外国名・外国地名の漢字表記
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日本にほん での外国名・外国地名・世界の都市の漢字表記は、漢字を母国語としない国などの名称に、日本の漢字の音訓を借りてその語の表記に当てたもので、当て字や借字と呼ばれます。
例:【芥川龍之介 翻訳小品】わたしは或南伊太利亜イタリア人を知っている。昔の希臘ギリシヤ人の血の通った或南伊太利亜イタリアである。
そのため、一つの国名・地名にいくつもの表記がある場合があり、また、漢字国の中国での表記とは異なるものもあります。
ここに記載したものが全てではありません。研究や学習にお使いの際は、辞典・専門書などでご確認ください。
漢字による略称、旧国名・旧地名、地域名なども含みます。
中国語での表記を『中文』として記載しました。日本での漢字の使い方との比較という視点で参考としてご覧ください。
著名な作家が、作品の中で外国名・外国地名の漢字をどのように使っているかをまとめました。
作品に出てくる、国名・地名の漢字表記
クイズによく出て来そうな国名や地名の漢字を、クイズ形式でまとめてみました。
 このサイトでも参考文献としている、明治2年(1869年)[]に書かれた福沢諭吉の『 世界国盡せかいくにづくし』の凡例の項目で、福沢諭吉は次のように述べています。

一 地名、人名等は、西洋の横文字を読て、ほぼそのいんに近き縦文字をあてることなれば、古来翻訳者の思々おもいおもいに色々の文字を用い、同じ土地にてもふたつみつもその名あるに似たり。又あるいは唐人の翻訳書を見てその訳字を真似まねしたるもあり。
 これは からの文字の唐音とういんもって西洋の字音もじあてたるゆえ、唐音に明るき学者達には分るべけれども、我々共には少しも分らず。故にこの書中にはつとめて日本人に分りやすき文字を用るようにせり。実はいろはばかり用ても済むべきはずなれども、本字を記して脇へ仮名を附れば記憶するに便利なり。
 たとえば南亜米利加の「ぺいりゆう」という処へ平柳ぺいりうと記しあれば、勘平かんぺいぺいの字と楊柳ようりゆうりゆうの字なりと むねに記しておぼえ易し。りうとりゆうとの違などは固より論ずるに足らず弁軽べんがるの弁の字は弁慶の弁の字なり。論頓ろんどんの論の字は論語の論の字なり。大抵たいていこの趣向にて訳字をくだしたれども、多くの訳書中に普通なる文字は、無理ながらもそのまゝ用てかたわらに仮名を附たれば、読者その本字をあてにせずして仮名の方を記憶すべし。

一 近年までは日本人も英文を読み得ず、和蘭おらんだの書のみを翻訳せしゆえ、地名にも蘭人のとなえと英人の唱と同じからざるによりて、訳字の相異なるものあり。
 譬えば 昔日むかし蘭書の翻訳文中に窩々所徳礼幾おおすてんれいきと記したるものを、今は墺地利おおすとりやといい、むかし独逸どいつを今は日耳曼ぜるまんというがごときは、事実において変ることなし。ただ近来は英書流行ゆえ英のとなえに従うのみ。

《参考文献》
  • 「節用集」明応5年(1496年)
  • 「伊京集」(旧本節用集)室町末期(室町時代は、1573年(元亀4年)まで)
  • 「下学集」東麓破衲 著 元和3年(1617年)
    * 調査した「節用集」「伊京集」「下学集」で外国名として記載されているのは、漢字圏の百済など以外では「印度・インド」のみ。「印度」は「天竺」との説明がある。
  • 「坤輿万国全図」(1602年に北京で刊行されたものの江戸時代中期頃の摸本。林原美術館所蔵版)
  • 「四十二国人物図説」享保5年 (1720) 年[西川如見著 明治31年(1898年)刊
    喎蘭オランダ 新訳地球全図」橋本直政 著 寛政8年(1796年)
  • 「江戸名所図会」天保7年(1836年)
  • 「亜米利加総記」広瀬竹庵 著 嘉永7年(1854年)
  • 「万国舶旗図譜」松居南岱 編 嘉永7年(1854年)
  • 「外蕃容貌図画」嘉永7年(1854年)
  • 「海外諸島図説」 斎藤寛 [撰] 柳川重信 画 嘉永7年(1854年)
  • 「万国人物図会」 仮名垣魯文 作 一猛斎芳虎 画 万延2年(1861年)
  • 「西洋事情」福沢諭吉 著 慶応2年(1866年)
  • 「西洋旅案内」福沢諭吉 著 慶応3年(1867年)
  • 「條約十一国記」福沢諭吉 著 慶応3年(1867年)
  • 「西洋衣食住」福沢諭吉 著 慶応3年(1867年)
  • 「洋兵明鑑」福沢諭吉 著 明治2年(1869年)
  • 「掌中万国一覧」福沢諭吉 著 明治2年(1869年)
  • 「英国議事院談」福沢諭吉 著 明治2年(1869年)
  • 「世界国尽」福沢諭吉 著 明治2年(1869年)
  • 「掌中 万国一覧」福沢諭吉 訳 明治2年(1869年)
  • 「開知新編」橋爪貫一 纂 明治2年(1869年)
  • 「輿地誌略」内田正雄 編訳 明治3年(1870年)
  • 「万国航海 西洋道中膝栗毛」仮名垣魯文 著 明治3年(1870年)
  • 「西国立志編」スマイルス著・中村正直 明治3年(1870年)
  • 「万国地理訓蒙」コロネル 著 西村恒方 訳 明治5年(1872年)
  • 「世界一覧」閉戸斎主人 著[他] 明治5年(1872年)
  • 「世界都路」仮名垣魯文 著[他] 明治5年(1872年)
  • 「和英通語」松岡章 編輯 明治5年(1872年)
  • 「万国道中記」須藤時一郎,吉田賢輔 訳述 明治5年(1872年)
  • 「英語箋・附録通弁独学・并五大州地名箋」卜部氏 訳 明治6年(1873年)
  • 「内外旗章地球国名」片山勤 編 明治6年(1873年)
  • 「万国地名往来」黒田行元 著 明治6年(1873年)
  • 「世界国名尽解」青木東江 訳編 明治6年(1873年)
  • 「輿地新編」石黒厚 訳述 明治7年(1874年)
  • 「単語独稽古」伴源平 編 明治7年(1874年)
  • 「世界新名数」松川安信 編 明治7年(1874年)
  • 「単語解 初編」橋本小六 著 明治7年(1874年)
  • 「地名訳書字引」坂似水 編 明治7年(1874年)
  • 「万国史略」田中義廉 編 明治8年(1875年)
  • 「大日本国名尽・世界国尽」鶴田真容 編 明治8年(1875年)
  • 「万国地名誌」藤沢清風 編 明治8年(1875年)
  • 「地球説略訳解」リチャード・クオーターマン・ウェー 著[他] 明治8年(1875年)
  • 「万国地名字類・輿地誌略字引」関息定,飯尾朋央 著 明治8年(1875年)
  • 「暗射地球図解」永田方正 訳 明治8年(1875年)
  • 「世界地図略説」永塩津貫一郎 抄訳 明治8年(1875年)
  • 「暗射地球図解」吉田伝次 著 明治9年(1876年)
  • 「万国史(巴来万国史)」ペートル・パーレー著、牧山耕平 訳 明治9年(1876年)
  • 「万国地名字引大全」安倍為任 編 明治9年(1876年)
  • 「兵要万国地理小誌」近藤圭造 訳述[他] 明治9年(1876年)
  • 「暗射図符号解」久保譲次 編 明治9年(1876年)
  • 「特命全権大使米欧回覧実記」久米邦武 編 明治11年(1878年)
  • 「万国地名字引」桜井茂衛 編 明治11年(1878年)
  • 「外国名尽:行書」巻菱潭 書 明治11年(1878年)
  • 「一語通信」石出好三郎 編 明治13年(1880年)
  • 「習字大全」日比野綱雄 編 明治13年(1880年)
  • 「采覧異言」新井白石 著 明治14年(1881年)
  • 「五事略」新井白石 著 明治16年(1883年)
  • 「日本国勢要覧」文学社 明治17年(1884年)
  • 「独逸国勢誌」小林営智 編訳 明治18年(1885年)
  • 「万国名所図絵:世界旅行」青木恒三郎 編 明治18年(1885年)
  • 「万民必携英学自在」岡本信 抄訳 明治19年(1886年)
  • 「絵入羅馬字之楷子」加藤繁生 著 明治19年(1886年)
  • 「現今万宝新書:百般実用」大阪共友出版 明治20年(1887年)
  • 「万国商業地理教科書」岡野熊太郎 訳 明治21年(1888年)
  • 「関税局明治21年調査資料 - 外国貿易論」添田壽一 著 明治21年(1888年)資料
  • 「紳士淑女談話の種草:欧州諸国ノ国名ノ由来」松尾久太郎 著 明治21年(1888年)
  • 「外国地理 : 訂正」高木怡荘 著 明治23年(1890年)
  • 「受験応用万国小地誌」谷口政徳 著 明治24年(1891年)
  • 「新撰雅俗以呂波節用集」横田対山 編 明治25年(1892年)
  • 「新撰万国要覧」杉本尚正 編 明治26年(1893年)
  • 「世界新図」田村英太郎 編 明治27年(1894年)
  • 「地理学講義」田付直男 口述 明治28年(1895年)
  • 「地理學講義」志賀重昂 述 明治34年(1901年)
  • 「外国地理小誌」新保磐次 著 明治34年(1901年)
  • 「外国地名及人名取調一覧」文部省 編 明治35年(1902年)
  • 「外国地名人名新辞典」地理研究会 編 明治36年(1903年)
  • 「外国地名字彙」教授法研究会 編 明治36年(1903年)
  • 「外国地名人名称方と書方」魚住嘉三郎 編 明治36年(1903年)
  • 「最近漢文万国地図」松邑孫吉 編 明治36年(1903年)
  • 「小学校事彙」教育学術研究会 編 明治37年(1904年)
  • 「世界各国最近の商業教育」稲垣末松 訳 明治40年(1907年)
  • 「大英遊記」杉村楚人冠 明治41年(1908年)
  • 「欧米遊覧記 : 第二回世界一周」朝日新聞記者 編 明治43年(1910年)
  • 「外国地名人名呼称一覧」史学会 大正3年(1914年)
  • 「誤り易き文字と読方」高橋毅堂 著 大正4年(1915年)
  • 「瓦無島施設要圖」 陸地測量部 昭和7年(1932年)
  • 「世界地名大辞典」小林房太郎 著 昭和10年(1935年)
  • 「外国地名人名表」日本放送協会 編 昭和12年(1937年)
  • 「法令全書」 明治2年 〜 (調査続行中)
  • 「官報第1号 〜 」 明治16年(1883年)7月2日 〜 (調査続行中)
  • 「国立公文書館アジア歴史資料センター」
  • 「神戸大学附属図書館デジタルアーカイブ 新聞記事文庫」
  • 「日本法令索引〔明治前期編〕ヨミガナ辞書」平成19年(2007年)など。
この他、正岡子規、夏目漱石、芥川龍之介などの、主に明治、大正、昭和初期の文芸作品など。
このページをほぼそのままコピーして使用されているサイトが見受けられましたので、「ちょっと便利帳」では、中国語表記を付加した内容に改訂しました。(2007.9.10)
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