噌汁二杯菜葉ひたし　　　　削節沢庵漬　　　　　　たくあん二片さしみ　　　　　　味噌汁二椀蓮の煮付　　　　　菜葉の煮たの漬物　　　　　　　漬物【参考】正岡子規「墨汁一滴」：　味噌汁は三州（さんしゅう）味噌の煮漉（にごし）、実（み）は嫁菜（よめな）、二椀代ふ。
みぞれ	霙	一粒、一滴（てき・しずく）、一雫（しずく）、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）、一降（ふり）、一回、一陣（しきり）

みだ

弥陀

⇒ 阿弥陀

みだし

見出し・見出

一本

みたま

御霊・御魂 [→ 御霊（ごりょう）]

一柱（はしら）

みち

道・路 [→ 道路、→ ハイウエー、→ 坂道、→ 街道、→ ルート、→ 通路]

一本、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）、一うねり、一線、一髪、一径（けい）[主に小道で]、一ルート、一車線

作品を見る

【参考】石川啄木「雪中行小樽より釧路まで」：成程街の様子が甚だよく札幌に似て居て、曲った道は一本もなく、
【参考】森鷗外「舞姫」：今まで一筋の道をのみ走りし知識は、自ら綜括的になりて、
【参考】蒲原有明「夢は呼び交す ——黙子覚書——」：老主人は草薙社への参道である一筋の夜みちを幼児の手を引くようにして、
【参考】夏目漱石「草枕」：三丁ほど上（のぼ）ると、向うに白壁の一構（ひとかまえ）が見える。蜜柑（みかん）のなかの住居（すまい）だなと思う。道は間もなく二筋に切れる。白壁を横に見て左りへ折れる時、振り返ったら、下から赤い腰巻（こしまき）をした娘が上（あが）ってくる。
【参考】夏目漱石「草枕」：ただ一条（ひとすじ）の春の路だから、行くも帰るも皆近づきと見える。最前逢（お）うた五六匹のじゃらんじゃらんもことごとくこの婆さんの腹の中でまた誰ぞ来たと思われては山を下（くだ）り、思われては山を登ったのだろう。
【参考】夏目漱石「虞美人草」：一条（いちじょう）の径の細く直（すぐ）なるを行き尽さざる此方（こなた）から、
【参考】ハンス・クリスチアン・アンデルセン　森鷗外訳「即興詩人」：中央には四つの石獅に圍まれたる、セソストリス時代の記念塔あり。前には三條の直道あり。
【参考】泉鏡花「高野聖」：路はここで二条（ふたすじ）になって、一条（いちじょう）はこれからすぐに坂になって上（のぼ）りも急なり、
【参考】永井荷風「深川の散歩」：この二条の新道が深川の町を西から東へと走っている。また南北に通ずる新道にして電車の通らないものが三筋ある。これらの新道はそのいずれを歩いても、道幅が広く、両側の人家は低く小さく、
【参考】徳冨蘆花「小説　不如帰」：彼は世渡りの道に裏と表の二条（ふたすじ）あるを見ぬきて、いかなる場合にも捷径（しょうけい）をとりて進まんことを誓いぬ。
【参考】泉鏡花「春昼後刻」：その二階家（にかいや）の前から路（みち）が一畝（ひとうね）り、矮（ひく）い藁屋（わらや）の、屋根にも葉にも一面の、椿（つばき）の花の紅（くれない）の中へ入って、
【参考】坂口安吾「竹藪の家」：その人の背（せな）に展けた一線の野道は、遥遥と遂いに小さな一点と化し
【参考】小島烏水「天竜川」：二挺の櫂を一つに合せ、船頭二人の力をこめて取り縋るようにして、漕いだが、それでも東岸には、一髪の道が通じて、旅人が通っているのが、ふり仰がれる、
【参考】吉川英治「私本太平記　世の辻の帖」：ただ東南の間に、ほそき一径の坂路（はんろ）を見るのみ。元弘の年、廷尉正成のおこす所にして、南河内十七城の根城（ねじろ）となす。
【参考】正岡子規「病牀六尺」：その道は二つに分れ、一筋はその岡に沿ふて左に行くべく、一筋は橋を渡つて水に沿ふて左に行くべくなつてをる。

みちいと

道糸 [→ 鉤素、→ 釣り糸]

一本、一筋（すじ）、一条（すじ・じょう）

みちしるべ

道しるべ [→ 道標]

一基

※ 文化財では一基という表現が見られる。

作品を見る

【参考】国枝史郎「大鵬のゆくえ」：奈良宝隆寺から西一町、そこに大きな畑があり、一基の道標（みちしるべ）が立っていた。

みちすじ

道筋 [→ ルート]

一つ、一本、一筋

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【参考】森鷗外「雁」：そのころまで目新しかった目金橋（めがねばし）へ降りて、柳原（やなぎはら）の片側町（かたかわまち）を少し歩く。それからお成道（なりみち）へ戻って、狭い西側の横町のどれかを穿（うが）って、矢張（やはり）臭橘寺の前に出る。これが一つの道筋である。これより外の道筋はめったに歩かない。
【参考】豊島与志雄「広場のベンチ」：十内が寄寓してる家から、電車通りへ出る道筋の一つに、神社の境内を通過してゆくのがあった。少し遠廻りではあるが、静かだった。
【参考】寺田寅彦「物理学圏外の物理的現象」：それと同様に未来の物理学進歩の経路も必ずしも単義的にただ一筋の予定の道筋を通るであろうとは考えられない。

みちゆき

道行き・道行

一枚、一着

みっしゅうしょか

密集書架

⇒ 移動棚

みっしょ

密書 [→ 書状]

一通、一本、一封、一枚

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【参考】佐々木味津三「右門捕物帖　千柿の鍔」：年若い近侍が、手渡す間ももどかしいように差し出したのは、次のごとき一通の密書でした。

みつぞろい

三つ揃い [→ 背広、→ スーツ、→ スリーピース]

一着、一揃（そろい）、一組

みっと

ミット [→ グローブ]

一枚、一個

みつば

ミツバ・三つ葉・三葉 [→ 野菜]

一株、一本、一茎、一把（わ）、一束（たば）

みつばち

ミツバチ・蜜蜂 [→ 蜂、→ 昆虫]

一匹・一疋

みつめぎり

三ツ目錐・三目錐 [→ 錐]

一挺［一丁］（ちょう）、一本

みつもり

見積もり

一件、一通、一枚

みつもりしょ

見積書 [→ 発注書、→ 注文書]

一通、一枚、一葉（よう）、一片、一冊、一綴（つづり）

みとめいん

認め印・認印 [→ 印（いん）]

一本、一個、一顆（か）

みとりず

見取り図・見取図 [→ 図]

一枚、一葉（よう）、一舗・一鋪（ほ・ふ・ふく）[一舗・一鋪は、「畳み物」とも呼ばれる、一枚の物を折り畳み、使う際に広げる地図などを数えるのに使われる]、一片、一点、一面

みどりのはね

緑の羽根 [→ 赤い羽根]

一本

【知識】緑の羽根をシンボルとした「緑の募金」は、国土緑化推進機構が主体となって行っている募金活動。1950年（昭和25年）に「緑の羽根募金」運動が始まり、1995年（平成7年）に緑の募金法により「緑の募金」と改められた。

みどりむし

ミドリムシ

一匹・一疋

みとん

ミトン [→ 手袋]

一双、一組、一対、一足、一揃（そろい）、一枚 [片方で]

みなと

港 [→ 湾]

一港

みにかー

ミニカー

一台、一個

みね

峰

一峰（ほう）、一嶺（れい）、一座

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【参考】鵜殿正雄「穂高岳槍ヶ岳縦走記」：巉岩（ざんがん）にて築き上げた怪峰二、三をすぎ、八時、標高三千十四米突の一峰に攀（よ）じて腰を据（す）える。

みの

蓑

一枚、一領、一頸（くび）

【知識】「一頸（ひとくび）」は、『日葡辞書』に「Mino（蓑）と呼ばれる雨合羽を数える言い方」とある。（『邦訳日葡辞書(岩波書店)』より。『日葡辞書』は、1603年・慶長8年 [ ] に発行された、日本イエズス会宣教師の編による日本語・ポルトガル語辞典）

※ 蓑は、背負うような形で身につけ、首のところで結ぶので「頸（首）」と数えられたか。

「和漢三才図会」より『蓑』についての項
（国立国会図書館蔵）

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【参考】正岡子規「寒山落木　卷一」：簔一枚笠一個簔は房州の雨にそほち笠は川越の風にされたるを床の間にうや／＼しく飾りて
【参考】泉鏡花「海神別荘」：蔵を毀（こぼ）ち、家を焼いて、もとの破蓑（やれみの）一領、網一具の漁民となって、娘の命乞（いのちごい）をすれば可かった

みのがさ

蓑笠 [→ 笠、→ 菅笠、→ 編笠]

一蓋（かい・がい）、一笠（りゅう）、一頭（かしら）、一枚、一具

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【参考】中里介山「大菩薩峠　不破の関の巻」：苦々しげに見やった街道を、練って行く一隊の蓑笠（みのがさ）があります、その数都合十四五頭もありましょう。練って行くと見たのは、見直すとそうではない、十四五名の蓑笠がみんな数珠（じゅず）つなぎになって、手先に引き立てられて行くのです。

みのむし

ミノムシ・蓑虫・みの虫 [→ 虫]

一匹・一疋

みぶんしょうめいしょ

身分証明書

一枚、一通、一葉（よう）

みみ

耳

一つ、一枚、一本、一対（つい）

【知識】耳の数え方は「つ」が使われることが多いが、動物の場合は「枚」が使われることもある。また、ウサギのように長い耳の場合は稀に「本」が使われることも。左右を一つとする場合は「対（つい）」で数えられる。

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【参考】寺田寅彦「耳と目」：耳も目も、いずれも二つずつ、われわれの頭の頂上からほぼ同じ距離だけ下がった所に開いている。目のほうは前面に二つ並んでほぼ同じ方向を向いているのに耳のほうは両側にあって、だいたいにおいて反対の方向に向いている。
【参考】久生十蘭「ノンシャラン道中記アルプスの潜水夫　――モンブラン登山の巻」：そもそもアルプスの山神と申しまするは、その昔、天の火を盗んだ百罰として、コウカサスはエルブルュスの巓（いただき）につながれましたるプロメシウスの弟御（ご）パラシュウスと申す猛々しいお方でござります。されば山の犠牲（にえ）としてご要求になる人命と申しまするものは、一年にだいたい二百六十個、片足だけお取りあげになったものは千八本、前歯が六百枚、耳が七十三対という有様でございます。

みみかき

耳かき・耳掻き・耳掻

一本

みみかざり

耳飾り [→ イヤリング、→ ピアス]

一組、一セット、一対、一双、一個 [片方、もしくは一つで使う場合]、一本 [長いもの]

『耳飾』国宝（古墳時代）	『耳飾』国宝（古墳時代）
〔東京国立博物館蔵〕

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【参考】芥川龍之介「南京の基督」：若い日本の旅行家は微笑した。さうして上衣の隠しを探ると、翡翠（ひすゐ）の耳環を一双（さう）出して、手づから彼女の耳へ下げてやつた。
【参考】宮本百合子「道標」：白い紙包みがあけられて、なかからその一対の耳飾りがあらわれたとき、宝石のきれいさに目をみはったと同時に心の奥には一種の衝撃を感じた。
【参考】エドガア・アルラン・ポオ森林太郎訳「病院横町の殺人犯」：床の上にナポレオン銀貨四箇、黄玉（くわうぎよく）を嵌めたる耳環一箇、銀の大匙三箇、アルジエリイ合金の小匙三箇の外、金貨四千フランを二袋に入れたるものあり。