作家 |
作品 |
島崎藤村 |
【新生】
彼の下宿には独逸(ドイツ)のミュウニッヒの方から来た慶応の留学生を迎えたり、瑞西(スイス)の方へ行く人を送ったりしたが、それらの人達と連立ってルュキサンブウルの美術館を訪(たず)ねた時でも、ガボオの音楽堂に上った時でも、何時(いつ)でも彼は心の飄泊者(ひょうはくしゃ)としてであった。
 
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森鴎外 |
【うたかたの記】
独逸(ドイツ)、仏蘭西(フランス)の戦(いくさ)ありし時、加特力(カトリック)派の国会に打勝ちて、普魯西(プロシヤ)方につきし、王が中年のいさをは、次第に暴政の噂(うわさ)に掩(おお)はれて、公けにこそ言ふものなけれ、
 
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芥川龍之介 |
【開化の殺人】
卿等にして猶明治十二年六月十二日、独逸(ドイツ)皇孫殿下が新富座に於て日本劇を見給ひしの夜、彼、満村恭平が同戯場(ぎぢやう)よりその自邸に帰らんとするの途次、馬車中に於て突如病死したる事実を記憶せんか、
 
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夏目漱石 |
【点頭録】
東西南北どちらの方角を眺めても、彼の眼に映ずるものは悉(〔ことごと〕)く独乙 (〔ドイツ〕)の敵であつた。彼は魯西亜(〔ロシア〕)を軽蔑した。年来独乙の統一に反対する墺地利(〔オーストリア〕)も、彼の憎悪を免(まぬ)かれなかつた。
 
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| 宮沢賢治 |
【土神と狐】
「見せてあげませう。僕実は望遠鏡を独乙(ドイツ)のツァイスに注文してあるんです。来年の春までには来ますから来たらすぐ見せてあげませう。」
 
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| 與謝野晶子 |
【巴里まで】
私が心配しながら通つた波蘭(ポオランド)から掛けて獨逸(ドイツ) の野は赤い八重櫻の盛りであつた。一重のはもう皆散つた後である。藤の花蔭に長い籐椅子に倚つて居る白衣の獨逸婦人などを美しく思つて過ぎた。
 
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| 上田敏訳詩集 |
【海潮音】
巻中収むる処の詩五十七章、詩家二十九人、伊太利亜(イタリア)に三人、英吉利(イギリス)に四人、独逸(ドイツ)に七人、プロヴァンスに一人、而(しか)して仏蘭西(フランス)には十四人の多きに達し、曩(さき)の高踏派と今の象徴派とに属する者その大部を占む。
 
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| 内田魯庵 |
【灰燼十万巻(丸善炎上の記)】
現行書目にしも、英独仏露伊西以外、和蘭、瑞西、波蘭、瑞典、那威、 澳太利、匈牙利、葡萄牙、墨西哥、アルゼンチン、将た印度、波斯、中央亜細亜あたりまでの各国書目を一と通り揃えていた。
 
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| 幸田露伴 |
【野道】
他の二人も老人らしく似(に)つこらしい打扮だが、一人の濃(こ)い褐色(かっしょく)の土耳古帽子(トルコぼうし)に黒い絹(きぬ )の総糸(ふさいと)が長く垂(た)れているのはちょっと人目を側立(そばだ)たせたし、
 
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| 芥川龍之介 |
【杜子春】
門一ぱいに当つてゐる、油のやうな夕日の光の中に、老人のかぶつた紗(しや)の帽子や、土耳古(トルコ)の女の金の耳環や、白馬に飾つた色糸の手綱(たづな)が、絶えず流れて行く容子(ようす)は、まるで画のやうな美しさです。
 
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| 宮沢賢治 |
【山地の稜】
南の方はそら一杯に霽(は)れた。土耳古(トルコ)玉だ。それから東には敏感な空の白髪が波立つ。
 
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| 泉鏡花 |
【高野聖】
おとなしやかな風采(とりなり)で、羅紗(ら しゃ)の角袖(かくそで)の外套(がいとう)を着て、白のふらんねるの襟巻(えりまき)をしめ、土耳古形(トルコがた)の帽(ぼう)を冠(かぶ)り、毛糸の手袋(てぶくろ)を嵌(は)め、白足袋(しろ たび)に日和下駄(ひよりげた)で、
 
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| 吉行エイスケ |
【孟買(ボンべイ)挿話】
汽車が土耳古(トルコ)に這入ると車中の美しい女はみんなばたばた下車してしまって孟買までの通しの切符を持った英国人の布教師の博物館のような顔と、目に見えて黒いものが車室にふえてくるのです。
 
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国枝史郎 |
【生死卍巴】
古い異国の神像や、耳環や木乃伊(ミイラ)や椰子の実や、土耳古(トルコ)製らしい偃月刀(えんげつとう)や、亜剌比亜人の巻くターバンの片(きれ)や、
 
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| 芥川龍之介 |
【路上】
二人はこんな押問答を繰返しながら、閲覧人で埋(う)まっている机の間を通りぬけて、とうとう吹き曝(さら)しの玄関へ出た。するとちょうどそこへ、真赤な土耳其(トルコ )帽をかぶった、痩(や)せぎすな大学生が一人、金釦(きんボタン)の制服に短い外套を引っかけて、勢いよく外からはいって来た。
 
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