年齢の名称・別名
二十路、三十路、四十路、五十路
六十路、七十路、八十路、九十路
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  年齢の名称・異称・別名 
  三十路、四十路など 
  古事記に見る年齢 
  方丈記に見る年齢 
《目次》
20歳 二十路(ふたそじ) 
30歳 三十路(みそじ) 
40歳 四十路(よそじ) 
50歳 五十路(いそじ) 
60歳 六十路(むそじ) 
70歳 七十路(ななそじ) 
80歳 八十路(やそじ) 
90歳 九十路(ここのそじ) 
  • 十路(そじ)は、年齢を10年を単位として数える語。「そ」は十を表わし、「じ」は接尾語。
  • ただし、10年間を指すのではなくその年のことで、例えば三十路は30代ではなく、30歳のこと。また、30のこと。「路」と書くのは当て字。
  • 三十路みそじを越えても」「四十路よそじにちかい」「年は五十路いそぢばかりにて」「六十路むそじを二つ三つ越えた」「七十路を四つ越え」「八十路やそじあまりの」などと使われる。
【参考】「そじ」の「じ」の表記について
「じ」は、歴史的かな遣いでは「ぢ」と書かれる。
「ぢ」は数を示す接尾語の「つ」から「ち・ぢ」と転じたもの。のちに、「ぢ」が「路」と解されて「三十路」「四十路」などとも表記されるようになった。殊に、年齢では「路」と書かれることが多い。(参考:学研全訳古語辞典  など)

「古事記」(和銅5年〈712年〉成立[序による])には天皇の年齢が多数記されている。それらの年齢の表記では「路」は使われていないが、その読み下しでは「ぢ」と表記されることが多い。
「古事記 中巻 〔成務天皇〕」
原文:天皇御年 玖拾伍歲
読み下し:天皇すめらみこと御年みとし  九十五歳ここのそぢまりいつつ
【ちょっと知識】「三十路みそじ」は「三十代」か?

「もはや三十路みそじも半ばとなり」などの言い回しで、三十路を「三十代」と捉える表現が見られることがある。しかし、これは正しいのだろうか。
 道のりをも表す「路」を、年齢の幅を表す語義とも捉えての表現と思われるが、「三十」だけでも「みそち・みそぢ」と読むことが『古事記』や『方丈記』などの古文書にも見られ、多くの研究者が読み下しに使っている。さらに、「路」は後の時代に生まれた当て字とされることなどから、三十路は、やはり「30」もしくは「30歳」とするのが本来の語義と考えられる。
 しかし、辞典でも「三十代」を採用しているものがある。「三国さんこく」の略称でも知られる「三省堂国語辞典」には、1982年〈昭和57年〉の第3版 から「三十代」とする語義が採用されている。
 1960年〈昭和35年〉の初版、1968年〈昭和43年〉の新装版、1974年〈昭和49年〉の第2版までは「三十代」との語義は採用されていなかったが、「本来、正しい用い方ではない」が「使われるようになっている」という言葉の変遷にいち早く呼応したものか。
 三十路や四十路などを「30代」「40代」とする表現が見られることは事実であり、「三十路も半ば」という言葉を聞いた時には、発せられた状況から判断する必要があるのだろうか。「30歳も半年が過ぎたのですか」、「35歳に差し掛かったのですか」。さて……。

 なお、同じく三省堂から出版されている「新明解国語辞典」では、2020年〈令和2年〉の第8版に至るも「代」とする語義は採用されていない。

 また、岩波書店から出版されている「広辞苑」では、2018年〈平成30年〉の第7版に至るも「代」とする語義は採用されていない。

2021年04月10日
年齢
別名
読み
備考
20歳
はたち
二十路 ふたそじ 二十にじゅう二十歳はたとせ。二十年。
〈参考〉
 この一首は、年齢を詠んだものではないと思われる(調査中)が、「ふたそぢ」と見られるので参考に掲出する。
【藤原親隆】
を車の錦のことのはをかけてふたそぢへてもあふと聞かばや
木工権頭むくのごんのかみ為忠朝臣家百首ためただあそんけのひゃくしゅ 「恋十五首 寄錦恋」より〉
(群書類従 第十一輯 和歌部収載)
〈参考〉
 『古事記』の寛永21年〈1644年〉版(国立国会図書館所蔵)には、「二十(貳拾)」を「はたそぢ」とするものが見られる。
【古事記 - 太安麻呂】
天皇すめらみこと 御年みとし 一百二十三歳ひとももとしあまりはたそぢあまりみとせ
30歳 三十路 みそじ 【与謝野晶子 晶子詩篇全集拾遺】
君知るや、若き男よ、
日は晴れて静かなる海のかなしさ。
あはれまた君知るや、
三十路みそぢを越えしをみなにも
涙しづかに流るゝを。

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【北原白秋 東京景物詩及其他】
あはれ、そは三十路女みそぢをんなおももちのなにとなく淋しきごとく、
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【幸田露伴 知々夫紀行】
ここの別当橋立寺とかねて聞けるはこれにやと思いつつ音ない驚かせば、三十路みそぢあまりの女の髪は銀杏返いちょうがえしというに結び、指には洋銀の戒指ゆびわして、
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【永井荷風 矢はずぐさ】
八重も女の身の既に三十路みそじを越えたり。始めのほどはリウマチスのやまいさへえて
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【田山花袋 道綱の母】
『三十路ほどの女子で、眉目の好い方でござりました……。
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【泉鏡花 雪霊記事】
三十路みそじを越えても、やつれても、今もその美しさ。
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【石川啄木 一握の砂】
時ありて
猫のまねなどして笑ふ
三十路みそぢの友のひとりみかな
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【片岡義男 七月の水玉】
「二十七歳だとおっしゃってたわね。あと三年で三十よ。三十路みそじと呼ぶのよ」
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40歳 四十路 よそじ 【大町桂月 房州紀行】
年老いたるは、その母にや。四十路ばかりなるは、その叔母にや。
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【吉川英治 私本太平記 湊川帖】
もう四十路よそじにちかいはずの准后じゅんごうではあるが、蠱惑こわくともいえるえんな美はどこにもせていなかった。
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【吉川英治 私本太平記 建武らくがき帖】
その草心尼の清楚せいそな美しさも、年とすれば、もう四十路よそじにとどいていたはずである。
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50歳 五十路 いそじ 【川上眉山 書記官】
欄干てすりにあらわれたるは五十路いそじに近き満丸顔の、打見にも元気よき老人なり。
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【長谷川時雨 大橋須磨子】
廿五年勤続の祝いも五、六年前に済んで、もうやがて五十路にも近かろう。 けれども、おしかさんもまだ水々した年増だ。
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【島崎藤村 藤村詩抄 島崎藤村自選】
こゝには五十路六十路を經つつまだ海知らぬ人々ぞ多き
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【中里介山 大菩薩峠 椰子林の巻】
この尼法師、年はもはや五十路いそじを越えているが、その容貌はつやつやしい。
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【尾崎紅葉 金色夜叉】
年は五十路いそぢばかりにてかしら霜繁しもしげく夫よりは姉なりとぞ。
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60歳 六十路 むそじ 【宮本百合子 気むずかしやの見物 ――女形――蛇つかいのお絹・小野小町――】
「やつがれは六十路を越したる爺にて候」と、平伏し逃げかけるところで、復讐さえしそこなった小町の
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【与謝野禮嚴 禮嚴法師歌集 与謝野寛編輯校訂】
老いて世にすてられんとは思ひきやあはれ六十路もたはぶれの夢

六十路むそぢあまり共に浮世を夢と見き君こそ先づは覚めて往にけれ

六十路あまり八とせの春は越えぬれど心老いせぬものにぞありける

人の世の六十路は越えつ身の憂きを遁れて遊べ花鳥のうへに
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【河上肇 閉戸閑詠】
六十路むそぢ超え声色の慾枯れたればし物のこと朝夕に
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【河上肇 枕上浮雲】
若くしていためし胃腸何事ぞ六十路をすぎていよよすこやか
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【高山樗牛 瀧口入道】
思ひ煩らひ給ふもことわりなれども、六十路むそぢに近き此の老婆、いかで爲惡ためあしき事を申すべき、
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【海野十三 空襲葬送曲】
年の頃は 六十路むそじを二つ三つ越えたと思われる半白の口髭くちひげ頤髯あごひげ りりしい将軍が、
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【島崎藤村 藤村詩抄 島崎藤村自選】
こゝには五十路六十路を經つつまだ海知らぬ人々ぞ多き
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【三上於菟吉 雪之丞変化】
その場にすがたを現したのが、もう六十路むそじを越したらしい、びんが薄れて、目の下や、ほおゆるんだ、えびす顔の老人、
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【中村清太郎 ある偃松の独白】
れたれいしに似た鼻から、垂れさがる鼻汁を、危なくすすり上げて、愛想笑い。六十路の坂を、はるか越えていよう。何か、おどおどした物腰の、眼のわるい、小柄でしなびた老媼の方は、めったに出てこない。
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【沼田一雅 白い光と上野の鐘】
それが当年六十路むそじあまりのおばアさんとは、反目はんもく嫉視しっし氷炭ひょうたん相容あいいれない。
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【吉川英治 宮本武蔵 水の巻】
境内の一端にあらわれたのは、一人の駕かきの背中に負ぶさった 六十路むそじとも見える老婆としよりだった。――そのうしろには、これも五十をとうに越えている――、余り颯爽さっそうとしない田舎風の老武士が見えた。
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【吉川英治 梅里先生行状記】
光圀もことし六十五、雪乃も六十路むそじにちかい年。
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70歳 七十路 ななそじ 【紀貫之 土佐日記】
うみのまたおそろしけれ かしらもみなしらけぬ なゝそ七十やそ八十うみにあるものなり
【泉鏡花 二世の契】
古びゆがんだ柱の根に、よわい七十路ななそじに余る一人のおうな糸をつて車をぶう/\、
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【泉鏡花 歌行燈】
同伴つれの老人は、まだ、その上を四つ五つで、やがて七十ななそじなるべし。
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【与謝野禮嚴 禮嚴法師歌集 与謝野寛編輯校訂】
七十路の歳にたわまぬ猛男たけをには老のやつこも怖ぢおそるらん

馴れこしは七十路までの月なれば行く路てらせ死出の山辺の

七十路の春こゆるまで生きたれど馴れこし世には猶飽かずけり

七十路に老いくづをれて妻子にも放たれんとは思ひがけきや

七十路を四つ越えしこそ嬉しけれ猶生きば生き今死なば死ね

忘るなよ七十路こえて馴れし月かげこそ老が目にはうとけれ
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【与謝野晶子 晶子詩篇全集拾遺】
当世たうせ韓蘇かんそ大史公たいしこう
奇しき力を身に兼ねて、
七十路ななそぢ経たる来し方も
千歳ちとせわざを立てましぬ。
老いざる巨人、蘇峰先生。
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【下村湖人 次郎物語 第三部】
照りかわく
ほこり
七十路ななそじ
人の影
いともちいさし
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【北原白秋 白南風】
かがなべておいの齡のたふとさよ七十路ななそぢあまりいよよ七歳ななとせ

父と母竝びいましてしづけさよ七十路越えて二柱なほも

父と母さが合はず、さびしくましき。若きより悲しかりにき。今老いて、七十路過ぎて、さらさらに何の事なし。頼りなく頼りますかも、まさびしくしづけかるかも。
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【小金井喜美子 鴎外の思い出】
親はらからみなつぎつぎにさきだちて
    ひとりのこりぬ七十路ななそじの身の
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80歳 八十路 やそじ 【紀貫之 土佐日記】
うみのまたおそろしけれ かしらもみなしらけぬ なゝそ七十やそ八十うみにあるものなり
【泉鏡花 神鷺之巻】
清水につくと、魑魅すだまが枝を下り、茂りの中からあらわれたように見えたが、早く尾根づたいして、八十路やそじに近い、脊の低い柔和なおばあさんが、
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【幸田露伴 連環記】
時に年八十七だったという。死に近づいた頃、弟子共に歌をよませ、自分も歌をよんだが、其歌は随分増賀上人らしい歌である。「みづはさす八十路やそじあまりのおいの浪くらげのほねにあふぞうれしき」というのであった。
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【谷崎潤一郎 少将滋幹の母】
そんなことがあってから数日後、はやその年も残り少なになった十二月の二十日頃に、又しても時平のもとから数々の贈物が届けられた。「大納言殿も来年は更に齢を加えられ、いよ/\八十路やそじに近くなられるとうけたまわるにつけても、縁につながるわれ/\共は慶賀に堪えない。
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90歳 九十路 ここのそじ 【古事記】
天皇すめらみこと御年みとし九十三歳ここのそぢまりみつ御陵みはか掖上わきのかみ博多山はかたのやまにあり。

【続後撰和歌集・雑下】
九十路あまり悲しき別れかなながきよはひと何たのみけん

 《その他》 百歳の読み方:ひゃくさい・ももとせ

    = 百歳に関することわざ =
      三歳の翁百歳の童子
      百歳の童七歳の翁
      十歳の翁百歳の童

【ことわざの意味】いずれも、
  歳をとっていれば賢いということではなく、若くても優れている人がいるということから、「思慮分別があるかどうかは年齢にとらわれない」という喩え。また、「人は外見では判断できないものだと」いう喩えとしても。


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Last updated : 2021/05/09