「女重宝記」に見る五節句
= 人日・上巳・端午・七夕・重陽 =

 ここでは、江戸時代の「女重宝記おんなちょうほうき」という書物に書かれた「五節句」について見てみます。

「女重宝記」 は、江戸中期の元禄5年・1692年に編纂された女性のための実用・教訓書で、女性の日常生活に必要な知識や作法などが記されています。

 著者は、医師で仮名草子作者でもあった 艸田寸木子くさだすんぼくし(本名は苗村常伯なむらじょうはく)で、全5巻からなります。

 五節句については、「五節句の事」として五之巻の「女節用字尽くし」の中の「八」に書かれています。

「五節句の事」(女重宝記・五之巻)

正月七日
正月七日  若菜わかなの節句という。七草のかゆ御門みかどたてまつ る日なり。七草というは、御形ごぎょう繁縷はこべ、仏の座、すずな 蘿蔔 すずしろせりなずな
三月三日
三月三日 桃の節句という。 唐土もろこしにては、この日、曲水きょくすいえんとて、水辺に盃を浮べ、詩をつくり遊ぶことなり。
五月五日
五月五日  菖蒲あやめの節句という。菖蒲あやめ草を、御簾みす几帳きちょう、門戸にかくれば、一年中の邪気じゃきを払うといえり。
七月七日
七月七日  七夕祭たなばたまつりという。牽牛けんぎゅう織女しょくじょという夫婦の星、一年に一度、今宵こよいうといえり。乞巧奠きっこうでんとも、願いの糸ともいう。
九月九日
九月九日  菊重きくがさねの節句という。唐土もろこし慈童じどうという人、酈県山てきけんざんに住みて、この日、菊水を飲みて、よわいわかくなりしとなり。

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Last updated : 2022/11/23